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Yale Summer Session Law Seminar (2/8) - Overview

前回のIntrodcutionに従い、まずはYSSのOverviewについて書いていきたいと思います。具体的には、時間割、クラスの構成、教室・座席の順で書いていきます。

(写真は、Beinecke Rare Book and Manuscript Libraryの内部にある書庫です。同Libraryは、Lillian Goldman Law Libraryと地下で繋がっています。)

時間割

時間割は以下のとおりです。授業開始の割と直前(数日前。出国直前)になってようやく発表されました。アナウンスと同時に色々課題やらが通知されて、出国直前に言うなよ…という気持ちになりました(YSS全般的に、ロジは緩い感じです。)なお、昨年の受講者にも聞いたのですが、時間割は、だいたい毎年同じ感じのようです。

大きく分けて、①Law Seminar、②Writing、③Oral、④Filmの4つから構成されます。以下、詳述します。

各科目の概要

Law Seminarというのがメインのクラスで、平日の午前中に3時間開かれます。クラスメンバー全員(計28人)が一つの教室で参加することになります。内容としては、米国法(憲法、民事・刑事手続法、不法行為法、契約法、ビジネス法、家族法など非常に多岐)の基礎を学ぶことになります。詳細は次回書きます。

Written Communication Skillsは、読解能力・書面作成能力を鍛えるクラスです。色々な形式の法的文書(Declaration of Independence、Edmund Burgの英国議会演説、Product Liabilityで著名なWinchester Case、元最高裁判事Ginsburgのエッセイなど多岐)が課題に出されました。量があるので、結構大変でした。最終的な提出物(Final Project)としては、相当量のペーパーを書く必要があったのですが、これもまた大変でした。上記Law Seminarとは異なり、クラスを3つのセクションに分けて、少人数で行います(1セクションあたり10人弱)。詳細は追って書きます。

Oral Communication Skillsは、プレゼン能力はじめOral Communicationの能力の向上を重視した授業で、自分の法域のLegal Systemについてのプレゼンや、模擬調停などを行いました。こちらもWritingと同様、3つのセクションに分けた少人数授業です。Law Seminarだと人数が多くて発言の機会が少なかったですが、少人数の場合、自ずと機会も増すので、積極的に参加できた印象です。詳細は別途書きます。

最後のLegal Topics and Profession in Filmは、法律関係の映画・ドキュメンタリーを見たり、ゲストスピーカーの実務家の話を聞いたりする授業です。Electiveという扱いでしたが、基本的にみんな参加してました。ただ、時間が夜遅く、割と受動的な内容でありその分面白くないので、自分はYSS終盤になると、疲労や他の科目の課題の準備等のため、欠席することが増えてしまいました。

スケジュール等

Law Seminarだけ毎日午前中にありましたが、OralとWritingは月火水木の午後に交互に開講されます。なお、金曜午前のLaw Seminarは、ゲストスピーカーの話を聞いたり、Connecticut州の最高裁に見学に行ったりするなど、「遊び」要素が強かったです。また、金曜午後は完全にフリーだったので、土日にくっつけて金曜午後から観光に出発するなどゆとりある時間の使い方ができました。ターム中に参加した旅行については別途書く予定です。

各科目の講師ですが、YaleのFaculty memberは夏休みでいないらしく、近郊の大学(University of Connecticutとか、Quinnipiac University)の先生が教えに来ているようでした。詳細は、各科目の紹介をするときに別途書きます。

いずれの科目も、Yale大学のキャンパスにおける一つの建物(William L. Harkness Hall)内で完結するため、移動は楽でした。これに加えて、寮生活だったこともあり、私は、平日は、寮→教室→図書館→食堂→教室→図書館→寮(全部徒歩3分以内には収まる)、みたいな生活を送っていました。寮生活については、別途書きます。

クラスの構成

以下、クラスの構成について、国籍・バックグラウンド別に書いてみようと思います。全部で28人いました。

国籍別の構成

  • China: 9

  • Brasil: 4

  • Japan: 4

  • Italy: 2

  • Australia: 1

  • Azerbaijan: 1

  • Colombia: 1

  • Germany: 1

  • Netherlands: 1

  • Russia: 1

  • Spain: 1

  • UAE: 1

  • Venezuela: 1

なお、Regionで束ねてみると、以下のような感じです。

  • Asia & Pacific: 14

  • EMEA: 8

  • Latin America: 6

Background別の構成

また、Backgroundで分けると以下のとりです。

  • Student (Law): 13

  • Legal Profession (private practice, governmental officer, law professor, private company): 10 

  • Student (other):  4

  • Other (business owner): 1

なお、Backgroundについては、全員について詳細に聞けたわけではありません。また、Law schoolの仕組みもjurisdictionごとに異なるため、Student (Law)なのかStudent (other)は、特に判定が困難でした。したがって、上記は、あくまで目安程度のものとしてご理解下さい。

一応、YSSの建前としては、実務経験がある人を呼ぶということになっていた理解ですが、以上のとおり、過半数は学生だったということが分かります。

また、一般にサマースクールは、LL.M.の前段階として位置づけられることが多いように思いますが(私もそのつもりでした)、YSSからそのままLL.M.に進学するのは、私も含めて5名(うち日本人3名)だけでした。ただ、今後(早くて来年)、LL.M.への進学を考えている生徒は、他にも数名いました。なお、LL.M.に進学する生徒は、母国で既に実務家として働いています。ある講師の発案により、実務家としての経験を他の生徒(特に母国ではまだ学生の人たち)の前で話してもらうのがよかろう、ということで、LL.M.進学予定者の一部がパネリストとなって、自分の仕事についてプレゼンするという機会がありました。私もパネリストとして登壇したので、このプレゼンについては別途書くことにします。

教室・座席

教室

教室は、50人くらい入れる教室です。いわゆる大学の教室という感じで、残念ながら自席で電気をとることはできず、事前にラップトップを充電しておくことがマストです。授業料高いんだから、もうちょっとちゃんとしてよ、、という感じでした。この辺のインフラへの不満は、寮生活(←「過酷」というほかなかった)にも当てはまりますが、寮生活の実態については追って書きます。

座席

Law Seminarの座席について、私は、発言しやすいと思って最初は前の方に座っていたのですが、途中から気分転換のため後ろに座るようにしました。結果的に、後ろのほうが、発言する人が多かったこともあり、緊張感を保ちやすかったので、後ろで席を固定することにしました。

全体としては、中国の学生は固まって座る傾向があったように思います(まあ、基本みんな学生なので、横のつながりを強くしたいというのはよく理解できます。)。休み時間に中国語で話しているのもよく聞きました(もっとも、彼らは英語もとてもよくできます。)。対象的に、第2派閥である日本人はと言うと、みんなそれなりに大人なので(全員数年以上実務経験あり)、あんまり四六時中集まるという感じではなかったです。

次回

次回は、主要科目であるLaw Seminarについて詳細を書こうと思います。

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