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Good night Terry.

ポップソングにおける社会への批評性。
昨今の日本におけるファンビジネスとなったメインストリームのロック・ミュージックからは想像がつき辛い音楽がある。
ぼくは小学生の頃ビートルズを聴き始めて、彼らのルーツや彼らが与えた影響下にあるポップ・ミュージックを際限なく聴きかじり、
そこにある政治的な主張の違いや人種や国、文化を超え広く伝わるポップ・ミュージックのヴァイヴスを身体いっぱいに受けて36年生きてきた。
耳心地の良いラヴ・ソングや何気ない日常を歌う物もあれば、強烈に社会や生活における政治への批評を孕んだ物もあり、どれも音楽を通してそれぞれの生活や人生をポジティヴな方へ動かそうとするエナジーを持つ物であった。

中でも英国のパンクと言われたムーヴメントでその社会批評は強く主張されていたが、パンク・ムーヴメントを生み出したセックス・ピストルズは、過激でノイジーなサウンドで国家元首へのクエスチョンを表明し、続くザ・クラッシュは英国へ移住してきた人たちのサウンドを借りて人種問題を歌った。

さらにその後、英国の工業都市コヴェントリーから人種混成バンドであるザ・スペシャルズが激しいジャマイカ発祥のスカ・ミュージックを携えて登場。
南国の陽気なスカに乗せて展開される主張はまさに人種対立や階級社会への批判である。

スペシャルズのリードシンガー、テリー・ホールはまさにその言葉を人へ伝えるメッセンジャーと言え、ぼくは彼らの音楽で自分を動かしてきた時もある。
彼の歌、声があるからこそスペシャルズは特別なのです。

ぼくは沢山のポップ・ミュージックから自分の知らない、興味が届かなかった所へ目を向け理解と敬意を持つ事を知り、その必要性を理解してきた。
だからポップソングは人を素敵な音楽で社会や世の中を優しく良い方向へ向かわせる事を期待してしまう。
もちろん心地良い耳障りの言葉や音楽も必要だけど、いつまでも肥大した思春期をぐるぐる回っているような事ではダメなのです。

テリーの歌声を生で聴いたのは2008年のフィンズベリー・パークでのRise FestivalでのDub Pistolsでのフィーチャリングボーカルだったのだけど、反レイシズム・フェスでテリーの歌を聴くことが出来たのは、これからの人生に大きく大事な物を与えられた気がします。

テリーの声で心地の良い音楽とともに社会の問題点へどうするかをぼくは学んだよ。
安らかに。

79年にスペシャルズがレゲエでなくてスカだった事、スウェードヘッズ/ハードモッド的だったのが重要。

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