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意識の「発達レベル」と「目覚めの状態」およびSDGs(社会の向かう方向)

1)意識の発達レベルと目覚めの状態

ティール組織のブームは、去ったのだろうか?最近は、一時期ほど聞かなくなった気がする。既存組織のほぼ全ての構造を残したまま実装しようとするので、その難しさと整合性のなさに、なかなか難しく一旦停止というか方々も多いのかもしれない。ビジネスバズワードの功罪でそうした動きが弱まったように感じる人もあろう。

但し、ベースとなる、成人発達理論は、人事や組織に関心のある人を中心に一定程度普及したように感じる。そして、実は、意識の発達は止まることもないと考えている。(意識を、あえて時間内で「前進」「停滞」「退行」のいずれかとするなら、ここで、「止めるべきでは無い」と書く必要も無いほど、意識の前進は止まらないものだ。)つまり、これから、組織の方こそ解体ないし、換骨奪胎が迫られるでしょう。個人が組織のために奉公する時代がいよいよ終わり、組織が個人のための存在意義を問い直す時代は、きちんと私たちの意識の中に来ているのです。

成人発達の中で重要なのは、以下の3段階のシフトだと考えます。

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Step 3 組織の権威権力に従属する状態
Step 4 上記に対し、自己の自由性を元に対立を恐れず挑む
Step 5 他の人の自由を尊重する。

現在は、Step3、Step4、Step 5の社会意識が混在している状況であり、この中でStep4で成功した人が大きな注目を浴びた時代が、羨望を残しつつもバックミラーに映りそうになっているのかもしれない。純粋に羨望していた段階からもっと次に行かなければという人類意識だろうか。だけど、Step5の、それぞれが他者の自由を認め尊重するというだけでは、社会全体として合意がなくネクストレベルである、統合的なレベルに行けない。これが、現代の課題だろう。逆にこの状態では、Step 3の状態の人が、自社の組織のミッションをタテに反論する余地が残る。私たちは前合理的段階に戻るのではなく、後合理的段階、多元的レベルを超え統合段階にいく必要があるし、それは可能だ。

Step 5以降の統合意識とは後からくるStep5 の意識が活躍できる場を作ることだ。多様性、即ち多様な個人が活躍する舞台は、

1)自由の前に平等が必要で、平等の担保の上で自由がある。
2)自由には他者の自由と私たちの時空間を守るという制約条件がある。
3)それらを踏まえた上で、多様な個人が力を開放できること。

それが、21世紀の社会だ。後ほどSDGsとの関係で整理したい。Step 5が社会で主流になるには、Step6やStep7の意識の人々が先に準備をしておく必要がある。

タイトルにもした意識の「発達レベル」と「目覚めの状態」をケン・ウィルバーが組み合わせた説明をしてくれています。

・意識の発達レベル( Consciousness Level)
・マインドフルネスなど含め意識の目覚めの状態(State of Awakening)

は異なるものだということです。

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参照「インテグラル理論を体感する」ケン・ウィルバー


これは、極めて有用なアプローチであり、彼が、これまでも発信していた、AQAL(全象限、全レベル、全状態、全ライン、全タイプ)ということが、大変よくまとまっています。関心ある方はぜひ一読をおすすめしたいと思います。

シンプルにいうと、瞑想・マインドフルネスだけだと、非二元的状態に意識がなっても、そこには原理主義の宗教での目覚めた人も含む。よって、社会人としてはそれではこれからは足りないのでは無いだろうか?もっと未来に、意識の旅として「超えて含んで」行くということが私たちはできるのでは無いか?そうしたある種の修行を経て、私たちが高い成長レベルで豊な状態の意識を持つことで、より素晴らしい意識・社会に向かっていけるだろうという、希望に満ちた提言だ。

では、そうした高く、豊かな意識を持つことを目指しつつ、私たちは、どこに向かうべきだろうか。

2)社会が向かうべき方向

SDGsが、今後の向かうべき方向と示されたのは、2015年。

以下参照---
「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標です。
 このサミットでは、2015年から2030年までの長期的な開発の指針として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。この文書の中核を成す「持続可能な開発目標」をSDGsと呼んでいるのです。---


こちらは、あと10年かけて達成を目指す項目ですが17もあり頭に入りづらい。人は7つ以上のことを正確に関連づけて覚えられないそうだ。実際、3つ以上は思い出したり、関連づけたりに労力を要する。

