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『ひとり〜月の釣り人〜』あとがき

はじめに

初めましての方は初めまして、そうじゃない方にはお世話になってます!
やまだけんとです。
現在は劇団『おかしないえのまほうつかい』をかわせと二人で運営しています。
劇団での僕の役割は、俳優、SNS大臣、稽古場抑えやキャスト集め等の制作全般に美術全般等々・・・
出来ないながらに、かわせや友人、知人、先輩やらに教えを乞いながら、なんとかやっています。
なんせ二人しかいませんから、全ての業務を二人で分担してやっています。
(猫の手も借りたいので手を貸してくれる方は是非ご連絡を!!)
そんな『おかしないえのまほうつかい』ですが、先日6月14~16日の日程で第3回公演『ひとり〜月の釣り人〜』を無事終演することが出来ました。

左から かわせゆうき 茂木香奈実 福島幸 やまだけんと


このnoteはそのあと語りです、どんな経緯で今回の公演に至ったのか、公演までにどんなことがあったのか、公演を終えて今後どうするのか等をつらつらと綴っていこうと思います。

演劇に携わっている方、これから演劇をしてみたい方、劇団を作ってみたい方に是非読んで欲しい!そして僕たちみたいなイかれた集団が無数に日本全国にあるということも知って欲しいと思います。

『ひとり〜月の釣り人』を終えて

今回の公演を終えて決めたことがあります、それは、、、

自主公演はやらない!

正確には、当分は『おかしないえのまほうつかい』単独での自主公演は封印しようということです。
では、どういう公演形態をとっていくのか、それは演劇祭などへの参加やイベントの主催として催したり、他の劇団と合同で公演をする形をとっていきます。

正直な話僕は演劇の世界に足を踏み入れてまだ3年も経っていないペーペーです、なので演劇界の常識なんて知りませんし、この方法が正解かなんてことも分かりません。
でも一つだけ今回の公演をしてみて分ったことが自主公演で知名度を上げていくことは、茨も茨、有刺鉄線の中を裸で進んでいくようなものだということです。

僕たちには、地盤も看板も雀の涙ほどしかありません、その使い方も分かっていません。
僕たちが生き残っていくためには違う道を模索していかないといけないという事を強く感じた公演でした。
では、僕がこの2月から6月までにやってきた事がどんな事だったのか、最後まで読んでいただけると幸いです。

『ひとり〜月の釣り人〜』ができるまで

2月20日家に帰ると一通の薄い封筒が届いていて、重たい気持ちで開封するとそこには『残念ですが研修科への進級は叶いませんでした。』の文字が。

去年1年間文学座附属演劇研究所にお世話になっていた僕の実習科から研修科への道は断たれました。
この後のことは何も考えていません、実家を飛び出してきた手前今更尻尾を巻いて帰るなんてことはできませんでした。
バイトしながらオーディションでも探すか〜と呑気に考えていたところ一本のLINEが

『今から下北で飯行かない?』

1年間文学座で一緒に研修科を目指しつつ作品作りをしていて一番年齢が近い
かわせからのLINEでした。
この1本のLINEが全ての始まりでした。


池袋にいて用事は終わっていたので、小田急線で帰り最寄りのガストでかわせと会いました。

「お疲れ様です。」
「お疲れ〜、やまけん(僕の愛称です)さ突然だけど劇団やらない?
「・・・?」

本当に突然でした、一瞬何を言ってるのか分からなくて固まっていると

「やることまだ決まってないなら一緒に劇団をやろうよ」
と言われやっと理解し、すぐさま
「是非!!」
こうして劇団「おかしないえのまほうつかい」は発足しました。

公演決定→キャスティング

とんとん拍子で話が進み、僕は「おかしないえのまほうつかい」の劇団員となりました。
しかし劇団に所属したこともない僕は劇団と言っても何をすればいいのか分かりません、とりあえず公演を打ち知名度を上げないとと考えていました。

その後、かわせと6月に公演を打つ事を決めたのでまずはキャスティングです。
キャスト1人目は文学座で1年間同じ作品を作ってきた同期から福島幸 
そして、川瀬の昔馴染みで現在フリーの俳優お二人にあたりをつけ、交渉の末キャスティングに成功しました。

躍動するかわせのキャスティング

本はどうする?

