生体感異色 序章
お金はない、でも世間から見たら成功者と言われる。
やりたいことをやってる。
どんなに反対されても。
だって、必ずできると信じてたから。
夢はいつか叶う、頑張れば夢に届くなんていう甘い言葉は、それを信じてる時点で、もうアウトかな。
そういう意味で、当時の俺はアウトだったと思う。
でも、誰かがやらなきゃ、未開の地は開拓できない。
反対されようとも、批判されようとも、様々なものを捨てようとも。
だから今でも色々な夢を見て、そのために様々のものを捧げて、そして掴み取る。
俺はギリギリで掴んだんだと思う。
掴んだというか、しがみついてる。
だからまだまだ途中なんだよ!
夢は届くものじゃなくて、色々な努力や犠牲の上で掴み取るもの、それが分かれば夢は目の前にあると思うし、是非掴み取って欲しい。
届かない所にどう手を伸ばすか、夢が全員叶うなら、頑張れば全ての人の願いが叶うなら、今の世界はないよね。
コロナで世間の動きが止まる数ヶ月前、大きな病気にかかった。
自覚症状は全くなかったけど、家族と数名の近しい人に、見た目の変化を指摘された。それは黄疸だった。重い肝機能障害!
余命も数ヶ月レベルで通告された。
まだ40歳。
様々な治療をしたけど。
生き残る道は生体肝移植だけ。
そして妻の覚悟があり、妻の肝臓が今の自分の中にあって、生かされてる。
感謝しかないけど、妻曰く「あなたは、まだ死ねないから、やる事やってからでしょ!っていうか、死なないから、ちゃんとやりなさい。」
返す言葉はなかったし、こうして今があるんだなって、言葉がなくなる。
日々いろいろな症状とは戦ってるど、妻曰く死なないらしい。
妻の搾り出した思いと激励、覚悟、だからこそ死ねないね。
死ねないよ。
まだまだ家族にも、周りの人達にも恩返しができてないから。
まだ何もゴールに届いてないから。
長男が泣いてる顔を初めて見た。
子供を泣かせる父親は最低だな。
だから、少しだけこれまでの事を書いておきたいなって思ってます。
これからの為に。
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