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10_理想と現実

学年通信の裏にこっそりと書いているコラム。 うれしいことに好評なので、noteにもこっそり投稿してみます。


入学式の挨拶で、私は保護者の皆さんにこのような話をさせていただきました。

「多様性を認める」というと聞こえはいいかもしれませんが、実はとても難しいことです。今の学校では、個性も価値観も生活経験もバラバラな子どもたちが、同じ時間に同じ場所で同じことをして生活します。すれ違いや対立が起こるのは自然なことです。そのすれ違いや対立を、大人が解決してあげるのではなく、子どもたちが自分の力で解決できるようになること、折り合いをつけながら人の中で生きて幸せになれるようにすることを目的に、努めてまいります。

4月の入学式、学年主任の挨拶より

困った時に人を頼れることは大切なことです。しかし、誰かが解決してくれるのをまっているだけだと、他者のせいにすることに慣れてしまいます。
それでは、今求められている力(新たな価値を創造する力、対立やジレンマに折り合いをつける力、責任ある行動をとる力)は育ちません。

ですから、生徒から何か相談があった時は、「〇〇しなさい」ではなく、「どうしたの?」「どうしたい?」「私(先生)に何ができる?」「あなたはどうする?」と問いかけ、自分で考え、判断し、行動する練習ができるように伴走することを心がけてきました。

ただ、心がけていれば全てうまくいくなんてことはありません。
ましてや、「あなた自身に『今求められている力』はあるのか?」と問われると、まだまだ成長の余地があります。

「教師としてこうありたい」「親としてこうありたい」という理想はありつつも、現実は理想通りにいきません。根気強く、粘り強く…心が折れそうになることもありますが、自分に負け越さないように、日々をなんとか過ごしているというのが正直なところです。

わが子も4月に入学式を迎えます。私も、わが子とともにそして生徒たちとともに成長していきたいと思います。

拙いコラムにお付き合いいただきありがとうございました。

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