無事キャストが決まり、本の作成に取り掛かります。
本来であれば本→キャストのはずですが、キャストから先に決まり本が決まってないという異常事態でした。
本は当初、モンタージュ(色々な戯曲のシーンを繋ぎ合わせて一つの物語にする手法)作品にする予定だったのですが、あれやこれやと会議をしているうちにかわせが「なんか書けそうな気がする」と言い始めオリジナル作品を演る事になりました。

まず大きなコンセプトとして『扉』というコンセプトが立ち上がりました。
『扉』はあちらとこちらを隔てるものであり、扉を開けてその先に進む(何かが進む)ことと僕たちの劇団としてのスタートとも掛かるとして『扉』がコンセプトとなりました。

さて、コンセプトから関連する言葉や事柄、行事など様々な要素を足しては執筆し実際に声に出してみるという途方もない工程を経て本は段々と出来上がっていきました。
この工程を実際に目の当たりにしたことで、作品作り、物語を作るということのスケールの大きさやその言葉の裏にどれだけの想いと血と汗が籠っているのかということを実感した体験でした。

トラブル発生!!

着々と台本が出来上がる中、3/19日かわせから一本のLINEが。
なんとなく嫌な予感はしていました、なんせ『相談がある』という内容だったので。

予感は的中し、キャストの一人の方が一身上の都合により辞退したいとのことでした。
仕方のないことではあったので残念ではありますが、降板となりました。

さてここからが大変です!
箱も決まり、台本も進んでおり、稽古日程もある程度の段取りがついた中、空いた穴に適合するキャストを探して組み込むということは。
手当たり次第にツテを使いキャストを探しました、専門学校の講師の方に頼んだり、ネットの掲示板にキャスト募集を出したり、当然知り合いにはLINEを鬼のように送り、しかし条件に当てはまる役者は中々見つかりません。

新たな仲間

そんな中3月は過ぎ4月がやってきました。
公演まで2ヶ月となり本格的に稽古を始めないといけない雰囲気が立ち込めます。
かわせも最悪山田と福島の二人芝居で、と呟いていたところに吉報が!!

『ぜひ舞台に出演させて下さい!!』

かなみん本当にありがとう!


両手をあげて喜びました、キツイ条件の中専門学校時代の後輩だった茂木香奈実が出演してくれることになりました!
こうして無事座組と本が揃い、本格的な稽古がスタートしました!

稽古から本番まで

稽古環境は非常に良好でした、茂木は他の3人が文学座ということもありやや緊張が抜けない面持ちでしたが、女性同士である福島を中心に次第に溶け込んでいきました。

読み合わせをする4人


年も近い4人でしたし、かわせは稽古環境に非常に気を遣っており、ハラスメントはどんな理由でも認めないという方針を打ち出し、率先して良質な稽古環境を作り上げていました。
具体的には

・誰に対しても意見が言える環境
・意見に対して肯定し更に上乗せしていく
・難しいことも一度やってみて検討する

これらの事項を遵守しながら稽古が進んでいきました。

まさにこの事項通りに進み、演出から役者へ、役者から演出へ、役者から役者へ、制作から座組へ、座組から制作へ。
ノンストレスに意見がやりとりできる環境がそこにはあったと確信します。
今後の稽古環境もさらに改善を重ね、良質な稽古環境を目指して運営していきます。

稽古には途中、音楽指導と楽曲制作の補助として文学座で同期だった笹良まゆが稽古場に。
文学座の同期で今フリーで頑張っている曽田昇吾がビデオメッセージで。
それぞれ応援してもらい、同期や役者どうしの横の繋がりをとても感じた瞬間でした。

