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「成功要因から次の改善アクションを考える」歯科医院でのファシリテーション実践

この記事は、こんな人におすすめ

・会議をもっと良くしたいと思っている人
・ファシリテーションに興味がある人

結論からいうと、

・ファシリテーションとは、対話を促しゴールにたどり着くことをフォローする働き

・複雑な問題には「成功要因から次の改善アクションを考える」アプローチが必要

・会議をゴールへ導く3ステップ「称賛」「成功事例の共有」「改善アクション」

ご興味がある方は、読み進めて頂けると嬉しいです。

ファシリテーションとは、対話を促しゴールにたどり着くことをフォローする働き

ファシリテーションとは?
会議におけるファシリテーションとは、参加するメンバーの対話を促し、ゴールへ導く働きかけのことです。

私はIT企業に勤めていますが、歯科医院にてファシリテーションという会議の進行をフォローする役割を担当させて頂いています。ファシリテーションを担う人をファシリテーターと呼びます。

私は、会議のゴールとして、
「実行可能なアクションの決定」
をおいています。良いゴールにたどり着くには、参加メンバーの対話が必要です。

私も最初はなかなか上手くいきませんでしたが、かれこれ100回以上のファシリテーションの場を企画運営していく中でコツが少しずつ掴めてきした。

歯科医院での会議における簡単なファシリテーション実践内容を少しご紹介したいと思います。歯科業界の方は、良かったら実践してみて下さい。歯科業界でない方もぜひ意見を聞かせてほしいです。

そもそも良い会議を企画運営することは難しい

あなたは過去に、

「今日は、すっごく良い会議だった!」

そう思えた会議をいくつ思い出すことができますか?

もし毎回の会議がそのような会議なのであれば、あなたは素晴らしい環境にいらっしゃいますね。ぜひ話を聞かせて頂きたいです。

パッとは思い出せなかった。なんとか1,2つ思い出すことができた。そんな方がほとんどではないでしょうか。

参加メンバーの対話を引き出そうとしてもなかなか上手く進まないことが多いです。

・そもそも発言してもらえない
・印象の強く重要度の低い問題に気をとられてしまう

こんな会議に頭を抱えている方が多いのではないでしょうか。

たくさんの意見が出て、メンバー同士の対話が活発に行われているような良い会議を行うことは、そもそもすごく難しいです。

なぜ、良い会議には対話が必要なのか

あなたの会議では、こんな言葉が飛び交っていませんか?

「なぜ上手くいかないと思いますか?」
「なぜ目標が達成できていないと思いますか?」
「なぜ失敗したと思いますか?」

そして、こう思いませんか?

(言い訳ばかりでなく、提案をしてほしい)

