ボーダー移民と難民、を読んだ。
所属する会社のオフィスは品川駅港南口から歩いて数分のところ。近くのバス停から行き先を示す電光掲示板に「入管」と配された車両に、海外の方が多く乗車されている景色を目にすることがある。
あの時の記憶をたぐりよせてみると、彼らは誰一人として笑っておらず、みな浮かない表情だった。その理由がこの本を読んで理解でき、目を覆いたくなるような入管の実情に愕然とした。
とはいえ具体的に誰が悪いとは言えず、昨今のあらゆる状況から前途が暗澹たる日本の現状も相まって、これから我々はどうなってしまうのだろうという......筆舌に尽くし難い不安が心の底に、べっとりと澱のように溜まってしまった。
バブル期に都合よく低賃金の海外労働者を招き入れた結果、取り返しのつかない(つきづらい)状況となった。言うまでもなく”とりあえず今、気持ち良ければ”という近視眼的な体質が原因だが、日本が経済大国かつ極端な島国という、特殊な地理的物理的な要因も作用していると言える。
日本から海外に出稼ぎに行くということがスタンダードになる日も近い。我が子どもたちが成人したときが、どうなっているのか心配だ。ジャパンアズナンバーワン、これは遠い遠い過去の栄華でしかない。
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