予約と集客

他の劇団さんでも言っていると思いますが、

『予約はお早めに!!!』

これは席数の問題もありますが、座組(僕)の情緒にダイレクトに反映されます!!笑
今回予約開始は4月15日でチケット管理システムは馴染みのあったQuartetto Onlineさんを使用させていただきました。
Quartetto Onlineさんは概ね問題ないのですが、一点だけ予約完了メールが届かないことがあります。
今回47件予約があったうち連絡があったのは1件でした、システムも今後さらに良いもの、企画にあったものを模索していかないといけませんね。
今度検証しようとしているシステムは R7 TICKET SERVICE で当日精算でメール認証がある唯一のシステムです。
よりセキュリティが強化されているようなので今後使っていくかもしれません。

そして、集客に関しては今回動員が予約45名、飛び込み1名、招待2名で48名でした。

14日金曜日19:00 22名(増席)
15日土曜日13:00  9名
15日土曜日18:00  9名
16日日曜日13:00  8名

集客方法は、
・各個人での声掛け
・劇団SNS投稿
・公演情報サイトへの投稿4サイト
この3つを行いました、正確には他の集客方法に手が回らなかったというのが本音です。
今回観劇に来てくださった方は9.9割が身内や同期、飛び込みの方は兎亭を次回使うからという方で、情報を見てきたという方はその1名のみでした。
これは制作として完全に敗北です。

反省1.使える人脈を最大限に利用できなかった
反省2.情報サイトに必要な情報、魅力的な情報がなかった
反省3.各メディアへの露出をさせることが出来なかった

各反省についてはここでは語りませんが、もし機会があれば書くかもしれません。
このように集客は大敗北でした、反省し、傾向と対策を詰めて次回公演では80名動員を達成します。

最後に

今回の公演はとんでもなく学びのある公演でした。
今まで自主公演をしたことがない中での挑戦だったので当然といえば当然ですが、「まだ出来た」という思いが拭えないのが本当のところです。
もっと出来ることがあった、もっと取り掛かりが早ければ、もっと計画ができていれば、もっともっとが止まりません。
でも、それは裏を返せばそれだけ伸び代があるということに他なりません!
企画段階、進行段階、当日運営、事後処理、どれも穴だらけでした、それでも反省だけでなく改善して前に進めていかなければなりません。

僕たちの目下の目標は東京芸術劇場シアターイースト公演です!

総動員1500名、そのスタート地点に今立ちました、
その姿はボロボロかもしれません。
見窄らしいかもしれません。
笑われることもあるでしょう。
無理だと言われることもあります。
険しい道のりだと思っていますが、それ以上に険しい道のりなのでしょう。
でも僕たち『おかしないえのまほうつかい』は進み続けます、カッコ悪かろうが泥水を啜り、額を地面に擦り付け、声を高らかに魂の言葉を叫び続けます。
そんな始まったばかりの劇団『おかしないえのまほうつかい』を是非沢山の人に知って欲しい!そして実際に会いにきて欲しい!
僕たちがやっている熱量、言葉、表現をいっぱいに浴びて欲しいと思っています!
拙い文章ではありますがこれで結びとさせていただきます。

Special Thanks
何もわからない僕をおかまほに誘ってくれた主催の ゆうさん
稽古場までほぼ毎日1時間かけて一緒に作品を作ってくれた ユキ
突然の声掛けにも関わらず座組に参加してくれた カナミン
楽譜の書き起こし等々お世話になった まゆ姉
小屋を貸していただき多くの相談にも乗っていただいた兎亭斉藤さん
そして、『ひとり〜月の釣り人〜』を見にきてくださった皆様本当にありがとうございました!

おかまほの次回公演は10月を予定してます、この文章を読んで少しでもおかまほの事が気になった方は是非劇団のSNSやかわせのSNSアカウントをフォローして僕たちの成長物語を目の当たりにして下さい!

そして、少しでも共感してくれた方はSNSで拡散して下さると喜びます。
ご意見や僕たち私たちも公演をやりたい!やってる!という方々は是非意見交換しましょう!
それではまた、小劇場の片隅でお会いしましょう!

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