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【東ウクライナ】現地からのレポート#番外編 【戦争の始まり −2014春-】

友人が東ウクライナの戦禍で暮らしています。

日本に現地の状況を届けることを使命にしていますので、私は仲介役として仕事をしようと思います。

3月17日記事への補足

3月17日記事で、牛島が「liberated」を正確に翻訳できなかったために英文まま記載していました。

なぜかというと、この地点で「ヴォルノヴァーハ」を占領していたのは誰なのか、そして誰が解放したのかということを知らなかったためです。

この点について東ウクライナに住む友人が解説をしてくれましたのでご紹介させていただきます。

↓3月17日の記事はコチラです

【ウクライナ03.17】バナー

「liberated」を「解放」と翻訳するとなると、そもそも誰に占領されていたのかという点を明らかにする必要があります。

以下、東ウクライナ人の友人からの解説です。

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ここでの「liberated」を解説する時、2014年以前に戻る必要があります。

その頃、ドネツク(DPR)はウクライナに属する1つの地域でした。

そして、ドネツクにある「ヴォルノヴァーハ」という街もただ小さいという点以外はごく一般的な街でした。

【牛島補足】
ドネツク・ルハンザクはウクライナの東側に位置する地域です。

2013年の秋から冬にかけてのことです。

アメリカが主導する勢力がウクライナの首都キエフや西側ウクライナの政治的トップを次々と取り替えていきました。

それは非合法な方法でした。

ドネツク(DPR)とルハンスク(LPR)はこの出来事に反対する活動をスタートしました。

【牛島補足】
ウクライナの西側と東側の内戦のように表現されるのはこのあたりにあります。ですが、これが本当に「内戦」と言えるのか。それを以降の解説でご確認いただければと思います。

当時はピースラリーのように平和的な方法でした。

それに対して、アメリカ勢力の後押しで就任が決まったウクライナの政治トップたちは力によってドネツク・ルハンスクという彼らにとっての反対勢力を排除し始めました。

われわれドネツク・ルハンスクはアメリカ寄りのウクライナ勢力によるナチズムとウクライナからのロシア語・ロシア文化を排除する動きに対抗しました。

東ウクライナとロシアは貿易で関税が低く抑えられていたこともあり、交流が盛んでした。

ですので、東ウクライナ地域にとってロシアは「第2の家」と考えられていました。

そして2014年の春、われわれドネツク・ルハンスクとウクライナの間に戦争が始まりました。

われわれドネツク・ルハンスクは「Speratists」や「テロリスト」と呼ばれていました。

【牛島補足】
アメリカ勢力によるウクライナがいわゆる西ウクライナ、そしてドネツク・ルガンスクというロシア側に位置する地域がいわゆる東ウクライナです。この地点でドネツクとルハンスクは自身をウクライナと呼んでいないことに注目ください。アメリカ寄りの報道が流れ込む日本では、ドネツクとルハンスクをウクライナと表現しています。ここに現地市民の認識と日本国民の認識の違いが発生しています。

2014年5月11日、ドネツク・ルハンスクがウクライナから離れるための投票が行われました。

しかし、西ウクライナはただちにウクライナのほとんどの地域を占領しました。

当時、ドネツク・ルハンスクには武器や兵士はいませんでしたので、西ウクライナにとっては簡単なことでした。

その後、ドネツク・ルハンスクは人民軍を結成し、出来る限りの戦いをしてきました。

そこで武器によって、われわれドネツク・ルハンスクをサポートしていたのがロシアです。

この戦争の初期、「ヴォルノヴァーハ」はドネツクの支配下にありました。

しかし、ドネツク兵士は負け始めました。

武器・戦車の不足によってです。

現在、「ヴォルノヴァーハ」は西ウクライナ勢力の支配下にあり、われわれはそれを取り戻そうと行動をしています。

ルハンスクもドネツクと同様の状況にあります。

最後に、かつてのドネツク・ルハンスクは君が住んでいる街と同じように市民の日常があったことを伝えさせてほしい。

どうもありがとうございました。

【牛島補足】
今回の解説でよく理解できたことがあります。
2022年2月21日にロシアが「ドネツク人民共和国」及び「ルハンスク人民共和国」の「独立」の承認をしました。そのことを今回解説してくれた私の友人はとても喜んでいました。彼の解説からこの「独立」とは、アメリカ勢力である西側ウクライナからの独立であったことがわかります。日本がそのロシアの「独立」承認を批判していることから、改めて日本がアメリカチームの一員であることがわかります。以下の外務省のHPからご確認いただけます。

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今回は以上です。



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