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睡眠指導からトータル・コンディショニングのサポートへ

こんにちは、舟山健太です(@Kenta913Biz) 。「大人の文武両道」という座右の銘のもと、フルタイムで会社で働きながら現役のアスリートとして日々活動しています。今回は、ビジネスパーソンとアスリートの両方の顔としての舟山です。いつもはこの2つの人格を分けているのですが、今回のnoteは明確に人格を分けられないというか、両側面からのアプローチが必要となってくるので、入り混じった形の舟山となっています。

色々と余談も記載しつつではありますが、今回のメイントピックは、睡眠指導とさらにその先のトータル・コンディショニングの指導についての舟山の想いについてです。本noteを読んでくださった方が、少しでも睡眠指導やコンディショニングに興味をもってもらえると嬉しいです。

アスリートとしての舟山は、いつも海外遠征のフライトの中でnoteを執筆するのですが、今回も同じようにインドネシアで開催される2024年のサバットのアジア選手権に-60 kgの日本代表として出場するために、ジャカルタ行きのフライトの中で執筆をしています。毎年、世界選手権に出場しているのですが、実はアジア選手権に出場するのは、今回が初めてです。

サバットはフランス式ボクシングという正式名称があるとおり、ヨーロッパ発祥の競技のため、競技人口もヨーロッパが圧倒的に多く、競技力もヨーロッパが一番あります。ただ、近年アジアも台頭してきており、かなりアジアのレベルも上がってきています。そんなこんなで、今年のアジア選手権はレベルが高く自分も勝ちが保証される大会ではなくなっている状況の中、今回はパスせずにしっかり出場して自分の力を試してきたいと思い、出場を決意するに至りました。

今回の大会に向けてここまでの準備の出来としては、70%くらいかなと思っています。間違いなく技術的にもフィジカル的にも確実にレベルが上がっており、減量幅も3.5 kgとそれほど大きくなく順調に調整でき、それなりに色々な国際大会に出てきているので精神的にも落ち着いていて、良い状態です。強いて不十分な点を挙げるとすれば、100%満足できるほどの追い込み練習ができなかったことがありますが、まぁそんなのは言い訳にすぎず、総合的に見れば過去最強なのは間違いないので、そんな自分が今世界基準でどれだけ通用するのか?しっかり勝ち切ることができるのか?という点で、楽しみな部分が大きいです。

マイナースポーツなので、相変わらずどこにも露出はないですが、座右の銘である「大人の文武両道」を体現してきますので、どうぞ応援よろしくお願いします。

いつも通りの長い前置きはさておき、今回は、健康における「指導者」として最近活動しているので、それについて共有したいと思っています。


睡眠科学との出会い

ビジネスパーソン舟山が働いている株式会社TENTIALでは、「健康に前向きな社会をつくり、人類のポテンシャルを引き出す。」というミッションを掲げ、コンディショニングブランドを運営しています。アスリートの世界では当たり前となっている「コンディショニング」を一般生活にも普及することで、人々がそれぞれ持っているポテンシャルを最大限引き出して、笑顔で豊かに生活を送れる社会を実現しようと、真剣に取り組んでいます。

コンディショニングを普及していくためにコンディショニングブランド事業の活動をしていくことに加えて、最近は睡眠改善の指導者としての活動も始めております。

実は、自分と睡眠の専門性との出会いは、10年以上前の大学院時代にまで遡ります。自分は、大学院課程で脳科学(中枢神経科学)を専門にして、日々研究を行っていました。皆さんもすでにご存知かもしれませんが、睡眠と脳は切っても切り離せない関係にあります。

当時自分が使用していた手法が、「電気生理学」という脳の電気シグナルを測定する方法でした。睡眠の世界でよく出てくる「脳波」も電気シグナルの一つであり、自分自身もよく活用していたことから(正確には脳の一部の脳波である局所場電位というもの)、睡眠について一定の専門知識を学んできました。

また、博士課程を修了した後には、大手製薬会社の生物系の研究者となり、中枢神経疾患を専門領域としてうつ病やうつ病に伴う不眠症状の改善に向けた創薬研究も行っていたため、臨床も含めた睡眠についての専門性を磨いてきました。

