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5000mの為のトレーニング(1)("逆算"と期分けの考え方)

何の分野でもそうですが、計画は大事ですよね。

ただ、計画とはただの予定ではなく、「逆算」によって目標を達成していくべきだと考えます。

目標とする結果を念頭に置き、そこから日々や週単位で達成すべきことを決めていく、ということです。

これにより無謀な計画ではなく、達成可能なことを見極めて、効率的に目標に近づける且つ怪我のリスクも軽減されます。


特定のレースに向けて最高のコンディションで臨むためには、トレーニングの目的別に時期を分け、ある程度の余裕を持って計画を立てる必要があります。

例えば、5000mであれば、4ヶ月=12週間ぐらいが妥当でしょう。

12週間を3つのステージに分け、それぞれのステージには独自の目的を意識して、基礎的なボリューム、体幹や筋肉の強さ、さらに必要なスピードに対する耐性を組み合わせて、相乗効果と相乗的な効果を適切なタイミングで生み出すように、積み重ねていく必要があります。

- ステージ1:基礎&筋力(1~4週目
- ステージ2:筋力&スピード(5~10週目
- ステージ3:スピード&調整(11~12週目

ステージ1:
1~4週目 基礎&筋力


このステージでの目的は大きく分けて2つあります。


目的(1):有酸素運動の持久力を徐々に高め、毛細血管に刺激を与えて、ミオグロビンやミトコンドリアを増加させて、生理学的な適応を図る。

目的(2):この先にあるスピード練習に備え、無酸素運動の予行練習として、筋肉の強化をおこなう。つまりは筋持久力を高める準備をする、ということです。


この段階では、スピード練習に比べて、テンポ/ロングランの割合が多くなっています。また、長い距離を走る時間は、3週間の間に徐々に長くしていくようなイメージです。

5km専門のエリート選手は、大体週に160km以上走っています。但し、これは人によっても結構違います。

例えば、Haile Gebrselassie(12:39:36、1998年)は、週に平均200km走っていたようですが、ケネニサ・ベケレ(12:37:35)は、週に平均100km程度だったとのこと

当然のことながら、このような選手は同じシーズンに5kmと10kmの種目を同時にトレーニングするので、2つの種目の準備は重なることが多く、違いは生まれます。

筋トレ的な補助運動も必要ですが、筋力面では、たと起伏のある坂道や急斜面を走ることで、脚が抵抗に対応できるようになります。体幹や足の筋トレを少しずつ習慣化していくことがここでは重要なポイントです。


ステージ2:
第5週~第10週 筋力&スピード

- 4週目からは筋力トレーニングや勾配(坂の急さ)と時間を、増やしていきます。

- また、長めのインターバル(VO2Maxペース程度)から始まるスピード練習を導入。

- 8週から10週にかけて、スピード練はより短く、頻繁に、キツめにしていきます。

(この段階の終盤でも、1kmを早く走ることはできても、目標とするレースペースよりも大幅に速く走れている必要はありません。)

⭐︎リカバリーの時間を維持する一方、ペース走的な練習と距離走は、タイミングに応じて増減させます。

⭐︎体幹と主に足の筋トレの継続時間を増やします。

この段階では明らかにボリュームと強度が大きくなっていますが、最終的には、自分にとって最も適切な負荷を定量化する必要があります。

怪我のリスクを減らすために、自分の体に耳を傾け、自制心を持ち続ける必要があります。

5kmのレースは有酸素性代謝が主であることを再度認識する必要があります。(なので距離走は必要です!)定期的に炭水化物を抜いた状態で、朝にトレーニングを行うことで、有酸素運動の能力を高めることができます。

ステージ3:
11~12週 スピード&調整

この段階では、速いスピードでの反復練習が主な特徴となります。他のタイプ時間は徐々に短くなっていきます。

調整においては、フォームを維持しながら、走行距離を減らすことで、適切なバランス見出すことが必要です。

 一般的には、レース前の日に短い距離を走るなど、リラックスした状態を保ちます。

速い脚の回転、最適なフォーム、走技術の維持を目指して、質の高いストレッチ、マッサージを特に重視するべきです。

(続く)

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