【1つ目_1/9つの嘘】社長は映画の中の人理論
今回のマガジンは、
データ分析の鬼才と巨大企業の住人による労働世界の虚構と真実を書いた本。
仕事に関する9つの嘘 ~NINE LIES ABOUT WORK~
という書籍を読んだ上で、株式会社フリープラスを経営した経験から、この9つの嘘と照らし合わせて、1つ1つの嘘の概要と当時現場でどのようなことが起きていたかをシェアし、読者が経営や仕事で今日から使える何かを無料で持ち帰ることができる太っ腹な記事です。
ウソ#1.「どの会社」で働くかが大事(本日はここ)
ウソ#2.「最高の計画」があれば勝てる
ウソ#3.最高の企業は「目標」を連鎖させる
ウソ#4.最高の人材は「オールラウンダー」である
ウソ#5.人は「フィードバック」を求めている
ウソ#6.人は「他人」を正しく評価できる
ウソ#7.人にはポテンシャルがある
ウソ#8.ワークライフバランスが何よりも大事だ
ウソ#9.「リーダーシップ」というものがある
ウソ#1:「どの会社」で働くかが大事
リサは18年勤めていた会社(A社)から転職をしようとしていて、当然ながら18年勤めていた会社を辞めるわけですので、6ヶ月間かけて慎重に転職先を探した。(尚且つ面接の準備に2ヶ月もかけた)
いろんな人の話を聞きつつ、最終的にB社に転職をすることを決めた。
その後、入社15日目に2年後には辞めるだろうと手帳に書き込み、本当に辞めてしまった。
リサは、入社研修で「異を唱え、そしてコミットしよう」という信条を学び、ワクワクしていたが、入社13日目の上司とそのさらに上の上司との会議の中で、上の上司からの質問に率直に答えたら上司に叱責されたという。
A社では、文化や行動原則が実践されていたとのこと。
しかし、「それは会社全体でそうだったのですか?」
と問われると、
「いや、私はラッキーだったと思います。私が働いていたチームがそうだったから」
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まとめると、人々は、会社以上に自分が所属しているチームの方が大事であるということです。
つまりどの会社で働くか?以上に、どのチームで働くか?の方が大事。
あー会社よりチーム。確かに。
株式会社フリープラスでの話です。
はっきり覚えてないのですが、2012年くらいかな。
全メンバーが30名を超えたあたりのことです。
今までは、朝礼で伝えたことがすぐに現場で実践されていて、まるで鐘を鳴るかのような業務遂行の一体感があったのですが、このくらいのあたりから、なんだか様子が変わってきました。
朝礼でどれだけ熱量を持って伝えても実行されない。
君たちクソだね。
では、改善されないので、何が起きてるんだろう?ということを考えることにしました。
そうすると、自分が起業する前に勤めていた1年目のことを思い出しました。
東京本社のベンチャー企業の大阪支社で私は働いていました。大阪支社といっても10人程度の規模。
毎月、東京から社長や取締役が来阪し様々なアドバイスをくれました。
それらは実績もある方法でもあるし、かつ、自分でも実行可能なことで、それらの話を聞いて、そんな日はとてもワクワクしていました。
ところがどっこい。
次の日には、それを実行することもなく、いつもと同じ方法で仕事をしていたのです。
なんだこれは?と考えてみると、社長や取締役が言っていることは確かに有用だけれども、自分にとってのBOSSは大阪支社長だったのです。
そのため、実際に自分が実行することは役員達が言ったことではなく、大阪支社長が言ったことだったのです。
おお。これは、何かに似ているな?と思いさらに考えて見ると、
英雄系などの映画をみてインスパイアされたとしても、実際の生活では行動に起こさないなぁということでした。
感情を動かされたとしても、遠いもの(現実かそうじゃないことも含む)からは、自分の"行動"には影響を受けにくいのかもしれない。
これらの考えから導いたのが、
社長は映画の中の人理論
でした。
確かに代表者は会社の象徴であるかもしれないし、心動かされるスピーチなどをするかもしれないが、実際の行動に対する影響力はほぼなく。
毎日の行動に対した影響力を持つのは、直属の上司なのです。
そのため、会社全体として "こういうことがやりたい" と思った時は、情報の周知としては朝礼などを活用しつつ、キーマンである"直属の上司"に伝え、そしてそれを伝えてもらうかということに力を入れてました。
これを通称、ガヤる と呼んでいました。
FREEPLUSでは、役職者となる際に、"代表者は映画の中の人理論"を学び、"ガヤる"ことを役職者研修で伝えていました。
ウソ#1:「どの会社」で働くかが大事 は確かに同意できる。
FREEPLUSは好きだけど、チームメンバーとうまく行かないという理由で退職されたメンバーもおり「え?別にFREEPLUSはFREEPLUSだから関係なくない?」と当時は思っていましたが、キーマンは上司であり、会社を続けるかどうかのキーは自分が所属するチームであることに結論づけられて行きました。
よく聞くやつ、何をするかではなく誰とするか。も近いんじゃないか。
人生はいつだって最高です。
須田 健太郎
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