ルネサンスは1516年におわた?

美術などで語られるルネサンス、一般的には14世紀から宗教改革後のトリエント公会議(1545年-1563年)まで続いたといわれているらしいが(wiki)、実質1516年に終わってんじゃないの?と思うのです。

そもそもルネサンスとは?
「再生」「復活」などを意味するフランス語であり、一義的には古典古代(ギリシア、ローマ)の文化を復興しようとする文化運動。(wikiより)



ルネサンス以前はキリスト教が絶対的な権力というか統制力というか、社会の規範になっていたんだけれど、キリスト教の世俗化により、もっと昔のギリシャ・ローマに倣おうという動きが出てきたのがルネサンス。

代表的な画家はボッティチェリやレオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロなど、作家でいうとダンテ(神曲)やボッカチオ(デカメロン)がいて、世俗的な物語を作っていた。


なお、この時代の音楽は教会音楽が中心で作曲家や演奏家が名前を売るような状況ではなかった。

そのルネサンスがなぜ終わったのかというと
①教会のさらなる世俗化(弱体化)→芸術まで金がまわらなくなる
②航路開拓による交易が盛んになって、金持ち市民が競い合いすぎ→芸術まで金がまわらないくなる
ということですが①の要因として挙げられるのが
★1517年からのルターの宗教改革ですが、★1516年のトマスモアの小説「ユートピア」それまで絶対だと思われていた政治や権力にメスを入れるということで思想の流れを変えたと思います。だから1516年をルネサンス最後の年と思うのです。

これ以降は、★1532年にマキャヴェッリが「君主論」(政治学の著作)を出すなど、教会権力がさらに弱まってきていることがわかります。

他には、★コペルニクスが1542年には『天球の回転について』を刊行するのですが、その着想は1510年にはあり、周囲の人には発表していました。ここでも教会の影響力が弱まってきていることがわかります。

他には★1516年にダヴィンチが最後の油絵といわれる「洗礼者聖ヨハネ」を描いています。
これをルネサンス最後の作品と思います。


ちなみにもう一人の巨匠ボッティチェリは1510年に亡くなっています。


なお、この時まだ、ミケランジェロは生きていて、1516年以降も作品を残しています。
例えば壁画「最後の審判」など、
でもこれ以降のミケランジェロは、体のうねりを強調しすぎるような絵や彫刻になり、次の時代のマリエスムへの橋渡しになっているように見えます。

あと

②については★1492年にコロンブスがアメリカ大陸へ到着、★1498年にヴァスコ=ダ=ガマがインド航路を開くなど、世界への扉が開き、交易が盛んになってくるのです。そうすると交易で力をつける市民階級が生まれるのですが、金持ち市民は芸術よりも金稼ぎということで、芸術家にとってはパトロンがなくなってしまったのです。


パトロンはいなくなるわ、新しい思想はでてくるわで、ルネサンスは1516年におわたのだと思います。

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