Amazonマーケティングについて知られざる15の事実
こんにちは、株式会社ウブン代表の森岡健太郎(@moriken_ubun)です。
弊社は国内唯一のAmazonBoutiqueAgencyとしてAmazon出品メーカー様の売上最大化を支援しています。
8月にセラー出品者向けの無料で使えるマーケティングダッシュボードツールもリリースしています。
日々の売上管理や分析に使えるツールになっていますので、是非チェックしてみて下さい。
Amazonを中心とするECメーカーの買収、共同運営、出資サービスも開始しており、NewsPicksにも取り上げていただきました。
2020年はコロナによる影響もあり、EC化が大きく進み2021年もその流れが加速しています。Amazonも毎年、高い成長率で拡大しています。
今回はAmazonについて知っておくべきマーケティングデータを15個ご紹介します!
前半はAmazonの市場規模や出品に関するデータをご紹介し、後半はレビューや広告などのマーケティングデータについて説明していきます。
①グローバルの流通総額34.7兆円で世界2位の小売企業
世界No1の小売企業はどこか知ってますか?
2020年の数値ではウォールマートが約48兆円で世界No.1の小売企業です。
それを猛烈な勢いで追いかけているのがAmazonです。Amazonの2020年のグローバルでの流通総額は34.7兆円で世界2位になっています。
現状の勢いのまま、成長していけば2022年にはAmazonがウォールマートを抜いて世界No.1の小売企業になるのではないかと言われています。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65680
https://www.pymnts.com/news/retail/2021/amazon-will-outgrow-walmart-3-to-1-over-next-5-years/
②Amazonの国内流通総額は4.7兆円
日本国内で見ると、Amazonの流通総額が4.7兆円でイオン・セブン&アイに次いで3位の規模になっています。
ECモールの中ではAmazonは1位となっており、2位は楽天(4.4兆円)でこの2つで8割ほどのシェアを占めています。
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/70241
Amazonと楽天の規模は現状、大きな差は出ていませんが前年比の成長率で見ると大きく差がでています。
<2020年の流通総額>
・Amazon:前年比37.5%↑
・楽天:前年比19.9%↑
コロナによる影響はありますが、この規模で40%という数値は凄い成長率です。
③TOP100に2年間入り続けているブランドはわずか0.1%
Amazonの成長率を見ると市場の波に乗っていれば、売上が上がり続けるんじゃないかと錯覚してしまうかもしれません。
実際にはその逆の状況が起きています。ホーム&キッチンの中のあるカテゴリではカテゴリランキングTOP100以内の商品の中で2年間ランキングに入り続けた商品はわずか2商品(0.1%)だけでした。500日以上ランキングに入り続けた商品も38商品で全体の2%という数値になっています。
https://www.marketplacepulse.com/marketplaces-year-in-review-2020
Amazonなどのプラットフォームでは常にユーザーは商品を比較しているため、新規参入の競合商品が次々と出てくるとあっという間に売れなくなってしまうというリスクもあります。
④過去2年以内に販売開始した商品がレビューの32%を獲得
実際に新規参入ブランドは増加し続けています。
2020年の実績では過去2年以内に販売を開始した商品に32%レビューが付いています。
レビューは商品が買われている数に比例しているため、売上のシェアもこれに近しい数値になっているかと思います。
出品してから半年~1年以内のブランドでもマーケティングをしっかり取り組めば売上・利益が上げられるのがAmazonの特徴の1つになっているので、このデータはAmazonならではの数字だと思います。
<Amazon出品者レビューのシェア(Japan)>
・2015年以前:29%
・2016年:16%
・2017年:14%
・2018年:15%
・2019年:15%
・2020年:17%
https://www.marketplacepulse.com/marketplaces-year-in-review-2020
⑤国内のチャイナセラーの割合は26%
Amazonがここまでの勢いで成長している背景には出品者数が増えていることが影響していますが、中でも中国の売り手の増加は大きな影響を与えています。
中国は世界の工場と呼ばれていることもあり安価に製造が可能な工場が多くあります。その強みを活かして中国の売り手はAmazonでの販売を加速させています。
5年前の2016年時点では中国の売り手の割合は僅か11%でしたが、年々シェアが増え続けており米国では42%が中国の売り手だと言われています。
日本国内でも言語の壁がありつつ、26%のシェアを取っています。(MarketPlace Pulse)
ただ、規約を無視した販売手法などが問題にもなっており、直近ではかなりの数のアカウントが閉鎖されるなどAmazon側の取締りが厳しくなっています。
⑥Amazonセラーの80%は他のプラットフォームでも販売
Amazonの販売者が最も恐れていることの1つがAmazonとの競争です。Amazonはプライベートブランドという形で自社で製造し、販売する商品ラインアップを増やしています。AmazonBasicなどが有名ですが、平均より安い価格で販売してくることが多く、そうなったときにはカテゴリシェアが一気にAmazonに奪われてしまいます。
プラットフォームの販売はそれ以外にもルール変更や競合の参入で売上が下がるリスクがあります。
そのため、Amazon販売者の80%は他チャネルでも商品を販売しています。チャネルを増やすことは管理工数が増えますが、リスクを分散させるという意味では有効です。
特に日本ではAmazonと楽天の流通総額は大きな差がないので、この2チャネルでの販売をしているブランドが多いです。
⑦ブランドの42%は、eコマースの売上の50%以上がAmazon経由
Amazonでの売上割合はどれくらいありますか?カテゴリやジャンルによってその割合はバラツキがあると思います。
日本ではパソコン・ガジェット関連ですとAmazonのシェアが高いですし、食品やアパレルなどは楽天やZOZOTOWNのシェアが高い傾向があります。
ある調査データではAmazonに出品しているブランドの40%はAmazonでの売上割合が50%以上あるというデータが出ています。(feedvisor)
