「ウクライナ侵攻の本」を書いてます。同時代に生きた証として
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって、3週間がたち、残念ながら予測通り、泥沼化の様相を呈してきました。一向に進まない苛立ちからか、それとも戦意を削ぐためからか、ロシア軍による無差別攻撃が目立ち始めました。
敷地に白い大きな文字で「子供たち」と書かれた劇場が爆破されました。中には1000人近い避難民がいたそうです。子供たちがいると分かっていながら、ミサイルのスイッチを押す瞬間、その兵士はどういう心境なのか。まともな精神状態だったとは思えません。
住宅や学校、病院などへの砲撃がありながら、いまだに「民間人は標的としていない」と言い張るロシア側。それに対して、国際社会は「軍事的支援」と称して、ミサイルや銃弾、防弾チョッキなどを大量にウクライナに送り込み、ウクライナ側の徹底抗戦を後押しする状況は、なんだか解せない感じがします。
いじめられている人に、こっそり棒や石を渡して「がんばれ」と励まして、また陰に隠れて見ているだけのように思います。本来なら、いじめっ子と、いじめられっ子の間に割り込んで、「やめろ」といじめっ子に拳骨を1発でもくらわせるのが筋のはず。国際社会には、そういう中立的な権力がないのが大きな弱点です。
何か私自身ができることはないかと考えた末、ウクライナを取材した経験もあり、戦場も取材した経験があることから、これまでの情報を洗いざらい整理しながら、この戦争をどう捉え、歴史的にどう位置付けるかを丁寧にわかりやすく説明する本の執筆にとりかかっています。
仮のタイトルは『ウクライナ侵略 独裁者プーチンの暴虐』。同僚であり、いまテレビでコメンテーターとして活躍の佐々木正明先生との共著の予定です。
佐々木先生の出演リストを眺めていますが、TBS、テレ朝、フジテレビ、日テレと連日、引っ張りだこで、現地の苦しみに寄り添う誠実なお人柄が視聴者の心に響いているのだと思います。
戦争の進展状況次第ですが、本はできるだけ早く出したいと考えています。客観的に冷静に記述することを心がけていますが、国際社会の怒りや悲しみを代弁するような思いをそっと忍ばせられないかとも画策しています。
この本がどうなるか、そのプロセスもここで記していければと思います。