旅RUNキュレーションVol.39(東京マラソン2020はテレビで見よう そしてひとり東京マラソンは控えよう)

この1,2週間で世の中がどんどん自粛・休業ムードになっている。
そんな中で明日開催されるのが東京マラソン2020。世界最高峰のランナーが東京に集まり走る。そして日本のトップランナーがオリンピックマラソン代表最後の1枠を巡って走る。
男子の最後の1枠をめぐる争いは東京マラソンと、次週のびわ湖毎日マラソンだけど、日本記録超えが設定タイムであることも考慮すると、最後の1枠を取れるかどうかは明日の東京にかかってると言っても過言ではない。5kmまでは下り基調、そのあとはほぼフラット。世界屈指の高速コースだから。

自分自身、今回の新型コロナウイルス(COVID-19)については「過度に騒ぐな」という考え。自粛ムードの広がりは社会生活・日本経済に大きく影響させてしまうのは自明。一方、過度に騒がなかったとしてCOVID-19がどれだけの罹患者を生み出してしまうかは不明。パンデミックになるのかもしれないし、他のインフルエンザと同程度かも流行具合なのかもしれない。リスクベースで考えると前者の方が影響が大きい。過度に騒がずにみんなが健康対策(よく寝て食べて免疫力を保つとか、手を洗って清潔を保つとか)をするのが一番だと思う。(なお、COVID-19に関する当件は異なる意見をお持ちの方も多いだろう。未知の部分が多い脅威だから、こうして何か意見を発したらいろいろ言われたとしても仕方ない。むしろ、みんなでいろいろな意見を出すべきだと思っている。)

自分自身としてはそういう考え方なもんだから、開催される東京マラソンは大きな希望。明日は久しぶりに楽しみな朝になる。
大迫と井上はナイキのアルファーフライ(最新の厚底シューズ)を履くそう。記録にも期待できる。

一方、COVID-19騒ぎでエリートの部以外は中止になってしまった。各業界のイベント等に対してそれなりに先駆けて中止を決めたのは東京マラソンだし、他のマラソン大会をドミノ的に中止ムードに引き込んだのもおそらく東京マラソン。
その後、政府の要請が突如活発になってきて、業界問わず自粛モードが広がってしまった。日本の行政がそうしろと言っているのが今の状況。
この状況になると、先駆けになった東京マラソンはもはや逆の流れに見られてしまうかもしれない。縮小はしたものの開催はするのだから。

現状を思うと、まず明日のレースは是非テレビで観戦したい。
マラソンって、沿道応援するのもとても楽しい。でも、こんな状況だから人が大挙して集まってしまうと大規模コンサートをそのまま開催してしまったのと同じ状況になってしまう。一般ランナーが走らないなら沿道応援も少ないのでは?という意見もあるかもしれないが、昨年9月にほぼ同じコースでエリート数十人だけが走ったMGCはものすごい人数の応援だった。
前記のとおり個人的には「過度に騒ぐな」と考えている。だが、政府がもう集団で集まることを避けようと言ってしまっている。そんなご時世だ。
日本陸連は「東京マラソンは大規模イベントには当たらない」と言っている。だが、マラソン大会の場合は大規模にするかどうかは応援する人が決めることを理解しよう。大量に集まるきっかけを作るのは控えよう。

そしてもう一つ。
市民ランナーの中にはしばしば、マラソン大会が中止になった時「ひとり○○マラソン」「自主○○マラソン」と称して1日に42kmとか走る人たちが居たりする。
これまで地方のマラソン大会が中止になった時にこういう現象が見られたが、今回は東京マラソンが中止。あぶれてしまったランナーは4万人に迫る。「ひとり東京マラソン」「自主東京マラソン」を考える人もそれなりに増えるだろう。
でもどうか、そんなことをお考えの皆さん。東京マラソンコースの沿道(歩道)を明日の同じ時間帯で走るのは控えてほしい。たったひとりならいいかもしれないが、同じ考えをする人が数10人数100人と出てしまうと、街の人たちの迷惑となってしまう。

もともとマラソン大会って、大会のために公道を占拠したりと、興味のない人にとっては至極迷惑なスポーツイベントだったりもする。
僕も数々の大会を走ってきたが、参加した大会の10回に1回くらいは、「なんでこの道路渡れないんだ」的な感じで運営の人が怒鳴りつけられているのを見かける。本当に申し訳ない気持ちになってしまう。(もちろん応援してくれたり、喜んでくれたりしてくれる人が大多数なのだが)

至極迷惑なスポーツイベントだからこそ、明日の東京マラソンコースに大挙して人が集まるとまた批判の的になってしまう。
特に東京マラソンは他のマラソン大会の運営の鑑になってしまう傾向にある。明日批判されるようなことが起こると、他のマラソン大会もまとめて批判の対象だ。近いところでいうと来週の名古屋ウィメンズマラソンのエリートの部の開催も危ぶまれることになりかねない。

自分たちが趣味にしているスポーツが嫌われてしまうって、いい気がしないというかすごく悪い気分になってしまう。
別にマラソンだけの話ではなく、自分が趣味にしているようなことを貶されると不愉快になってしまうのはきっと誰しもそうだと思う。disってくる人の性格を疑って終わりにしてもよいのかもしれないが、我々マラソン大会出場者は公道を利用させてもらっている立場。わがままを通しているのは我々。出来るだけ迷惑をかけることは避けたい。

そもそも世の中の流れからいくとエリートの部もろとも中止にさせられてもおかしくない状況。自分の意見はさておき、このことは理解しないといけないこと。

だからこそ、これ以上迷惑をかけないように。この先10年、100年と、このスポーツが続けていけるように。
今はテレビで応援しましょう。
走るなら、いつもの練習コースをひとりで走りましょう。

明日は、沈んでいく日本の雰囲気を少しでも押し上げる日になることを願ってやまない。

明日はいつもとは少し違う The Day We Unite を期待している。

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