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モノクロで遊ぶ

モノクロとカラーでは撮り方が違う事は、ちょっと試してみればわかる事。
何となくこうなんじゃないか・・と思って実験して、自分なりの答えを見つけるのがまた、写真の楽しみだと思っている。
 
自分にとっては、モノクロの場合は構図、カラーの場合はカラーの対比と構図のバランスの取り方が大事だと思っていて、だから構図のみに意識が向けられるモノクロの方が、写真として面白いのだろう。
 
ただ、モノクロ用として撮っていない写真をモノクロ化する場合は、現像で遊ぶ事になる。
銀塩プリントだった時代は、Photoshopの様にレイヤーを組んでちょっとだけソフトをかけるような現像ができなかったから、露光の最後にストッキングでソフトをかけるような技を使ったり、プリントする紙のマット感を利用したりした事を思い出す。

EOS R5 RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO400 f/6.3 1/250s 50mm

この写真は、Nik-Collectionのプラグインを使って、周辺減光やコントラスト調整に加えて、クラシックレンズを模すソフトをかけたレイヤーを作って、元画像とブレンドして作成した。銀塩プリント用ペーパーにイルフォード社のマット紙を使うと、こんな風合いに仕上がるので良く使った事を思い出す。

EOS R5 RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO1600 f/6.3 1/3100s 50mm

この1枚は、コントラストや周辺減光等の加工は加えたけど、ソフトや光拡散(グラマーグロー)等の加工はしていない。
賑わう中華街の中で仕事する調理人の佇まいを壊さない様に加工したのだが、視線誘導をするために周辺減光をかけている。

EOS R5 RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO400 f/10 1/320s 24mm

先週の石川町では「石川町裏フェス」が開催されていた。
ネタになるかと思ってカメラを持って行ってみたが、ワンコインで料理や商品が販売されたりフリーマーケットがあったりで、かなりの混雑だった。

EOS R5 RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO400 f/10 1/320s 24mm

街撮り好きな自分としてはいつものパターンで撮るのだけど、如何せん人が多くて面白いモチーフは見つからない。
なので、こうやって現像で遊ぶモノクロで仕上げてみた。

EOS R5 RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO400 f/5.6 1/250s 24mm

こういった写真はただの記録に過ぎないけど、それは今現在の話。
これが20年とかの期間を過ぎると、別の価値が出てくる。
こんなフリーマーケットの風景でも、写る人達の20年後を想像すると、全く違う年齢層に変化した風景に変わっているはずだ。

EOS R5 RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO400 f/7.1 1/250s 24mm

こんな人出の中で、疾走する自転車をみつけた。
 
何故そんなに急いでいる?
どうやってこの人混みの中で走ってきた?
電子先幕シャッターだと、車輪が円に写らないのか?
 
まぁ、この1枚で色々考えられて、自分的にはツボにハマった1枚になったけど、エッセイなどの挿絵的に使うには面白いモチーフになったと感じている。

EOS R5 RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
ISO400 f/9 1/125s 44mm

これは、カラーじゃなきゃ意味が無い1枚。
(カツの揚がり具合やカレーソースの濃さを表現するならカラーしかない)

せっかく来たんだから何か食べようと思っていて、石川町駅のすぐそばにあるカツカレー専門店が出していた串カツ(勿論500円)を買った。 
食べてみて驚いたのは、ヒレカツ2枚とロースカツ1枚で構成されていた事。
かかったカレーとの相性は当然ながら抜群で美味しく、かなりのお得感があった。
(これが訪れた目的だったりする)

EOS R5 RF24-105mm F4L IS USM
ISO800 f/7.1 1/250s 105mm

写真の見せ方の中には「謎解きの楽しさを含める」という手法がある。
 
撮影者だけが見つけた構図、瞬間、視点を具現化するのが写真なら、その被写体が何なのか、何処なのか、意図はなんなのだろうか・・という「謎」を解かせるための仕掛けもまた技術であり、そういう意味ではモノクロとカラーはやっぱり意図して選ぶべきなんだろうと思っている。
 
やっぱり、写真は面白い。
 
noteで書く事は、過去データを整理したり再現像したり撮影に出たりする原動力の一つになっているけど、それよりも撮影する度、現像する度に、面白さに気づかされてしまうのだ。
 
来週は何をアップしよう・・かね。

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