昨年、内閣府の委員会でご一緒させていただいた安宅和人さんが、著書「シン・ニホン」P370~でSDGsをご自身の視点でまとめられていたのを参考に、私も自分の理解のためにまとめてみた。やはり、自分なりに整理するというのが大切だ。(こちらの本も、現実的アプローチで多くの参考データが記載してあり一読すべき。私はP320「今一度、この社会の基本に則り、国全体を家族として考え、あるべき姿を考え直すタイミングだ。」に著者の強い良心を感じ、嬉しくなりました。あらゆる正しく見える意見も、検証が難しければ難しいほど、誰のためにどう言った視点で書かれたのかが、ますます重要になると考えるからです。)

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WaLaの哲学では、「意識の目覚め」状態についておよび「成人発達のレベル」への理解(いずれも開発するには自らが飛び込み体験するしか無いのだが、その地図を持つことで、心理的安心を得ることと進路に自信を持って進むことは可能だろう。)を踏まえた上で、幽玄の山奥で悟った隠者になるのではなく、社会で何を為すのか?を大切に考えます。

そして、21世紀に生きる私たち、シン・ニホン人が向き合うべき新たな課題は確かに以下3つに集約できる。

1)人:不平等をなくす   <19世紀からの宿題>

2)時空間:サステイナブル  <20世紀の宿題>

3)人間(=人と時空間の共創)個の力を解き放つ  <21世紀の課題>

この3)は、依然として残る1)と2)の解決に向かうことになるだろう。

Step 4)に生きるにしても、強い、社会的な意志を呼べるものを自分の内奥から引き出すことが必要であろう。そのためには、意識について、自分について、社会について確固たる軸を学ぶことが大事だと考えます。

現在のコロナ・ウィルスに対する世界的な動きを見て思うことですが、こうした既存の社会が、明確に未来を示せなくなったように感じる時ですら、未来の指針となる情報はあります。そうした情報を自分なりに整理し、体系立てて学ぶことを本物の知性というのでしょう。そうして学び、社会と共に進化していくこと。これこそ、21世紀に生きる私たちの使命であり、喜びと言えるのでは無いでしょうか。数億年前の恐竜の意識が私たちの脳幹に物理的に残っているように、私たちの現在の試行錯誤を経て残る意識も、物的形態を伴い、将来の生命にバトンが渡されるのです。この責任を、喜びと感じ生きれる人は幸せな人でしょう。

知性の重要性は理解しつつも、数百冊の本を読むのも、ましてやそれを体系立てて自分の軸にするにも、型が無いことには効率が悪いのも事実でしょう。贅沢に時間をとり学ぶこともとても有意義ですが、私たち責任ある世代は、学んだあとの実践により多くの時間を割かねばなりません。こうした現代に必要な学びを「WaLaの哲学」としてまとめて講義とグループワークでの学び場を提供しております。ご関心ある方は以下もご覧ください。

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WaLaの哲学とは

私は、はたらく意味のアカデミア「WaLaの哲学」という講座を主宰してます。現在の危機を乗り越えた後の社会に必要な概念です。既に多くのビジネスマンに、新しい時代に必要な軸を学んでいただいてます。

今のような変革期に大切なのは2点
1)新しい時代に必要な考えの軸を持つこと
2)そうした時代を共に生きる仲間を持つこと

情報社会の進展による顕在意識の活性化と係留場所を失った潜在意識の解離はますます大きくなり、精神的空虚さ(スピリチュアル・エンプティネス)は広がり続けてます。その結果、社会の激動はますます激しくなるでしょう。私たちが表層意識を変えない限り、潜在意識は何度も襲いかかります。リーダーたらんとする者は心の準備をし、次の時代の準備に粛々と向かいましょう。

WaLaの哲学を通じ取り組んでることは「切り離された世界の住人としてではなく、つながった世界の住人として生きるための哲学」つまり、自ら設定した場所で自らを主人公として描く、全く新しい宇宙観・世界観の中に生きることです。そのために必要な思考の型を、これからを生きる武器として多くの人に持って欲しいと思い、こうした場を作ってます。万物の背景にある力を学ぶことでより大きな力を捉えられるでしょう。21世紀を生き抜く哲学の型を学ぶ WaLaの哲学4期 4/23(木) スタート。申し込みのラストチャンス!

以下でオリエンテーション 内容確認できます。

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そして、こうした学びの全てを超えて含んで(transcend & include)、意識の最先端を共に進みましょう。

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