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選択肢があるからこそ迷う #935

おはようございます。
新しく買ったジャケットを着たいから実は早く寒くなれと思っている森下です。(#適度な寒さでお願いします)

人は自分で選択して決断をするとモチベーションの質が高まりパフォーマンスが高まると言われています。だからといって自由にしすぎるのもかえって迷わせてしまうことにもなりかねないよね。というお話です。

<選択することでやる気が高まる>

何事も決められたものよりも、自分で決めたものの方がモチベーションが高まるし、集中して取り組めるようになります。

例えば「勉強をしなさい!」と言われて取り組むよりも、自分から「勉強するぞ」と取り組んだ方が集中して取り組めますよね。

デシとライアンが提唱する「自己決定理論」においても、自分で考えて決断していくということはとても大切なことだとされています。

スポーツにおいてもこれは同じで、ただ言われたことを練習するだけではモチベーションも集中も質が高まりません。

練習の中でも自分で決められる部分は自分で決めながら取り組んでいけると練習の質が高まるんです。

例えば、1つのメニューをやるにしても、どこを意識して気を付けていくかは選手自身が決められることです。

「この練習ではどこに気を付けていく?」「この練習の目標は?」といったことを投げかけることで、自分で決めてチャレンジをするということができるようになります。

ただ闇雲に質問を投げかければいいということでもありません。

特に育成年代の選手はまだまだ経験や知識が乏しく、考える力が育っていないケースがほとんどです。

その状態で全て選手に委ねて決めさせるというのはなかなか難しい作業なんですよね。

経験や知識がない選手に対して「今日の練習は自分たちで決めてやってみよう」みたいなアプローチをしても「???」となってしまって行動することはできないと思います。

知識や経験がない(浅い)選手に対して、ゼロからの質問や選択肢が多すぎる質問だと選択しきれず、決めきれなくなってしまいますので。

選択肢に関しては「ジャムの法則」というものがあって、選択肢が多すぎると選ぶことに困難を感じてしまうことが起きてしまうことがわかっています。

その実験ではスーパーマーケットでジャムを試食販売する際に6種類並べて販売するのと24種類並べて販売するのとではどちらが売れるのかを比較しました。

すると6種類のジャムを並べた時には試食した人の30%の人がジャムを購入したのに対して、24種類のジャムを並べた時には試食をした人の3%しか購入されませんでした。

人は選択、決断をするときに脳のエネルギー(認知資源)を消耗してしまいます。選択肢が多いと言うことは選択、決断をするためのエネルギーをたくさん使ってしまう状況と言えます。

選択肢が多いことで考えることをやめてしまいジャムを購入すると言う選択をストップをしてしまったということが考えられるわけです。

<枠の中で選択をする>

選択肢を与えて自分で決めさせることで、モチベーションや集中は高めさせることはできるのですが、そもそも選択肢が多すぎると選択することさえ難しくなってしまいます。

ただし、だからと言って外発的にやらせるようなアプローチではそもそもモチベーションや集中の質は高まりません。

要するに、選手自身の能力や環境に応じて選択肢の幅を調整していかなければならないということです。

例えば、「今日の練習は自分たちで組み立ててみなさい」と言えばできる選手もいればできない選手も出てくるでしょう。

できる選手の中にも、しっかりと理論立ててメニューを考えられる選手はなかなかいないと思います。

それであれば指導者の方でメニューをいくつか作成しておいて、
「Aパターン、Bパターン、Cパターンの中から選んで練習をして」というような工夫もできるかと思います。

そうすればある程度指導者が意図目的を持ったメニューを選手に提示できるし、その中で選手たちは選択して決断できるようになります。

もしくは、水泳の練習で言えばメニューの順番を選手に決めさせるのもアリかと思います。

通常はアップ→キック→有酸素系トレーニング→ドリル→無酸素系トレーニング→ダウンみたいな流れが一般的だったりするのですが、メニューの内容は指導者が決めて順番を選手が決めて行きます。

有酸素系トレーニングを最初にやって、キックを最後にやるというのでもいいですし、そうした小さな選択をすることでも選手のモチベーションと集中の質は高まっていくのです。

一概に選択肢はあれば良いってもんじゃないんですよね。
ある程度道筋は指導者が立てて、その中で選択をさせるということを工夫してみましょう。

<まとめ>

①ただ言われたことを練習するだけではモチベーションも集中も質が高まらない、練習の中で自分で決められる部分は自分で決めながら取り組んでくことで練習の質が高まる。

②人は選択、決断をするときに脳のエネルギー(認知資源)を消耗してしまいます。選択肢が多いと言うことは選択、決断をするためのエネルギーをたくさん使ってしまう。

③選択肢を与えて自分で決めさせることで、モチベーションや集中は高めさせることはできるのですが、そもそも選択肢が多すぎると選択することさえ難しくなってしまう。選手自身の能力や環境に応じて選択肢の幅を調整していかなければならないということ。

選択肢があった方がいいのは大人も子どもも同じです。選手と接するときはもちろん息子と接する時もこのことは極力意識しています。(できていない時もあるけど…笑)

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株式会社メンタリスタマネージャー
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森下健(もりしたけん)
1986/10/31 埼玉県三郷市出身。
学生時代は水泳に没頭。専門種目はバタフライ。現在はトライアスロンにハマっている。青春真っ只中。
奥様と息子(4歳)と娘(0歳)の4人家族。横浜在住。
メンタルトレーニングの情報を中心に書きたいと思います。

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