それが好きだから働くのか、その好きなもののために働くのか

 就活中の学生は、自分が働きたいと思う業界の志望理由をこれから固めていくことになる時期だろう。かくいう私もその身分である。心理的モラトリアムから巣立たなければならない憂鬱さに苛まされながら、否が応でも就活のことを考えなければならない。かといって、考え始めるととことん考えてしまうのが私の悪いところ。もちろん良いところだと捉える風向きも私の中にはあるが、今はほっておこう。

 さて、そんなこんなであれこれ考えているうちに、「自分が好きなものを仕事にしてはいけない、という言説は真か?」という問いに直面した。そこで今回はその問に対する私なりの答えを書こう。

 結論から言うと、自分が好きなものに関する職種への志望理由が
・「それが好きだから」ならSTOP
・「その好きなもののために働きたいから」ならGO
である。

 何を当たり前なことを、と思われた読者なら、今すぐ読むのをやめてサウナに入りに行こう。最近急に寒くなったし、サウナへ行くのだ。サウナはいいぞ。

 もう少し読もうと思われた読者、このまま読んでいただけると嬉しい。そして読み終わったら、サウナへ行こう。サウナはいいぞ。

 話を戻そう。好きなことを仕事にしないほうがいい、という言説の理由として、
・好きなものを仕事にすると、辛いときに逃げ場がなくなる
・好きなものが嫌いになる
というのがある。一方で、好きなものを仕事にできればこれほど幸せなことはない、という話もある。この2つの考え方の違いは、その人が「何のために働いているのか」である。

 前者の人は恐らく「お金を稼いだり、自分や家族が生活したりするために」働く、としか考えていないのだろう。つまり働く理由が、その好きなものの外にあるのだ。

 一方、後者は例えば「好きなものをより発展させたい」や「好きなものをより多くの人に知ってほしい」と考えている。つまり働く理由が、その好きなものの中にある。

 この違いは大きい。前者の人はぜひ「それが好きだから働く」のではなく、「その好きなもののために働く」と思考を深化させてみよう。

 実際の面接を考えてみても、このことは正しいはずだ。前者の人が面接で志望理由を「御社の○○が好きだからです」と言ったところで、面接官はどうしようもない。なぜならばそこで掘り下げた質問をしたとしても、結局深まるのは、それが好きな理由であって、その会社を志望する理由ではないからだ。

 「何のために働くのか」。
 どうせ働くなら、私は自分が好きなもののために働きたい。働く目的が自分が好きなもののためなんて、素敵ではないか。好きでなくてもよい。自分がそのために働きたいと思えるものを目指そう。

 結論。自分がそのために働きたいと思えるものを見つけよう。

 はっきり言って、私はまだ社会に出てもいないケツの青い人間だ。10年後あるいは20年後にまた読み返して、そのときの自分がどう思うかが楽しみである。

最後までお読みいただきありがとうございました。読んだ後はサウナに行って体を温めましょう。

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