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先輩の女をぶっ飛ばした話

おめんたいたい!

けんしくんです!


夢や目標は明確なのに

達成できない要因て

けっこうある。


野球が強くなりたくて

入学したのに

雑用ばっかりやらされたり


ロボットが作りたくて就職して

全く違う部署に配属されるとか。


僕は剣道が強くなりたくて

早稲田大学とか行きたかったけど


オシャレなカフェのパスタが

何か物足りないように


僕の頭も少し何か足りなかったらしい。


全然ちがう大学に入った。


大学入学前の噂は上下関係が厳しく

酒の◯◯(大学)とよばれ

酒漬けになるとかいわれてて

ビビリながら入学した。


実際にはそんなことはなく

(優しい先輩ばかりでした)


よほどでなければ

態度の指導を受けるとかはなかった。

(友達がよほどのことをして顔が変わっていたことはあったけど)


けれども

こないだまで高校生だった子と

荒波にもまれてきた先輩じゃ

雰囲気がちがうし

稽古のときは独特の空気だった。


部員も100名以上いたので

「選手になる」なんてセリフは

いつのまにか言えなくなっていた。


入学してしばらくすると

夏の試合シーズンに向け

部内試合が増えてくる。


同学年の特待の子とかは

男子のレギュラーと試合をする。

インハイ優勝とか

近畿チャンプとかそんな人。


僕も一個だけ

全国レベルの成績を誇りにしてたけど

ホコリみたいなもんだった。


部内戦すら出られないのに

大会出るとか厳しいんじゃないかって

少し感じ始めていた。


部員が100名いると

稽古も自主性が問われて

一生懸命にやる先輩と

そうでない先輩がいたし


「ここは才能の墓場」

なんて言葉も聞かされたから


どんだけ頑張っても

元々活躍してきた人じゃないと

ダメなのかもって流れが

自分の中で生まれ始めていた。


そんなある日の部活。


基本稽古が終わり

試合の準備が始まると


僕の名前が呼ばれた。


すごく驚いた。


ポジションは大将。


相手は女子。


しかも主将。


僕の他にも一年男子が

何人か女子の相手をすることに。


友達は...なんかヘラヘラしてた。


僕はそれがイヤだった。


ここに出されるって

高校時代なら

完ペキに選手脱落コースだったもん。


ヘラヘラしてた友達は

どんな気持ちで笑っていたのだろう。


女子だぞ?


どんな競技でも

男子と女子の部は別だ。


区別すべき理由があるからだろう。

それなのにやる前から

何をヘラヘラする必要があるのか

僕にはわからなかった。


試合が始まってみると

内容もそれなりで。

なんか小綺麗に

引き分けとかしてきて

まぁ無難な感じ。


キミタチ高校時代

ソンナ剣道ダッケ?

って思った。


だけど

いざ自分の試合が

近づいてきたときに気づいた。


部員100名と

監督・コーチ・来客が

たった1コートに注目するなかで

試合をするということ。

そこそこの大会の決勝クラスだよね。


「これ、きれいな剣道した方がよくね?」

高まる心拍数と共に

僕の感情は大きく揺れた。


考えがまとまらないうちに

「始め」という合図で

僕はフラミンゴのように

ピーンと立ち上がった。


こんなにフラミンゴなのは

久しぶりだった。


「デキルダケキレイニシアイセヨ」

フラミンゴ型ロボットの脳には

そんな指令が出されていた。


無意識のまま試合を続ける。


ジョシノセンパイツヨイ

サスガキョウゴウコウシュッシン

...


そうか?


ふと、技を受け止めた瞬間の違和感。

「このくらいのレベルなら

DKにもたくさんいたわい!」


死ぬ間際に活躍しそうな老兵士よろしく

僕は我に返った。


反撃に出る僕。


そして先輩からコテをもぎ取った。


ざわつく武道場。

それが僕を讃える歓声なのか

空気を読めないガキへのブーイングか

よくわからなかった。


そして僕は

試合場のラインを背負った

4年生の女子の先輩に

ぶち当たった。


それが思いのほか

ぶっ飛んだ。


冷たい静寂。


その後の事はよく覚えてない。


ただ

わかったことが2つある。


ひとつめは

それ以来「女子と試合を組む」ことが

なくなったこと。


もうひとつは

ぶっ飛ばした女子の先輩が

男子の幹部(4年)の

彼女だったこと。


女の先輩をぶっ飛ばしたのではなく

「先輩の女」をぶっ飛ばしてしまった。


当分、4年生全員から

報復されることを覚悟したが

そーゆーのに関係なく

指導してくださる先輩方しかいなかった。


そんな大学1年生の思い出。


やりたいことがあるのに

周りの目が気になっていたころの話。

頑張ろう、一年生。

不安をぶっ飛ばせ😎



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