会計人は顧客のCFOになれるのか? 1
NewsPicksの「新時代のCFOの条件」(マネーフォワードの辻社長、ユーグレナの永田副社長)の対談を聞いて感じたことをまとめたい。
コロナ後の僕の仕事の仕方(お客さんとのかかわり方)を振り返ってみると、これまでのやり方と、明らかに変わってきていて、なぜこんなことが起きているんだろうと疑問に思っていた。
今回の対談を聞いて、「CFO」という役割が、まさにその疑問を解明するキーワードだった。
また、ここでいう「CFO」の役割こそが、今後の会計人が担っていくべきものだと思う。
今回の記事では、対談で個人的にぐっときたところのまとめと、それを会計人としてどう活かしていくか?を考えていく。
※いつもとちがい、「である調」になっているが、ご容赦願いたい。
※ここでいう「会計人」は、公認会計士、税理士のような有資格者だけでなく、そのスタッフ、関連する財務コンサルタント等も指している。
コロナ前のコンサルの仕方
まず、これまでの僕のやり方がどうだったか。
ただし、下記は未来会計(MAS監査というコンサル手法)を提供している場合の仕事の進め方だ。税務会計のみの担当先もあるが、その場合は、残念ながら以下の仕事は行っていない。
・経営理念を確立する。
・中期経営計画・年間計画を立て、年間のKPIを設定する。
・年間のKPIを適時(毎月)検証・軌道修正する。
税務会計の場合は、過去の数字(試算表、決算書)にしかコミットしないのに対して、未来会計は、未来の数字にもコミットする。
もっとも、このスタイルは、コロナ前もコロナ後も変わらない。
コロナ後のコンサルの仕方
次に、どう明らかに変わったか?
良い意味で変わってきたと思っている。
まず、当初の中期計画・年間計画は、この時期、追っかけても無駄なので、当初計画に対する検証・軌道修正はほぼしなくなった。
あと、お客さんごとに必ず年1回やっていた中期経営計画の作成も、積極的にはやらなくなった(コロナがひと段落ついてからやればいいと思っている。もちろん、こういう時期だからこそ、しっかり中期経営計画を立てたいという鑑のようなお客さんもいる)。
そのかわり、論点をしぼり(主に資金繰りとコロナ後の戦略)、お客さんとの接点を増やした(面談時間は減ったとしても、電話、チャット、zoomなどで。人時生産性は極力落とさないようにしている)。
それだけといえば、それだけだ。
もっとも、これまでのやり方には自信があったし、僕以外のプレイヤーでもできる「標準化」の観点からも、とても良いものだ。今後も、基本路線はこのままで良いと思っている。
ただ、今問題点を思い返すと、良くも悪くも経営計画に基づいてのコンサルだった。
確かに、コロナ前も、経営のスピードが速い会社の場合は、当初計画をそれほど重視していなかったふしがある。
お客さんのどこにフォーカスするか?
要は、お客さんの悩み・痛みに応じて、一番良い寄り添いかたができているかどうかだ。当然、計画通りやるのが良いお客さんもいれば、計画はあまり重視しないお客さんもいる。
ただし、計画が全く不要、というのはあり得ない。
あるべき姿(目的地)を設定して、そこから逆算して、どのように経営資源(僕的には、「人・金・時間」だと思っている)を運用して、目的地に到達するか、のスタイルは原理原則だと思っているからだ。
コロナ時は、長期指標と短期指標の優先順位を変えざるを得なかったので、関わり方が変わったのだと思う。
顧客と会計人の関係性の変化
そこまでわかっていながら、疑問に思い続けていていたのが、お客さんと会計人(僕)の関係性の変化があったことだ。
サービス内容を変えているから当然かもしれないが、ざっくりいうと、コンサルを提供しているお客さんの全ての経営に、より入りこんでいる実感がある。今までも本気で入りこんでいたつもりだが、全然浅いレベルだったと反省するほどだ。
その疑問を解消するのが、この対談の「CFO」というキーワードだった。
CFOといっても、後で詳しく解説するが、単なる財務責任者や、資金調達屋という意味ではない。そもそも、地域の中小企業に、一般的なイメージでいうCFOはそれほど重要でなないだろう。
結論を言えば、右腕的な役割を担えているかどうかと、その覚悟があるかどうかだ。
財務とは一見関係ないように見えるし、お客さんとの関係で「右腕?」と疑問に思う人がいるかもしれないが、まさに僕がコロナ後、お客さんとの関係で、以前にも増して重視してきたことがこれだった。
ここで、ようやく対談の内容に入る。
すみません、思ったより長くなってしまったので、本題は次回の記事でまとめます…
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