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アートのある光景-ヴァーチュアル展覧会

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BeforeCoronaのアートシーンを振り返る試み。AfterCoronaにつなげるための記憶のアーカイヴ。そして、失われた時を取り戻すヴァ―チュアル展覧会。
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2020年6月の記事一覧

I'M NOT A NICE GIRL!展@K21

I'M NOT A NICE GIRL!展@K21

K21(ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館21世紀部門)で、4人の女性アーティストを集めた企画展が行われていた(1月18日~5月17日)。

4人の女性のコンセプチュアル・アーティストである。男性のコンセプチュアル・アーティスト(コスース、ウィーナー、ハーケら)と比べて、これらのアーティストは、本邦ではほとんど知られていない。そのことが、すでにジェンダー差別の結果である。これら重要なアーテ

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Angelika Kauffmann展@Kunstpalast

Angelika Kauffmann展@Kunstpalast

Angelika Kauffmannの回顧展が、デュッセルドルフのKunstpalastで開催されている(1月31日~7月12日)。

みなさんは、1741年スイスに生まれオーストリアで育ったアンゲリカ・カウフマンを知っていますか? 女性アーティストに造詣の深い方なら、彼女にとって一昔前のバロックの画家アルテミジア・ジェンティレスキと並び称されることの多い彼女の名前や作品をご存知でしょう。
彼女は

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ムンク展+ピカソ展@K20 (1)

ムンク展+ピカソ展@K20 (1)

デュッセルドルフのK20(ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館20世紀部門)で二つの企画展(見出しの写真)が開催されていた。

モダンアートを代表するムンクとピカソのユニークな回顧展である。
この二つの展覧会のすべてを紹介しよう。

まず、Karl Ove Knausgard企画によるムンク展から。

ムンク展+ピカソ展@K20(2)

ムンク展+ピカソ展@K20(2)

次は、ムンク展と同じK20で開催されたピカソ展である

本企画展は、ピカソの一時期の制作に焦点を当てた展覧会である。たんなる天才ピカソを称える展覧会ではない。ヨーロッパで第二次大戦が勃発した1939年(9月1日、ドイツのポーランド侵攻)から、ナチスドイツの敗北で終わる1945年まで、ピカソの戦時中の活動を追った実に興味深い展覧会なのだ。
この内容の展覧会が、ここドイツで開催されていることを忘れては

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