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悪いけど良くなってる

『FACT FULNESS』

著-ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロランド

訳-上杉 周作,関 美和

2021年
一番初めに読めた本がこの本でよかった。

あーとぅ(ありがとうございます)🙋‍♂️

『FACT FULNESS』は著書であるハンス・ロスリングさんが余命宣告を受けた後に、全ての仕事をキャンセルして書き上げた本です。
結局完成まで生き続けることは難しく
一緒に作っていた息子と、息子の奥さんで出版まで到達しました。
何一つ無駄がなく、読む人を飽きさせず知識と知恵と勇気を与えてくれる本。
この本は生きているうちに一度は読んでいただきたい。
まずは買っていただいて
本棚に眠らせて気が向いたらでいいので読んでください。

そんな本書がどんな人におすすめか
3つに絞ってご紹介します。
それぞれ
『これから読書を始めたい人』
『心理学が好きな人』
『不安な気持ちになりやすい人』

三つの観点でご紹介させていただきます。

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これから読書を始めたい人へ
この本がおすすめな理由

めちゃくちゃ読みやすい!!!
この『FACT FULNSS』という本は
結構分厚くて大きめで
読むのには少し抵抗感があります。
(けんてぃもこれが理由でずっと読むのに抵抗感がありました。)

しかし
読み始めると、内容や文の構成がものすごく上手にまとめられていて
グングン読み進められます!!!

とはいえ400ページほどの内容で
その辺の本よりは確かに分厚い…
「ものすごく長い読書の旅が始まりそう…」「それなりの心持ちをして読んでいかなくてはいけない…」「読むのしんどそう…」
なんて、思わなくて大丈夫です。

まず、この本のメインの内容というのは
310ページ程。(残りは、あとがきや謝辞、出典など)
310ページでも多く感じるかな?
ですが、ここでこの本の構成に注目します。
この本は全部で11の章に分かれています。
つまり一章あたり30ページほどです。

「400ページの分厚い本を読むぞ!」よりも
「30ページの薄い本を何冊か読むぞ!」と思ったらどうでしょうか?少しハードルが下がりません?
しかも、最初は薄い本を何個か読むだけが
読み終わった後には
「こんな分厚い本を読めたのか…俺!(私)!」
ってなるわけですから。達成感も半端ないわけです。笑

ちなみに
僕は読むのが早い方ではありません。(速読ためしたけど向いてなかった。)
僕で1ページ読むのに1分くらい。
なので一つの章を読むのに30分ほど。

ここで提案です。
この本を1ヶ月かけて読んでみるのはどうでしょう?
一日15分(15ページ)を20日間!
仕事の通勤時間や寝る前の15分。朝いつもより少しだけ早く起きて15分。
なんか、できそうですよね?
もしかしたら、おもろしろくてもっと早く読み終えるかも知れませんが。

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心理学が好きな人へ
この本がおすすめな理由

この本少し開いて読んでみたら
環境問題の話?貧困の話?現代の世界の話?
興味がある人以外は読む気をそがれそう。
なんて印象を受けます。

しかし、この本をどんな人でも読めてしまう理由が2つあります。

1つ目は今世界で何が起こっているかが正しく理解ができる。そして、日本が今世界に対してどんな位置付けにあるかが正確にわかる。
メディアのせいで、日本はずいぶんと落ちぶれたように感じるかもしれません。
しかし、この本を読めば日本の世界における立ち位置を把握し、
今日本が抱えてるであろう問題や現状がなんら特殊でないことがわかります。(少子化や女性の初婚年齢の遅れなど)
例えば少子化について。
僕のおばあちゃんには兄弟が6人ほどいました。でも現在僕の周りに6人兄弟はそう多くはありません。僕らのおばあちゃん世代って兄弟が多くいた世代だと思います。(もちろん家庭によりますが…)
何故だか説明できますか?

