見出し画像

言語AIの頭の中に入る

昨今XAI(AIの説明可能性)が話題になっている。実際にAIが何を行なっているか、AIが行なっていることをどう説明するかが今後重要になってきていると思う。私は自然言語処理のAIを使ったアート作品を作っているが、そのような観点で体験者が、言語AIが何をやっているかを体験できるようなインタラクション作品を作った。

JOURNEY INTO WORD2VEC

作品は言語AIの頭の中を旅するVR体験を提供する。作品のタイトルにあるWord2vecとは膨大な量の文章をニューラルネットで処理することで、言葉の意味を数値化する技術。プレイヤーは言葉の意味(数値)に従って単語が配置された空間の中を自由に動き回り「言葉の足し算」を繰り返す。人間の認識とは異なる秩序によって構成された言葉の世界を体感するVR体験。

Word2vec

学習モデルとしては、こちらのモデルを活用しました。Word2vecは2013年にGoogleのチームによって提唱され、単語を数値化(ベクトル化)することができる。またただ単純に数値化しているわけではなく、文章中の言葉のつながりから、数値化されているため、意味の足し算引き算ができる。演算の例として、

王様ー男性+女性=女王
北京ー中国+フランス=パリ
社会的+昆虫=パリ
新しい+マイケルジャクソン=レディ・ガガ

などが挙げられる。今回活用されているモデルは、300次元で表されているため、次元圧縮で3次元にし、空間としてビジュアル化した。

このVR体験を通して、体験者はリモコンで空間を移動しながら、好きな単語を2つ掴むと、その2つを足した結果にワープする。ロジックを詳しく知らない人でも体験を通して、言語AIの仕組みを理解できるような体験ができる作品である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?