気持ちはよくわかりますが、「なぜ」と聞かれると、私たちは原因を考えます。そして「言い訳」とは、問題の原因の1つのことです。

提案を聞きたいのであれば、最初から提案を聞けるような問いが立てられたらスムーズです。

また、これらのアプローチは、

「失敗原因から次の改善アクションを考える」

というものです。

これまでこれらの問いは当たり前のように使われてきました。ですがこれらの問いは、

「問題の原因が特定できること」

この条件を満たせなければ、うまく機能しません。

私たちが日々向き合っている問題は、様々な要因が絡み合い、どんどん複雑になっています。そのため、原因を特定すること自体が非常に難しくなってきているのです。

これまで当たり前のようにやってきたアプローチですが、これでは解決できない問題が出てきているのです。

それでもこのアプローチを続けた場合、いつまでたっても成果が現れず、メンバーは疲弊し空気がよどみ、会議が楽しくない時間に変わっていきます。

複雑な問題には「成功要因から次の改善アクションを考える」アプローチが必要

そこで、私が参考にしているのが、

「成功要因から次のアクションを考える」

というアプローチであり、対話型組織開発と呼ぱれています。

おそらくベテランメンバーほど、多くの成功体験を経験しており、状況に合わせて過去の成功体験から行動を選択しているのではないでしょうか。

もし全スタッフがお互いの成功体験を共有できたとしたら、確実にチーム力が上がるとは思いませんか。

そのために、対話が必要なのです。

私が入らせて頂く会議では、全メンバーで成功事例を共有し、成功事例を元に上手くいっていないことに対してアプローチするため、次の流れで会議を進めています。

会議をゴールへ導く3ステップ「称賛」「成功事例の共有」「改善アクション」

私が行っている会議は、1回約1時間です。月に1度行っている会議では、このような3つのステップで進めています。

①この1ヶ月の称賛したいこと

②◯◯について(会議のテーマ)の上手くいっていることと改善が必要なこと

③△△について(テーマに対する改善が必要なこと)の改善アイデア

そして、これらの3つの各ステップで付箋を使い自分なりの回答をそれぞれ記入してもらい、付箋に記入したことを発表してもらうことで、全メンバーから意見を引き出しやすくしています。そして、一人の発表が終わったら拍手をし、発表してくれたことを称賛します。

①この1ヶ月の称賛したいこと

まず最初に称賛から始めます。過去1ヶ月の自分の称賛したいことや周りのメンバーの称賛したいことを全メンバーが付箋に記入し、共有します。

日々同じメンバーで業務を行っているメンバーでは、これ以上にないアイスブレイクとなります。

普段、お互いに称賛し合うコミュニケーションが取れていないチームがほとんどです。最初は、なんだか照れくさいですが、意外とすぐにチームに馴染んでいきます。

どんなにネガティブな空気のチームであっても、この瞬間だけは良い空気に包まれます。こんなチームの良い状態を継続していこう。この素晴らしいことをもっと増やしていこう。そんな流れで、今日の会議のテーマへ移っていくとすごくスムーズに進みます。

②◯◯について(会議のテーマ)の上手くいっていることと改善が必要なこと

会議のテーマに対して「上手くいっていること」「改善が必要なこと」それぞれを全員付箋に記入し、共有します。

このとき、下記を満たしているとよりアイデアが出やすくなります。

・会議のテーマが全メンバーに関係があること
・会議のテーマがより具体的であること
・過去を振り返られるような資料があること

実際に会議を行ってわかったのですが、改善が必要なことのうち半分以上は誰かの上手くいっていることを真似することで解決できることが多いです。

改善が必要なこととして意見が出たものの中から、問題が明確だがあまり解決策が見いだせそうにない意見を1つ選んでステップ③に進みます。

③△△について(改善が必要なこと)の改善アイデア

②の成功要因を参考にしながら、何か良いアイデアがないかを付箋に記入し発表します。発表したアイデアの中から、一番良さそうなアイデアを1つか、2つ選び、実行アクションとして決定します。

このとき、実行アクションは全員協力して進めることを確認しておきます。全員が進めやすくするためにフォロー担当者をつけると、進めやすくなるので非常にオススメです。

この一連の流れを使って、毎月1つのテーマに対して成功要因を元に改善アクションを考えていきます。

相談窓口

ファシリテーションとは?
会議におけるファシリテーションとは、会議のテーマに合わせて参加するメンバーの対話を促し、ゴールへ導く働きかけのことです。

改めてこの文章を読むと、なんだかイメージが湧いてきてはいませんか?

ファシリテーションと聞くと、すごくテクニカルなイメージがありますが、まずはこのシンプルな流れをしっかりと進めてみて下さい。

成功要因をシェアするだけで本当に組織が良くなるのかと感じる方もいるかもしれませんが、少なくも私が入っている歯科医院では効果絶大です。

もしよければ実践する前にご相談下されば、細かなポイントもお伝えします。


また、ご相談、提案、他の歯科医院ではどうなのか他の業界ではどうなのか、下記からご意見お聞かせ下さい。

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