と、ここまで言っておきながら
今回僕が触れたいのは2つ目の理由なので
少子化が自然の流れだってことが
気になる方は是非
『FACT FULNESS』をご覧ください。 

それでは2つ目に参りましょう。
2つ目は人間が何故、物事を悪い方向へ捉えやすいのか?を説明してくれます。人間には誰しも10個の本能があるそうです。それは、ジャングルに生きていた頃には非常に重要な本能であったはずが、現代においてはむしろ、生きていくことにおいてしばしば悪影響を与えていると。
この10個の本能について、現代の世界を通して説明してくれるのが『FACT FULNSEE』です。
心理学好きな人は、世界のことを学びながら、自分の中の直観やなんとなくが、なぜ間違った判断をしてしまうのか。を理解しながら読み進めれるはずです。(心理学好きのけんてぃは発見や気付きの連続でした。)
ちなみに、
皆さんは世界が良くなっているのか悪くなっているのか。どちらか、わかりますか?
この正答率について。著者がとても面白いことを言っています。
「人類はチンパンジーより正答率が低い」と。
ちなみに答えは『良くなっている。』です。
どう良くなっているかは是非『FACT FULNESS』を読んでみてください。

そして、この本は日本で2019年1月に発売された本です。皆さんもお分かりの通り、新型コロナウィルスの影響により、2019年と2021年現在では全く状況が違います。
新型コロナウィルスの影響により世界は悪い方向へ向かっています。(決して良い方向とは言い難いですよね。)
それでも世界は良くなっています。
ん?矛盾してますか?
でも、この意味がわかるはです。『FACT FULNESS』を読めば。

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不安な気持ちへなりやすい人へ
この本をおすすめできる理由

先程もお伝えしたように
世界は良くなっています。
それは、データが物語っていて。
その紛れもないデータという根拠と共に
あなたの世界に対する不安を消し去ってくれます。

あなたの頭の中のオセロが黒から白に変わっていく体験が
この『FACT FULNESS』で体感できます。

お金がない時でも
しっかり今自分がいくら持ってて
いくら使えるかを把握しとくと
自然に不安がなくなってやる気が出る感覚に近い。

わかります?笑

それと、不安の根源について
知ることも出来るかもしれません。
たとえば本書に出てくるものでいうと
『ネガティブ本能』というものがあります。
それは、良いことよりも悪いことの方が記憶に残りやすいというもの。
良いニュースを知らなくても生きてはいけるが、悪いニュースを知らずに生きていけるだろうか?(例えば新型コロナウィルスについて無知で生きていられる?)
だから、悪いニュースには誰もが注目する。悪いニュースは生死に関わるからだ。
更にはメディアが取り上げるものはほとんど悪いニュースであること。
何故か?この世の中に生存している人間は生きたいということよりも死にたくないと思う人の方が大多数を占めているからだろう。

良いニュースってのは広まりずらく
悪いニュースってのは一気に広がる理由が説明できそうですね。
でも、これでネガティブ本能との向き合い方が少しわかりそうですよね。

正しく知ることで不安は解消される。
それが『FACT FULNESS』

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とまあ、こんな感じです。
最後に10個の本能が一体どんなものがあるのかここに書き留めておきます。

もし
この中に気になるものがあれば
その章だけでもいいので
読む価値ありかと思います。

分断本能「いつのまにか良し悪し、白黒、0,100で考えてしまってませんか?」

ネガティブ本能「いつのまにか悪いニュースばかりに目を向けてませんか?」

直線本能「いつのまにか右肩上がりはずっと右肩上がりに。なんて考えていませんか?」

恐怖本能「いつのまにか実は危険ではないことを危険だと思い込んでいませんか?」

過大視本能「いつのまにか目の前にある数字やグラフを信じこんでいませんか?」

パターン化本能「いつのまにか〇〇の場合は△△である。をいろんな物事にあてはめてませんか?」

宿命本能「いつのまにか私は〇〇を成し遂げなくてはいけない。と思っていませんか?」

単純化本能「いつのまにか何事も単純にしようとしていませんか?」

犯人捜し本能「いつのまにか悪いことが起これば誰かのせいだと犯人捜しをしようとしていませんか?」

焦り本能「いつのまにか今すぐ決めなくてはいけない!っ思い込んだりしていませんか?」

2021年のっけから
とても素敵な本を読ませていただきました。


こんな感じで
昨年の下半期は読書活動が継続できなかったので、今年は平たく一年頑張りたいと思います。
2021年もけんてぃをよろしくお願い致します。
あーとぅ🙋‍♂️

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