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会計人は顧客のCFOになれるのか? 2

NewsPicksの「新時代のCFOの条件」
(マネーフォワードの辻社長、ユーグレナの永田副社長)
の対談を聞いて感じたことをまとめたい。

 前回の記事では、今後のお客さんと会計人の関係性を表す概念として、「CFO」があると考えた。今回は、対談の内容にふれながら、この関係性について考えていきたい。

 なお、お客さんとの関係性を考えるうえで個人的に今一番熱いキーワードが、
「一連托生よろしくお願いいたします」
だが、「一蓮托生」とは事前のコミットメントだけでなく、事後の結果責任も伴うもとだと思っているので、今回の件はどう考えても「一連托生」じゃあない、と思う…。


さて本題。


対談の中で、特に考えさせられたところの抜粋。
CFOという言葉尻に囚われず、右腕という意味で見てもらいたい。


CFOとは

・CFOに求められるものは覚悟
・CFOは夢を語って先に金をもらう(借りる)仕事
 語った夢を実現しない限り、仕事を果たしたとは言えない
 →CFOも一緒に実現するまでが仕事
・ビジネスの解像度(理解度)が高くないと、予実管理できない
 →数字だけの予実管理は意味がない
・CFOの型
 ・立ち上げ特化型
 ・IPO特化型
 ・上場後に入社して、IRや資金調達を得意とする人。
 ・自分の城型(子会社を作ったり自分の会社を始める)
 ・生涯右腕型
 あるべきは右腕型
・トップとCFO違いは、論理の飛躍度合い
・経営者とCFOはピッチャーとキャッチャーの関係
・No.2と思った時点で終わり。CFO自身が起業家であれ。
・トップとベクトル合ってないと、PL(過去の数字)だけの分析に陥りやすい
・今日のKPIを見ないと未来の予測はできない
・CFOがやることは管理会計
・将来のパフォーマンスを評価できるKPIを見つけること
 それが変化し続けるか

また、ユーグレナ永田さんの別記事から、CFO業務の本質4つを抜粋する。
・戦略…見せる戦略と実行する戦略
・調達…戦略実行の際に、「お金がない」と言わせないこと
・理解…管理会計上の数字を見る
・投資…どの事業にどれだけのお金と人を使う

気になる方は、下記記事を参照。(無料記事か?)

https://newspicks.com/news/4957887/body/?ref=user_4972373


会計人の役割

 上記のCFOの役割の多くが、会計人がやるべき、あるいは覚悟するべきことだろう。多くの会社で上場までは目標にはしていないが、経営者が詳しくないところ(お金、数字など)や、持続的な成長戦略のアドバイス会計人に期待している(少なくとも潜在的には)。

 多くの地元企業の経営者に、本当の相談相手は少ない。いたとしても、付き合いの深い同業経営者くらいだ。右腕がいることも当然少ない。
 そこで、その役割を会計人に期待するのだが、残念ながら会計人にはその覚悟がない人が圧倒的に多い。あったとしても、税務会計はプロだが、大抵管理会計は付け焼刃だ。もっといえば、管理会計の知識があったとしても、現場や、経営者の感覚に合っていないアドバイスをするので、具体的な戦略に落とし込めることは少ない…。

 永田さんの指摘どおり、経営の右腕なら、管理会計(未来会計)で数字を語らなければいけないと思う。
 あと、当たり前だが、語るだけではだめだ。実行に移してもらわないと。


業務の「区切り」をつけるかどうか

 一番印象に残ったのが、「語った夢を実現しない限り、仕事を果たしたとは言えない」という趣旨の話だ。これは、社長の覚悟でなく、CFOの覚悟だ。
 CFOの典型的なイメージでは、やはり、資金調達まで、上場まで、など、区切りでの関わりが多いように思う。


 だがこれは、お客さんと会計人の関わりも全く同じことが言える。業務や契約上仕方のないことだが、区切りで考えるのだ。決算申告まで。経営計画策定まで、など。

 本気で、夢=経営理念やビジョン実現まで伴走する覚悟があるか。覚悟というのは、ここで言うと、区切りで考えないことだと思う。これは私の仕事じゃあありません、と言った時点で終わりだからだ。
 そうならないために、知識や技量を磨き続けるし、関わり方が変わるので、別途報酬をしっかり請求する(これができない人がとにかく多い気がする。相手にしっかり報酬を請求するのも、僕は覚悟のうちだと思っている)。

 僕がやっている「未来会計」も、考えてみれば、「区切り」をつけない関わり方だ。端的に言うと、PDCAを回し続けるのが仕事なので、区切りがないのは当たり前といえば当たり前だが。
 間違いなく、従来型の会計事務所とお客さんの関わり方より、お互いのコミットメントが高い。これは自負できる。まさに右腕型CFOと経営者の関わり方だ。


 会計人であれば、この対談はぜひ見てもらいたい。ただ、現在はNewsPicksアカデミア会員じゃあないと見れないようなので、注意。まあ、会員になって見る価値は十分にある(NewsPicksの回し者ではない)。

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