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M-1グランプリ2020 笑いの数、数えてみました。

今や、お笑い界で一大イベントとなったM-1グランプリ。一夜にしてスターが生まれ、優勝の瞬間からマネージャの携帯電話が鳴りやまないなんて、まさにお笑いドリームです。
だからこそだと思いますが、審査員にのしかかるプレッシャーも半端ないと思います。大会の審査基準は「とにかく面白い」のみでシンプルです。ただ、そのシンプルがゆえ、それぞれの審査員は、ネタの熟練度や「間」や振る舞いなど、それぞれのものさしをもって得点をつけなければならないというのも、また頭を悩ますことではないでしょうか。
プロフェッショナルならではの見方があると思いますが、「とにかく面白い」という基準を素人的にとらえるならば、それは、
何回笑ったかの「笑いの数」
どの程度笑ったかの「笑いの質」
かと思います。
「笑いの数」はネタに仕込むボケの数に対する笑いの回数、
「笑いの質」はひとつひとつの笑いがどれぐらい受けたか、
このふたつを調べれば、どれぐらい面白かったのかわかると思い、
M-1グランプリ2020の決勝ネタ10本を調べてみました。

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左側が本番で審査員がつけた得点の順位で、右側が今回、調べた笑いの数と質をポイント化した順位です。
笑いの回数は良しとして、笑いの質は、ここでは「大笑い」と「笑い」に分けました。「大笑い」はできるだけ主観的な判断を排除するため、笑いとともに手をたたく音が混じった笑いで2ポイントとし、「笑い」はそれ以外で1ポイントとしました。笑いはなく、ただの手をたたく拍手(感心したたぐい)は除いています。

表を眺めていただくと、インディアンスとマヂカルラブリーの順位が大きく異なっています。
インディアンスは上位に、マヂカルラブリーは下位になっているわけですが、定性的に分析すると、インディアンスは4分間に詰め込むだけ詰め込まれたボケ数で勝負するネタで、笑いの数はダントツであったのが要因でしょう。一方、マヂカルラブリーは、大笑いの数こそ同じだが、笑いの数では半分でした。これは何も笑いの時間が少なかったというわけではなく、ひとつひとつの笑いの長さは長く、受けが半分というわけではありません。それは、動きボケなので、動きの長さに合わせて笑いが起こっていた。つまり、笑い続けていたということです。

その他のコンビでいっても、同順位なのはオズワルドと東京ホテイソンのみで、残り6組が1つないし2つ順位が違っています。
先の「笑いの数」は変わらないと思いますが、「笑いの質」をもっと細かく分類すれば違った結果が出てくるのと、加えて「笑いの長さ」も関係してくるのではないかと思います。ちなみに笑いの音量をアプリで測ってみることを試みましたが、コンビによって、声量と言葉数に差があり、そこも拾ってしまうので公平感が出ず、断念しましたが、同様の方法で過去のM-1グランプリも数えてみたいと思ってます。

しかしながら、素人でもわかる客観的なデータより、プロならではのお笑いの見方がやはりあるんだと、その深さに気づき、あらためて審査員をリスペクトしました。




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