現在は、そうした専門知識を活かしつつ、指導者の資格(上級睡眠健康指導士やスリーププランナー)を取得し、アスリートや企業の従業員、一般生活者の方々を対象とした睡眠指導を実施しています。、睡眠を改善しより良い睡眠習慣をつけていただくために、セミナーを行ったり、TENTIALがスポンサード契約しているアスリートへの睡眠指導などを行っています。

睡眠は人々の生活の中で軽視されている

人間は、「人生の1/3を睡眠に費やす」と言われていることからも、睡眠は人にとってなくてはならないものです。睡眠学は1950年代から始まり、まだ70年ほどと日が浅い分野ではあるものの、様々な研究の成果により、「慢性的な睡眠不足は、がん・心疾患・脳疾患などの生活習慣病のリスクを高める」ことが知られています。

また、日常的には、慢性的な睡眠不足により肥満になりやすくなったり、風邪をひきやすくしたり、また感情を不安定にさせたりと、私たちの豊かな生活を妨げてしまうことが知られています。

一方、睡眠をきちんと取れている場合は、記憶が整理され、頭も冴えて脳のパフォーマンスも上がり、しっかりと休息が取れるので活動パフォーマンスも向上します。睡眠は、例外なく全ての人にとって重要です。

このように、人の脳と体にとって睡眠は直接的に大きな影響を与えています。、ただ、上記で挙げたような情報が世の中に浸透しつつあるにもかかわらず、日々時間に追われる生活の中で、睡眠が一番優先順位が低くなってしまっている人もいらっしゃるのではないでしょうか。忙しい人ほど、時間を捻出するためにまず削られてしまうものが睡眠となってしまいがちです。特に日本人の真面目で頑張ろうとしてしまう国民性もあいまってか、現在、日本はOECDの中でも睡眠時間が一番短く、「不眠大国」として知られています。

このような現状を打破するために、コンディショニングを普及するTENTIALが存在するわけで、自分が睡眠改善の指導者として活動して、人々をコンディショニングしていき、みんながポテンシャルを発揮できる状態にしたいと思っています。

睡眠指導からトータルコンディショニングの指導へ

そんなこんなで「睡眠指導をしています!」というnoteを執筆しているのですが、ただ睡眠指導をしていることの報告や、睡眠の重要性を訴えるnoteを執筆するだけだと、ちょっと目新しさがなく物足りないなと思っているので、もう少し自分の考えていることを深ぼって説明していきます。

今更ながら一つ注意点ですが、私自身はTENTIALの従業員ですが、本noteで記載していることは会社の正式な見解ではなく、舟山個人としての見解ですので、勘違いしないようにお願いいたします。

自分は睡眠の指導者として活動していますが、それと同時にNASM-PES(全米スポーツ医学協会のパフォーマンス・エンハンスメント・スペシャリト)等の、フィジカル(運動)の指導者としての資格も所持しており、また現在は半年以上勉強し実践も重ねながらスポーツ栄養医学指導士の資格の取得も目指しています(もうすぐ取得できそう)。

健康は「運動」「栄養」「休養」の3大要素があり、それぞれが独立しているわけではなく、密に繋がっています。例えば、良い睡眠を取るためには日中にしっかり活動し、食事によって体内リズム(概日リズムともいう)を整える必要があります。運動や仕事で良いパフォーマンスを出すためには、栄養摂取や良質な睡眠が欠かせません。

つまり、ある一つの要素だけ抽出して取り組むだけでは不十分で、3つの要素を総合的に考えて指導をすることが、将来的な病気の予防や未病対策、そして日々の生活のパフォーマンス向上をもたらします。「餅は餅屋に任せる」といった考えのもと、それぞれの専門家がいる世界ではありますが、つまるところ、私が目指す姿は、その概念を壊し、単なる睡眠指導者ではなく、「トータルコンディショニング」の指導者になることです。

トータル・コンディショニングへの想い

私が、どうしてこうもコンディショニングに対する想いが特別に強いのかという理由に関しては、ぜひ私のTENTIALへの入社エントリーの記事を読んでいただきたいのですが、会社員と現役アスリートの2つ活動をしているということもあるからだと思います。

フルタイムで仕事をしながら、本気でアスリート活動をするとなると、どうしてもトレーニングに割り当てる時間が限られてきます。世の中はそんなに甘くなく、みんなが同じ条件ではありません。自分よりトレーニングにかける時間があり、自分よりも才能のあるライバルはたくさんいます。だけど、どうしても強くなりたい。限られた時間でそういった人達よりも強くなるにはどうしたらいいのか?をめちゃくちゃ考えるのですが、考えれば考えるほど答えは一つしかありません。

