TrueVoice_note向けタイトル画像

部下にコーチング?そんなの上手く行かないよ!と思ったら読む記事


皆さん、こんにちは。エグゼクティブ・コーチの林健太郎です。

DOLタイトルバック

この記事は、私が制作した動画講座:DELICオンラインから、チャプター10でお伝えしている「皆さまから良くいただく質問」について解説していきます。(動画をご視聴されたい方はこちらからどうぞ↓)

チャプター10では、プロのコーチであり友人でもある本橋萌さんと一緒に皆さんから寄せられた質問について解説をしていきます。

スクリーンショット 2020-02-06 11.45.12

:本橋さん最近コーチとしてデビューされたんですよね?
本橋:そうなんですよ、実は。
それでコーチングしている中で、結構難しかったり、悩んでる点もあるので。今日は林さんに色々お話伺いたなと思っています。
:はい、よろしくお願いします。

本橋さんのように、コーチとして活動し始めた人だけではなく、リーダーがコーチングを学んで使い始める時もそうなんですが、「あれ?どうやるんだっけ?」とか「学んだことが上手く活用できない」という局面に直面することがあると思うんです。

そして、そのタイミングでコーチングを使うことを諦めてしまうという、とても「もったいない」ことが起きているように思います。

この記事ではそんな質問・疑問のいくつかにお答えする形で、読者の皆さまにより深い学びを得ていただくことを目的に進めていきますので、ご自身の環境や境遇に照らし合わせながらお読みください。

【疑問1】コーチが自分の意見を言いたくなってしまった場合は、どうしたら良いか

スクリーンショット 2020-02-06 11.49.29

本橋:林先生、私もこれよくあるんですけれども、いかがですか。

:そうですね、ずっとこのDELICオンラインでお伝えしていることって「相手のための時間」を作ることだったりするじゃないですか。
相手が考える時間を作るということが、最終的に相手の自律心を育てることにつながる。

スクリーンショット 2020-02-06 15.10.34

そう考えると、コーチはあまり自分の意見を率先して言わないで欲しいな、というのがそもそもの考え方になります。

本橋:例えば、自分で心の中では絶対これがいいって思ったとしても、それはぐっとこらえて相手にとって何がいいのかという視点で考えるということですね。
自分の意見を押し付けることはせずに、相手のお話を伺うということが大事っていうことなんですかね。

:基本的にはそうなんですけど、ただ、時に自分の意見を言いたくなるときもあると思います。
例えばリーダーが部下と話しているときに「これは立場上どうしても言わなきゃいけない」という局面もあると思うんです。

本橋:そんな時はどうしたらいいんですか?

許可をとりましょう。例えば、「私の意見を言ってもいいですか?」といった言葉で相手に許可を取ります。
それで、相手が「はい」とか「いいですよ」という口頭の許可を伝えたとしたら、自分の意見を言いましょう。

ほんの些細なコミュニケーションの知恵ですが、こういった細やかな心配りが関係性の向上や相手の自律性の向上に役立ちます。
読者の皆さんも、ぜひやってみてください。

【疑問2】対話をしている最中にメモを取っても良いのか問題

スクリーンショット 2020-02-06 15.15.32

本橋:私はコーチングしてる時にiPadでメモを取ってるんですね。
でもたまに、メモを取ることに集中してしまって話が上手に聴けてなかったと思うときもあります。
逆にメモを取らないと、相手の発言を聞き逃しちゃう時もあるのでバランスがすごく難しいなという印象を持っています。

:プロのコーチでも、これに関しては好みというか、意見が分かれるところで、メモは取った方が良いっていう人と、取らない方がいいって言う人とがいます。
これは一つの考え方ですが、メモを取ることによって、相手の状態を見れなくなっているとか、書くことに精いっぱいになっちゃったりするようだったら取らない方がきっといいと思うんです。

スクリーンショット 2020-02-06 15.18.13

例えば私の場合だと、クライアントさんが「うちの会社は社員数が200人なんです」と言ったとしたら、その中から抜粋して「200」ぐらいは書くかもしれません。
地名とか人名とか、いわゆる物理的な情報がいっぱい出てくるときは、それをメモすることがあります。

あとは同じ言葉を相手が何度も使う時とか、クライアントさんの発言の中で「これ気になる」というのは書いたりします。

スクリーンショット 2020-02-06 15.20.23

本橋:そうなんですね。例えばご自身で書いたノートをクライアントとシェアするってことは、あまりされないですか。

:確かにクライアントさんとシェアする時もありますね。敢えて、大きめに書いて共有財産にするようなイメージ。なんかコソコソ書いてると嫌じゃないですか。

本橋:そうですよね、私もコーチングしながらiPadでお互いに同じ画面を見ながら書くことが結構多くて、そうですね、その方法でお話しするってことはよくありますね。

:ノートを取る時には一つ気をつけたいことがあります。例えば会社の経営者や重要なポジションについている人とのコーチングの中で取り扱われる情報には、機密情報が含まれることがあります。人事情報や経営に関連する未公開の情報などのことですが、これをコーチングのテーマとして話をしている時にコーチが許可なくメモを取っていたとしたら、ちょっと気になりませんか?

