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「挑戦」の社会的意義=「実験」

 総合型地域スポーツクラブ マネジャーの上杉健太です。30歳で(株)ベネッセコーポレーションを退職して総合型地域スポーツクラブのマネジメントを始め、37歳となった今、さらに新しい総合型地域スポーツクラブの設立・マネジメントに挑戦しようとしています。

 「挑戦」って、勝手にやればいいものだと思うんですね。脱サラしてお店を出そうが、プログラミングを学んでIT企業を起こそうが、やりたいと思った本人が勝手にやればいいですよね。基本的には「挑戦」は、挑戦者本人のものですから。ただ、たぶん「挑戦」って社会的な意義があるものもあるなと思うんですね。どういう「挑戦」が社会的意義が高いかというと、『やり方が一般的になっていない挑戦』です。
 どういうことかと言うと、あまり人がやっていないことをやってみて、上手くいったら、それを真似する人が出てきますよね。そうするとはじめは個人の勝手な挑戦だったものが、社会のスタンダードになる可能性がある。社会を豊かにする可能性がある。でも、特に新しいやり方でもなく、既に多くの人がやっている挑戦、例えば、「私も自分の美容室を開きたい」というだけの挑戦だと、社会的な意義はあまりないのかなと思います。これが、同じ美容室を開きたいという挑戦でも、「オンラインで髪の切り方を指導しながら自分で切ってもらう、オンライン美容室を開きたい」とかなら、もしかしたら社会的な意義が高くなるかもしれないということです。
 実験としての挑戦ですね。「こうやったらうまくいきましたよー」とか、「こうやったらうまくいきませんでしたよー」ということを、社会にアナウンスしてあげるという意味での、社会的な意義ですね。成功も失敗も包み隠さずにオープンにしている挑戦は、どっちに転んでも、実験としての社会的な意義が出ると思っています。ただそのためには、もう既に他の誰かがやった実験では意味がなくて、何か1つでも、実験の条件を変えなければいけない。

 では、新たに総合型地域スポーツクラブの設立・マネジメントするという私の挑戦は、社会的に意義があることなのかどうか。社会的な意義なんてなく、あくまでも私だけにとって意味がある挑戦なのか。
 結論を言うと、私の挑戦にも社会的な意義はあると思っています。テーマは、『ユニーク性』(特異性)です。総合型地域スポーツクラブを設立するということ自体は、全然珍しくないわけです。総合型地域スポーツクラブだと表明しているクラブだけで全国に3000以上あって、表明していないクラブもたぶん同じ数くらいあると思うので、総合型地域スポーツクラブの設立・マネジメント自体は珍しくも何ともない。たぶんそこに社会的な意義を見出そうとしても、ちょっと弱いなと思います。もちろん、総合型地域スポーツクラブの価値自体が浸透しているとは言えない状態なので、総合型地域スポーツクラブを地域に定着させることにはものすごく価値があるし、そのやり方を再現性が高いカタチで一般化できれば、社会的な意義は大きくなると思います。
 ただ、それだけではまだ足りなくて、もっとユニーク性を強めることで、「挑戦」に社会的な意義が出てくると思っています。まだ誰もやっていない(発信していない)実験にするということです。

 私の挑戦のユニーク性について、順番にご説明してみたいと思います。

①母体となるものが何もないところからの設立
 これはわりと珍しい点かなと思います。行政だったり、スポーツ協会・体育協会だったり、少年団だったり、サークルだったり、地域で活動をする総合型地域スポーツクラブは、その母体となる団体があって、そこからスタートする場合が多いと思います。これに対して私は、裸一貫で知らない土地に乗り込み、仲間集めから始めるというところからのスタートです。本当にゼロからのスタートです。厳密に言うと、隣の市の総合型地域スポーツクラブに伝手があって、そのかたには協力をしていただくかもしれないので、もしかしたら本当の意味でのゼロにはならないかもしれませんが、基本的には本当に何もない状態、ゼロからのスタートです。それをゼロの段階から発信をし続けている挑戦って、たぶんあまりないと思います。
 もし私のゼロスタートの総合型地域スポーツクラブの設立がうまくいけば、誰でもいつでも総合型地域スポーツクラブの設立ができるということになるかもしれません。「地域の要人になっていないと設立できないってことはないよー」ということが社会に対して言えるようになるかもしれないという意義が、私の挑戦にはあるかなと思います。

