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『論語と算盤』考察 3

次の一万円札、渋沢栄一の足跡を、
僕の目線で考察していきます。

今回は、渋沢栄一の起業実績を考えていきます。
(『論語と算盤』とは直接関係ないのですが、気になっていたのでまとめてみました。ご容赦ください)

渋沢栄一は、生涯、約500社の起業に関わったとされています。

そのほとんどが、今でも日本を代表する会社ばかりです。
これだけでも驚きで、「日本経済の父」と言われるのに
ふさわしい功績ですが、会社を作るだけではありませんでした。
その500社のうち、約150年経ったいま、その約6割が現存しているというのです。
(合併等で現存している会社を含めます)
会社を作るだけでなく、存続発展させる達人でもあったのです。

今回は、その起業実績の中でも、金融関係(主に銀行)を
見ていきたいと思います。


渋沢栄一の最も代表的な起業例は、明治6年(1873年)の、第一国立銀行です。

これは、いわゆる日銀ではありません。
(もっとも、日銀にも、主要な委員として関わっています)
現在はみずほ銀行と名乗っているところです。
ちなみに、みずほ銀行の前身もの、第一勧業銀行、日本興業銀行、富士銀行の前身も、全て渋沢栄一が関わっています。

もっと言えば、現在のメガバンク、三井住友銀行、東京三菱UFJ銀行も、
前身の銀行の設立に渋沢栄一が関わっていました。

また現存する地銀を挙げると、
東北…青森銀行、秋田銀行、七十七銀行
関東…群馬銀行、りそな銀行、山梨中央銀行
中部東海…十六銀行、八十二銀行
北陸…北陸銀行、北越銀行、北国銀行
近畿…南都銀行
九州…大分銀行、肥後銀行、十八銀行
などがあります。


確か、2015年の朝ドラ『あさが来た』でも、
渋沢栄一は「銀行の神様」として描かれていました。


以下10行くらい、余談だが…(司馬遼太郎風に)
まあ、興味ない方は飛ばしてください。

2021年の大河ドラマは、渋沢栄一が主人公です!個人的には死ぬほど嬉しいのですが、一つ懸念があります。
僕には生涯のメンターが二人います。とは言っても、二人とも直接会ったことは無いですが。渋沢栄一と、吉田松陰です。
吉田松陰といえば、数年前、大河ドラマの主役?になりました(確か『花〇ゆ』?というタイトルだったような…)。
当時も、松陰先生が大河の主人公になるといって小躍りしたものですが、蓋を開けてみると、内容は、「松陰先生の妹」の「ツンデレ青春活劇」だったので、相当がっかりした記憶があります(というか、2話以降見ませんでした)。
来年の大河は、個人的にはストイックな内容になることを切に期待します。



また、銀行以外の金融業界の主な現存企業は、
・東京海上日動、損保ジャパン日本興亜、朝日生命
などがあります。

ではなぜ、渋沢栄一は、ここまで金融業界の発展に心血を注いだのでしょうか。
渋沢栄一の名言を、第一国立銀行の株主募集の広告から引用します。

「そもそも銀行は大きな川のようなものだ。役に立つことは限りない。
しかしまだ銀行に集まってこないうちの金は、溝に溜まっている水や、
ぽたぽた垂れているシズクと変わりない」
「銀行を立てて上手にその流れ道を開くと、蔵やふところにあった金が
より集まり、大変多額の資金となるから、そのおかげで貿易も繁昌するし、
産物も増えるし、工業も発達するし、学問も進歩するし、道路も改良されるし、
全ての状態が生まれ変わったようになる」


『論語と算盤』でも、お金を流通させることの重要性を説明しています。
社会インフラが整っていない当時は、お金を集約させて、投資することが
より重要だったことでしょう。


では、この考え方を、現代でどう応用するべきか。

起業でいうと、現在は割と資本がなくても起業できたりします。
また、クラウドファンディング等で、銀行に頼らなくても
資金調達ができるようになってきました。

ただ、起業でもクラウドファンディングでも、信用がなければ成り立ちません。
お金を集める=信用を集めるは、今も昔も変わっていないのです。

信用=お金を集めるのは、その人の人柄と、実行力にかかっています。
(僕は経営コンサルタントやっていますが、マジでこれに尽きます)

つまり、起業(事業拡張でもいいでしょう)の本気の大義名分と、
その後の実行力がある人に、お金が集まりやすいと言えます。

クラウドファンディングで資金調達するのであれば、
特に当てはまるのではないでしょうか。


最後に、冒頭で軽く触れたように、渋沢栄一は、
会社の存続発展の達人でもありました。
このことについては、別の機会に詳しく考察したいと思いますが、
一つ結論を言っておくと。

「大義名分と実行力」これを一過性でなく、続けることが、
存続発展の秘訣だと思います。


これも「論語と算盤」同様、andの考え方です。
(「andの考え方」が意味わからないと思った方は、僕の以前の記事『論語と算盤』考察 1 https://note.com/kenta_saitou/n/nad70b8d5e631 を参照ください)

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