本橋:そうですね気になりますね。

:TPOがやっぱりあるというか、「これはメモを取っていいですか?」と確認を取るなどの工夫が必要です。
メモはどんな目的で取るのかを伝えることも大切でしょうし、その取ったメモはセッションの後でどのように処理されるのかといった事柄は明らかにした方が安全かもしれません。
まとめると、相手の許可を得ながらというのがメモを取るときのポイントです。

【疑問3】コーチングと他の手法を混ぜて使っても良いのか

スクリーンショット 2020-02-06 15.24.30

本橋:私からもちょっと質問がありまして、コーチングとティーチングやコンサルティング、カウンセリングといった手法がある中で、いろんな手法を混ぜて使ってもいいのかということをお聞きしたいなと思いました。

:これは、混ぜて使わないほうがいいと思います。相手が文脈を見失ってしまう要因になりやすい。
例えば、双方がコーチングをしている前提だとしますよね。その中でコーチや上司が「どう思う?」と問いかけたら、相手は自分の答えを探しながら自由に話しても良い環境だと理解すると思うんです。
急にそこに、コーチや上司が「じゃあこうすればいいじゃん」というアドバイスや指示が入ったりすると、相手は「えっ?」っと戸惑うと思うんです。
こういったことで会話が噛み合わなくなる原因になる可能性が高い。

スクリーンショット 2020-02-06 15.28.51

一つの手法を使っている間は、その手法だけを使って関わるのが基本だと思います。
但し、これにはもう少し応用した解釈が必要だということも付け加える必要があります。
例えば1時間の持ち時間で対話をしていたとしますよね。そういう時に丸々1時間の間コーチングだけを使わなきゃいっていうことではないんです。

他の手法も必要に応じて使い分ける必要があるんです。そして、その手法の切替の際に「今は、何の手法を使ってるのか」を、口頭で伝えることで明らかにしてほしいんです。

スクリーンショット 2020-02-06 15.30.43

本橋:なるほど、じゃあ例えば、上司と部下の1on1みたいな形で面談などをされる際も、例えば1時間あったとしても、例えば今からコーチングを使うよって言ってからコーチングすることや、今から違う手法使うということを伝えることで、きちんと分けてあげるっていうのが大事ということですね。

:そうなんです。そして、そのためにはコーチや上司側がいま何の手法を使っているのかを的確に理解していなくてはいけないということにもなりますよね。

本橋:確かに、そうですね。
お話をまとめると、相手にきちんとこちらから伝えてあげることが大事っていうことなんですかね。

:そうですね。一つ補足するとすれば「コーチング」という言葉をいきなり周りの人に使うと、もしかするとびっくりするかもしれないですよね。聞き慣れない言葉でびっくりさせるぐらいなら、例えば、こんな言い方をしてもいいかもしれません。

「今日はアイデアをいろいろ検討したいから、お互いに意見を出しながら話をしていこうと思うんだけど、先にどんなアイデアがあるか聞かせて」

こんな話し方をすれば、普段と違う、コーチングの会話を進めることについて、相手の理解を得やすいかもしれないですよね。

また、指示命令をする時には逆に、
「これに関しては今から指示をするけど、いいかな?」
と明示すれば、相手も「これから指示される」ということが事前に理解できるようになります。

コーチングを使い始める時に気をつけたいこと

スクリーンショット 2020-02-06 15.34.22

本橋:私自身もコーチングをしている中で、気をつけてはいるのですが、ついつい自分の意見や感じたことを言いたくなっちゃう時もあったりします
中々コーチングだけをやるってことに意識を集中させる事も難しいなと、お話伺って感じました。
林さんの中で、コーチングする時に、姿勢とか意識されている事など何かありますか。

:そうですね、レベルによって色々あると思うんですけど、これから使い始める人に向けて一つアドバイスするとすれば、例えば会議の時間の中で、最初の10分とか15分とかだけコーチングを使ってみるとか。そんな事ができるかもしれませんね。
そして、その意向を相手にしっかり伝えるというのも一つのアイデアです。例えば、「いまコーチングを学んでいて、これから10分ぐらい、その手法で話をしてみたいと思ってるんだけどいいかな」みたいな形で伝えれば意図も明確になります。

そんな形で、これから使い始める方は、ご自身の環境に応じて工夫しながら、相手に受け入れられる形で使い始めてみてください

=================

さて、ここまでDELICオンラインチャプター10から「よくある質問」を題材に解説してきました。
次回は、このDELICオンライン解説シリーズの最終話として、もう一つよくある質問についてお答えしてきたいと思います。
次の記事を待ちきれない!という方は、ぜひ動画で先に学びを進めてみてくださいね。(チャプター10の動画はこちらから↓)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?