「1回1回のトレーニングを最高のコンディションで臨むことで、自分が可能な限りの成長を毎回もたらす」

に尽きると思います。

あえて別の言い方をすると、「自分がコントロールできないことは気にせず、自分がコントロールできる自分自身のことに最大限向き合う」ということです。

これは、アスリート活動だけじゃなく、会社員としての自分にも当てはまります。トレーニングの時間を必ず毎日確保しなければいけないので(むしろトレーニングの時間を仕事の時間より先に決めます)、必然的に残業できる時間はあまりなく、限られた時間の中で仕事の成果を残す必要があります。量と質の両面で仕事の成果が出せなければ、「アスリート活動を減らしてほしい」という声が上がってくることもあるかと思うので、自分にとっては死活問題です。誰にも文句を言われずに、この2つの人生を送るためには、限られた時間でパフォーマンスを出す必要があります。

コンディショニングとパフォーマンスを「繋げる」大切さ

そんな想いのもと、自分が実験体となってコンディショニングに色々取り組んできました。自分自身で取り込んできたからこそ、「健康的な生活を送る」というシンプルなことが、実はものすごく難しいことをよくわかっています。私自身も、普段睡眠指導を行う中で「寝落ちは良くないです!ちゃんとお風呂に入って寝る準備をしてからベッドで寝ましょう」と指導してはいるものの、自分自身も疲れた時にはお風呂にも入らず、歯も磨かずに、ソファで寝落ちしてしまうことがあります。

また、仕事のパフォーマンスや、(アスリートの場合)競技パフォーマンスにちゃんと反映されるようなコンディショニングを行うことの難しさも知っています。フィジカルトレーニング、栄養指導、睡眠指導など各領域において指導してくれる人はたくさんいて、それぞれの領域にとって「良いこと」は教えてもらえます。ただ、それぞれのノウハウや知識を「パフォーマンスに繋げる」ところは、アスリートや生活者などの各個人に委ねられてしまっています。実は、この「繋げる」ところが一番難しいのに、それをサポートしてくれる人がいないんです。

私は、トータルコンディショニングという概念を用いることで、この「繋げる」ところまでをサポートできるような指導者になりたいと思っています。

大きなロマンは掲げつつも、まだまだ道半ばです。というか、始まったばかりです。睡眠指導を行っている中で、アスリートなど一部の健康志向が非常に高い方達を除いては、健康に対して漠然とした悩みを抱えつつも、色々な情報が溢れかえっているせいで、逆に「そもそも何をどこから始めたらいいのかわからない」という方がほとんどです。

さらに「コンディショニング」という言葉に至っては、その単語すら聞いたことがない方が多くいらっしゃいます。ゴール地点が100だとしたら、現状はまだ0.5といったところですかね。

「コンディショニング」を広げようとしているTENTIALにとっても、「トータル・コンディショニング」の指導者になろうと思っている自分個人にとっても、目指す世界はまだまだ遠くにあります。でも、だからこそコンディショニングという新しい生活様式を浸透させていくことで、人々の生活と社会をより豊かにできる可能性が大きい分野だと本気で信じていて、とてもやりがいがあります。

はたから見ていると、ただ資格を集めているだけに見えるかもしれないですが、資格をとれば良いという訳ではないのは重々承知の上で、一生懸命そんな理想の自分と理想の世界に近づくために邁進していきたいと思っています。

また、「無理に健康になろうとしなくていいじゃん?」という、いわゆる健康に対する優先順位が低い方もたくさんいることも知っています。そのような方達にも、どうにかコンディショニングを体験してもらって、それで自分の生活が豊かになることを実感してもらって、より健康に前向きになってもらえるように啓蒙していきたいとも思っています。

そんな想いと誓いを胸に、まずは「コンディショニングが結果に繋がるんだぞ!」というところを体現するために、アジア選手権がんばってきます!

最後までご一読いただき、ありがとうございます!


貴重なサポートありがとうございます。第一線のアスリートとして残されているあと少しの命、世界を獲るためのトレーニングに大切に大切に使わせていただきます。