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Branding Book Summary.#012

Branding Book Summary.
by Ken Kona

実績豊富で机上の空論ゼロのブランド戦略家が
片っ端からブランディング本を読んでみた

#012
『ブランドのはじめかた』
(中川淳・西澤明洋 / 日経BP)

2010年11月2日。

僕がこの本の著者である
中川淳さんにサインを入れてもらった日。

その10年後に「中川政七」を襲名。
現在は社長職を退き会長として、
奈良の工芸を輝かせるための活動を。

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まず、読みどころはココ!

タイトルが、
『ブランドのつくりかた』
ではなく、

『ブランドのはじめかた』
になっていること。

ここに、
この本で言いたいことが
集約しているように思います。

そして、僕がブランド戦略の世界で
感じること(他記事でも書いていますが)が、
「はじめに」の冒頭に書かれています。

ここ数年、「ブランド」が
一種のブームになっています。
そして「デザイン」もここ長らく
ブームとなっています。
この2つが合わさり、
ブランド=デザインという誤解が生まれ、
いろいろな場面でデザイナーが登用され、
「カッコいい」ものや店がつくられ、
しかし売れない、という不幸な事例が
数多く見られるようになってきました。
そのため、ブランドもデザインも単なる
ブームで実際は商売として成立しないと
いうのが、多くのビジネスパーソンの
正直な感覚なのではないでしょうか。
(本書からの抜粋)

これはまったく同感ですし、
信頼できる専門家は同じように考えています。

…ということは、この逆をいう人は
信用しては失敗すると言うことです。

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そして本書は「ブランドマネージャー」や
「関わるべき外部の人」など、
ブランディングの関係者についての言及も多く、
「人」を重要視していることがわかります。

自分たちの本当の強みが何であるかを
正確に把握できることが成功の最大要因。
しかし、多くの場合、ここで間違う。
社内にいると分からなくなってしまうもの。
だからこそ自分たちの強みを見出す段階で、
外部の人に入ってもらうことが大切なのです。
(本書からの抜粋)

そして地域ブランディングに関しての言及。
これもまさに。
「民間主導」の方が成功事例が圧倒的に多い
のはこのためですね。

行政主導で行われる町おこしは基本的に
難しい面が多い。
なぜならブランディングの本質はそもそも
「差別化」することにあるが、補助金の
バラまきにも見られるような、地域全体を
平等に扱う取り組みの中では、ブランドの
コンセプトやその表現を定めるにあたって
いろいろなしがらみが多すぎるからだ。
(本書からの抜粋)

そして「ブランディング」というと、
外向きのことをイメージしがちですが、
やはりこれも本質は「内側」にあります。

だからこその「ブランドマネージャー」の存在。
だからこその「インナーブランディング」の重要性。

ブランディングというと対外的な側面を
思い浮かべる人が多いと思う。
お客様にどのように見せるか、という視点は
もちろん重要だが、同じくらい重要なのが、
「インナーブランディング」である。
これは社内などブランドを支えるチームメンバー
に対するブランドの啓蒙活動をさす。
(本書からの抜粋)
このようにお金と時間を相当割いて、
継続的にブランドコンセプトの浸透に注力しています。
ブランドに関わるすべての人がブランドを体現すると
いうのは本当に難しいことです。これができればその
ブランドは成功したと言っても過言ではないくらいです。こういった内部に向けた取り組みを
インナーブランディングと呼びます。
(本書からの抜粋)
ブランドコンセプトを擬人化したのが
ブランドマネジャーです。ブランドマネジャーの
仕事は、機能別の部署の垣根を越えて、
関わるすべての人にブランドらしさとは何かを説き、
そのブランドらしさを浸透させることです。
(本書からの抜粋)

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P198こそがこの本のまとめ

そもそもブランドの価値とは何なのでしょうか?
ブランドの価値とは、お客様にどれだけ愛されて
いるのか、つまり「モテ」だと思います。
ただ単に、どれだけ数多くの人にモテるのかと
いうことがブランドの価値ではありません。
自分が好かれたいと思っているお客様にどれだけ
好かれるか、がモテです。
(本書からの抜粋)
ブランドはつくって終わりではありません。
ブランドはつくってからの方がずっと長いのです。
それはすべて「ブランドのそだてかた」に
かかっているのです。
(本書からの抜粋)

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デザイン的なことやPR面などを期待して
読むとイマイチに感じるかもしれませんが、
「ブランディングの本質」が書かれています。

「何を買いたいのか?」ではなく、
「誰から買いたいのか?」です。

もはや「モノ」でもなければ、
すでに「コト」でも足りない。
そこに「ヒト」こそが肝心だ。

…と思います。

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