横浜大洋ホエールズ。
4522敗の記憶、という本を読んだ。
4522敗の記憶は先日拝読した「本のよもやま話」という対談本で拝見し早速手にした1冊。
野球には全く詳しくない自分でも、この4,522という数字を見た瞬間に「負けまくっているチーム」の話だということは容易く想像できた。とはいえ、自分にはスーパーカートリオ、マシンガン打線、大魔神、ヒゲ魔神(抑えの五十嵐!)、浜の番長三浦、豪速球のクルーン、そして名打者筒香と、強くて華やかなイメージのほうが強い。
読み進めるうちに、球団と会社組織は多くの共通点を持ち合わせているという、当たり前のことに気づく。若手を鼓舞しチームをまとめようと必死に模索するベテランや監督。現場の実情と全く噛み合わないフロントの不可解なスカウティングや人員配置、そして突然の解雇。
野球に精通していない自分でも経営陣の迷走は明らだった。各人の実力はあるのに勝てない。それは何故か。
弱いチームの特徴は直ぐに諦めること。最終回を迎える前に早々と7回の段階で諦めてしまうらしい、これ以上やっても無駄だと。それは言い換えれば中途半端に経験を積んでしまい、妙に賢くなってしまったということでもある。
この球団は漁船だと喩えている箇所があり、大いに納得した。選手はさながら職人気質の漁師であると。調子が乗ればこれほど強い集団はなく、そして何かが狂えば一気に崩れていく。だからこそ魅力的なチームだったのかもしれない。
明日さえも見えない海に繰り出す、漁師という存在とベイスターズの選手を重ねてしまうと、なんとなく我らの角幡唯介さんの漂流を読みたくなってしまう。
なんともまとまりのない内容になってしまったが、「4522敗の記憶」は野球に慣れ親しんでいない人でも、横浜という場所に何かの縁があれば是非読んでもらいたい1冊である。
読書好きが高じて書くことも好きになりました。Instagramのアカウントは、kentaro7826 です。引き続きよろしくお願い申し上げます。