【新しい挑戦をする新天地についてはこちら↓】
https://note.com/kenta_manager/n/n6d17c2a68ef0

②総合型地域スポーツクラブからの収入で生活する
 これも、めちゃくちゃ珍しいというわけではないのですが、わりと少ない例だと思います。総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている人はいるけど、それで食っている人になると、たぶん結構減るんじゃないかなと思います。総合型地域スポーツクラブという名で行政から施設管理の仕事を受けて、”施設管理屋さん”で食っている人はちょっと多いかも(笑) まぁそういうクラブをやっている人や、家計におけるメインの収入を担っていない人などを含めても、たぶん「私は総合型地域スポーツクラブで食ってます」という人はまだ少ないと思うんですね。
 2020年10月現在勤めているたかぎスポーツクラブでもそれに挑戦していて、憧れられるような収入は得られていませんが、何とか生活できるだけの収入は得られていて、『食っていく』は実現できています。ただたかぎスポーツクラブの場合は、施設管理の仕事による収入もありますし、行政からの支援が凄いんですね。なので、今の私の挑戦って、「行政からの支援があれば総合型地域スポーツクラブで食っていける」という実験結果しか示せていないんです。これを今度は、「行政の支援がなくても食っていけるけど、行政の支援があると総合型地域スポーツクラブの効果は跳ね上がるよ」または、「行政支援がないと総合型地域スポーツクラブはかなりキツイよ」という結果を出せる挑戦に変えようとしているんです。どういう条件なら総合型地域スポーツクラブで食っていけるかという解像度を上げられるという意味で、社会的な意義があると思っています。

③2つ目の総合型地域スポーツクラブを手掛けるということ
 これがもしかしたら一番のユニークポイントかもしれません。基本的に総合型地域スポーツクラブをマネジメントしている人って、地元の人が多いと思うんです。『地元の為に総合型地域スポーツクラブをやっている』。これがたぶんスタンダードだと思います。それに対しては私は、そもそも移住して総合型地域スポーツクラブの仕事を始めたので、地元の為というよりは、どちらかというと、『総合型地域スポーツクラブの為に地域を盛り上げる』という感覚の方が近いんですね。だからこそ私は、「次は違う地域でやってみよう」となっているのだと思います。くれぐれも誤解しないでほしいのですが、出身地の三鷹市も、現在の地元の喬木村も大好きですからね!!!

【たかぎスポーツクラブをやめる理由】
https://note.com/kenta_manager/n/ne9139b1aab73


 というわけで私は、2つ目の、完全に別の地域で総合型地域スポーツクラブをやろうとしているわけで、そこの実験結果はなかなか面白いものになるのではないかなと思います。②でもお話しましたが、「行政支援がなくなるとどうなるのか」。つまり、『重要なのはプレーヤー(マネジャー)なのか、行政なのか』、という実験結果が出るようになりますし、『事務所はいるのか、いらないのか』という実験結果も出ると思いますし、『他の総合型地域スポーツクラブのやり方は転用可能か』という実験結果も出ると思います。もし私のこの挑戦がうまくいったら、今後かなり総合型地域スポーツクラブのマネジメントのハードルを下げることができるかもしれないなと思っています。無理に行政支援を求めなくても大丈夫になるし、事務所などの固定費を削減できるし、1つのクラブで食えなければ2つ3つやればいい、ということになるかもしれないということです。「1つ目のクラブでレベル上げておけば、装備や仲間を失っても、2つ目はレベルをそのままでスタートできるからいけるよ」というメッセージになるということですね。

【場所が変わっても発揮できるポータブルスキル】
https://note.com/kenta_manager/n/n62ac362f11be


 というわけで、私は私の挑戦が、ある程度社会的に意義があることだと思っているので、こうして発信を続けています。ここでは成功も失敗もとにかく全部明らかにしていきたいと思います。実験だと思えば、失敗は歓迎すべき結果ですから。もちろん、失敗を失敗のままにするのではなく、ちゃんと条件を変えて実験し直して、成功までをお見せするつもりですので、どうぞこれからもチェックしてみてください。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5