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ロッキン2022 BUMP OF CHICKENレポ~バンプは今日もバンプだった

初の夏フェス参戦、Rock in Japan Fes 2022。
お目当ては8/11夜のBUMP OF CHICKEN。
出演発表後の第3次抽選先行受付で運よくチケットが取れて、さらに運よく前方エリアも当選。ひとつ前のライブ「Silver Jubilee」は抽選がことごとく外れてチケットを取れなかったので、そこで次の運を貯めていたのかも。
この夏、最高の時間を過ごすことができた。2019年の「Aurora Ark」以来、3年ぶりのライブ。バンプはどこまでもバンプだったし、セトリも素晴らしかった。

前方エリアには40分ほど前に入場。座席指定だから直前の入場でも問題はないが、始まる前の空気を含めて感じていたかったから。

本番前のLOTUS STAGE

セットリスト

  1. アカシア

  2. K

  3. 天体観測

  4. なないろ

  5. クロノスタシス

  6. 花の名

  7. 才悩人応援歌

  8. Aurora

アンコール:ray

ライブ感想

ライブ前に前方エリア内から撮影

「アカシア」~「K」~「天体観測」

イントロが始まった瞬間、1曲目はそうだよね、これしかないねって気持ちになった。友と出会い歩むキラキラした希望が感じられる歌詞。この時間をずっと待ち望んでいた。歌が始まるより先に涙が出た。

2曲目、「K」は全く予想しておらず驚いた。バンド初期の頃の曲で、絵描きと黒猫の出会いから友情を描いた曲。それこそ20年くらい聴いてきた曲を目の前で聴けるとは。ライブで紡がれる騎士の物語はどこまでも熱い。

3曲目は「天体観測」。バンプの名刺代わりの曲をこの位置に持ってくるのはもはや定番の流れ。Aurora ArkもSilver Jubileeもここで演奏されている。
今回は観客が声を出せないから、「『イマ』というほうき星 君と二人追いかけてた」の後によくある観客にマイクを向けるパフォーマンスはなく、シンガロング部分もすべて藤くんが歌ってくれていた。

MC~「なないろ」~「花の名」~「クロノスタシス」

藤くんのMCは今日もどこまでも優しい。
「朝から暑かったでしょう。大丈夫?体調崩してない?こんばんは、BUMP OF CHICKENです。」
バンド名より先に観客の体調を気遣う。友だちとの会話のように。
「1つ前はここでホルモンやってたんでしょ?(客席から笑い)なんでちょっと笑ったの今。バキバキに上げてくれたんでしょ。ごめんね、こんな暗いバンドが出て」
こういう自虐的なネタもほのぼのする。もはや芸風。

「次の曲は明るい。朝ドラの曲だから」。そして始まったのは「なないろ」。歌声もひたすらに優しい。
続いて「クロノスタシス」。バラードという位置づけでよいのかな。観客もただただ聴き入る。この曲はリズムも複雑だよね。

「花の名」

6曲目、「花の名」も意外だったな。
Aurora Arkツアー最終日の東京ドーム、アンコールのさらにラストで演奏予定になかったのに歌ってくれた曲。その時はバンドメンバーも驚いて一番はうまく入れず、ほとんどアカペラになっていた。

皆 会いたい人がいる 皆 待っている人がいる
会いたい人がいるのなら それを待っている人がいる

藤原基央「花の名」

歌詞が素晴らしくて染みる。まるで今日このために生まれてきた曲のような。さらにその場に居合わせたリスナーだけが味わえる歌詞変えも優しく響く。

「僕だけに聴こえる唄がある」
⇒「僕らだけに聴こえる声がある」

「僕だけを待っている人がいる」
⇒「僕だけが聴こえる声がある」

「あなただけに会いたい人がいる」
⇒「あなたとだけ作れる夜がある」

藤原基央「花の名」

ここにいるバンドと僕らだけが作れる夜。
あと「2曲になっちゃった」というボーカルの言葉に、会場全体に低く「えーっ」という溜め息が漏れる。今回のフェスは声を出せないルールなので、大げさに騒いだりメンバーの名前を叫んだりという場面はない。
ただ空気のざわめきだけが感情を伝える。

「才悩人応援歌」

7曲目。イントロが始まってすぐ、「はいストップ!」とボーカルの声。ヒロのギターの音が出ないトラブル。すぐ解消して、改めて冒頭から。
演奏がアグレッシブで、まさにバンド演奏の醍醐味を感じる。
荒々しく魂のこもった叫びの歌。ライブで聴くのは初めてで、これほど激しい曲だったなんて、実は全然分かっていなかった。
こみ上げる劣等感が吐き出させたような演奏。曲としては知ってはいたけれど、これまでは文字面しか見えていなかった。今までとイメージがだいぶ変わった。メインを張るのにふさわしい熱演。

8曲目「Aurora」

僕はなぜだかこれが一番好きな曲で、イントロが始まった瞬間にマスクしたまま号泣した。藤くんの優しい歌声が本当に沁みる。
なぜこの曲が好きなのかは、自分でも明確な理由が分からない。ただ、Aurora Arkのライブ冒頭がこの曲で、リアルで初めて聞く藤くんの第一声「もうきっと多分大丈夫 どこが痛いか分かったからね」の歌詞があまりに優しくて、その瞬間に参ってしまったのが決定的な要因だと思っている。

予定されていた楽曲を演奏し終えて、メンバーが舞台袖に捌ける。
メンバーに感動を伝えたくても今回は声を出せないから、ひたすら手拍子でアンコールを求める。そのうちにみんなスマホのライトを点け始めて、PIXMOBみたいになった。この迫力、メンバーはモニタで見られたかなあ。

アンコール「ray」

メンバーが舞台に戻ってきて、アンコール演奏前に、今回のグッズであるタオルを自分たちの前におかれているモニタースピーカーにかける。
ヒロが持ってきたタオルをかけたときに、上下逆さまと気付いて直したのだけど、観客全員がきっと思った。
「それどっちでも一緒や!」

上下どちらから見ても一緒なタオル。

アンコール「ray」は手を振って飛び跳ねて、ただただその瞬間に身を委ねた。声は出せないけど、みんなで乗れるこの曲を選んでくれたのはバンプの優しさ。

最後の挨拶で、運営やスタッフへの感謝と拍手。さらに続く言葉がしびれる。
「なんでフェスができたか、なんで音楽が死ななかったか分かりますか。聴きたいって思う人がいたからだよ。聴いてくれる人がいたからこそ、音楽は生き残ることができたんだ。フェスを取り返したのは、音楽を守ったのは君たち自身です。君たち自身に、今日一番大きな拍手をください。音楽を、この場所を守ってくれて本当にありがとう。ありがとう!」
最後の「ありがとう!」はマイクを通さない藤くんの肉声が直接届いた。すべての言葉が魂に響く。
「花火が上がるみたいだから、一緒に見よう」と言葉を残して、舞台を後にした。直後に打ち上がる花火。多幸感。ずっと残しておきたい気持ち。

さいごに

運営と開催に尽力して下さった方々に、最大限の感謝を送りたい。どれほどの困難な判断の連続でこの日を迎えたか。
心から感謝します。

ロッキン2022全体については以下にまとめましたので、お読み頂けると嬉しいです。


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