Amazon一強とは言われていますが、ブランドとしては他チャネルでの展開もしていくことでリスク分散をし、トップラインも伸ばしているブランドが多いようです。
⑧Amazonのレビューが3から5に上がると、コンバージョン率は12%上昇
Amazonの販売者が一番、気にしている数字がレビューだと思います。レビューが下がると不安になりますし、いい評価が付くと嬉しいものです。
実際にレビューはコンバージョン率に大きな影響を与えています。レビューをまったく読んでいないユーザーはわずか6%で、大半のユーザーはレビューを読んだ上で商品を買うか買わないか判断しています。
レビューの評価が1増えるごとにコンバージョン率が約4~5%増加するし、3から5に上がるとコンバージョン率は12%上がったという統計が出ているほどレビューがコンバージョン率に与える影響が大きいです。
<コンバージョン率とレビュー評価の相関性>
https://pattern.com/blog/analysis-high-amazon-star-rating-ups-conversion-sales-and-sessions/
⑨ユーザーの73%は過去1ヶ月以内に投稿されたレビューにのみを気にして、50%は過去2週間に投稿されたレビューのみを考慮
レビューについては星評価と数が最も重要な指標として捉えられていますが、いつ書かれたレビューなのかを気にしているユーザーも多くいます。
数年前のレビューを気にするユーザーより、直近書かれたレビューがどういう評価を受けているのかを気にしているユーザーが大半となっています。
・1ヶ月以内に投稿されたレビューのみを気にするユーザーは73%
・2週間以内に投稿されたレビューのみを気にするユーザーは50%
https://statuslabs.com/online-reviews/
⑩Amazonで購入する際に商品説明をしっかり読むユーザーは82%
Amazonでのコンバージョン率はレビューが大きく影響をしますが、同時に商品説明も重要な要素です。
Amazonで購入する際にしっかりと商品説明を読み込むユーザーは多く、いつも頻繁に読むユーザーは44%、たまに時折読むユーザーは38%で、全く読まないユーザーは1%です。(feedvisor)
⑪Amazonユーザーの70%は、検索結果の最初のページだけを閲覧し、35%のユーザーは一番上に掲載された商品をクリック
Amazonoで商品を購入する際に、検索窓から欲しいものを検索して購入する流れが一般的です。検索結果ページには多くの商品が掲載されますが、そのすべてを見るユーザーはいません。
70%のユーザーは検索結果の最初のページのみを閲覧し、その中でも35%のユーザーは一番上に掲載された商品をクリックします。(SEJ)
そのため、Amazonで商品を見てもらい、購入を増やすためには検索結果ページの上位に表示させることが重要です。
一般的には「AmazonSEO」と呼ばれており、SEOハックなどのテクニックについて書かれた記事なども多く出ています。本記事では詳細は触れませんが、気になる方は調べてみて下さい。
⑫Amazonで検索されたキーワードのうち、70%がカテゴリキーワードから流入
Amazonでは検索結果上位表示が重要だとお伝えしましたが、同時にどのキーワードで上位表示させるかも重要な要素です。
Amazonの場合、アディダスやNikeといったブランドを指定した検索の割合は少なく、検索されるキーワードの70%がカテゴリキーワードと呼ばれる「スニーカー」や「靴」などのブランド名を指定しないキーワードからの流入となっています。(Feedvisor)
そのため、先程お伝えした「AmazonSEO」についてもブランド名のキーワードではなくカテゴリキーワードで上位表示を狙うことが重要です。
⑬Amazon広告の平均クリック率は0.41%、平均コンバージョン率は9.55%
Amazonで検索結果での上位表示を取るために広告は有効な手段です。
73%のブランドがAmazon広告を利用していると言われています。(E-Marketplace)
Amazon広告のパフォーマスの平均値は下記のようになっています。
平均クリック率:0.41%
平均クリック単価:$0.71(79円)
平均コンバージョン率:9.55%
平均ACOS:27.59%
1日の平均広告費:$268.21(30,011円)
(参照:ADBADGER)
特に特徴的なのはコンバージョン率です。Amazonの平均コンバージョン率9.55%に対して、eコマースの平均コンバージョン率は1〜2%と5倍以上の差があります。Amazonは商品を購入する前提で見にきているユーザーが多いため、高いコンバージョン率が出せることが多いです。
⑭Amazon広告の平均CPCは1年で36%上昇
Amazonの出品者の増加に合わせて、広告のコストも上昇し始めています。Amazonは年々、広告枠を増やしていますが検索結果に表示される広告の数は増えていません。そのため、上位の広告枠を取るために入札競争が厳しくなっています。
米国のデータでは2020年1月と2021年6月を比較すると平均CPCは+36%上昇していました。日本でも同様の傾向は見られていてCPCは上がっており、今後も上がり続ける可能性が高いです。(MarketPlace Pulse)
⑮Amazonの大型セールでは1日の平均注文数が67~81%増加
Amazon販売者にとって1年で最も重要な時期が年3回のビッグセールです。2020年のプライムデーでは2日間の売上が全世界で104億ドル(1兆1600億円)に達したと言われています。
通常期と比較して平均注文数は大幅に増加します。2020年のデータでは
・サイバーマンデー:81%増加
・プライムデー:78%増加
・ブラックフライデー:67%増加
と大幅に増加しています。セール対策は重要な施策の1つです。
https://www.ecomengine.com/blog/2020-recap
今回はAmazonマーケティングに関する15個の数値について、解説していきましたがいかがでしたか?
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今後も定期的にAmazonに関する情報発信をしていこうと思っています。noteの内容についてリクエストなどありましたら、コメント欄に書いてもらえればと思います。
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▶︎ https://twitter.com/moriken_ubun
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