あるエリアの高齢者の買い物について
和歌山市加太に月1回程度行く機会があり、加太エリアの高齢者の方々とお話させていただいている中で、
「良いところなんやけど、若い子はみんな出て行ってしまう。」
「車に乗せてもらわんとどこへも行けやん。」
などの意見をお聞きしました。
加太駅近くのスーパーが数年前に閉店し、駅から1kmほどのスーパーまで行けない、坂道も多いため自信がないなどの声もありました。
淡島神社や友ヶ島などの観光地、海水浴など毎年夏の時期には宿泊客も多いが、コロナウイルスの影響で観光客も減少しているとのことでした。
近くに小さな商店があり肉や野菜等簡単な食材は揃うようで、普段はそこで買い物を行っている方もあるみたいですが、
ただ、品数が少ないこともあり週末などに家族に車に乗せてもらって買い物に行ったり、買って来てもらったりという方もありました。
自分の職場周辺はスーパーやコンビニなども多いにも関わらず、利用者さんの生活行為の中でもやはり「買い物」が最も課題となっています。
・スーパーがない、遠い
・高齢化が加速している
・坂道が多い 等
社会資源、人口動態、環境などの視点においても高齢者の方の生活に支障をきたしているかと思います。
そこで、前回研修を受けたSDGsに関して、
持続可能な海社会を実現するリノベーション先進都市
【自治体SDGsモデル事業名】
海をはじめとした自然環境を含むまち全体のリノベーションによる持続可能な地域社会づくり
の事業がより加速していけば良いなと思いました。
特に、
11住み続けられるまちづくりを
14海の豊かさを守ろう
の2つの目標に向かって、
加太地域の高齢者の買い物に関しては、
・タクシー会社による買い物代行サービス
・スーパーが巡回バスを提供する
・移動販売サービス
・漁港による高齢者に対する魚等の販売イベント(割引あり)
買い物代行サービスも一時的話題になっていましたが、現状どれくらい活用されているのか、
聞いてみたところ「知らなかった」という方も多く、広報もまだ行き届いてない現状なのかもしれません。
スーパーの巡回バスなども地域によっては実施されているところもあり、
自分で行って店舗を歩く、商品を選ぶことは運動、認知機能ともに効果的なものになるので社会資源が少ないエリアにはニーズはあるかと思います。
移動販売を利用されている方もおられ、品数が少ないこと、少し値段が上がってしまうことはあるも、
1人暮らしであれば量も調整してくれていたり、「次、刺身と菓子パン乗せて来てー。」
などの個人の要望に合わせて対応してくれることは嬉しいようです。
加太でのイベントに関して、
毎年3月に桜鯛祭りなどもあり、
高齢者にとっても海の食材は栄養価も高く、健康にもつながる。
昔は漁船も多く出ており、近所の漁師さんから無料で魚をもらったりする事も多かったが、
現在は漁師の数も減り、関わりも少なくなってしまったという声も聞き、
高齢者の方と漁師さんとの繋がりもより活発になれば地域の活性になるのではと感じました。
加太や雑賀崎など、和歌山市の漁業の中核になっているエリアの高齢化、若い世代の減少を地域の方々が感じている中で、
色んな視点からのまちづくりのためのプロジェクトが進んでいるようです。
地域環境の影響、高齢化から起こる「買い物難民」を減らすために何をすべきか、
ただ運動をして長い距離を歩けるように、自転車に乗れるようにという関わりではなく、
行政、産業などの取り組みなどの側面からも考えていかないといけないと思いました。
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