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海外進出:入口から出口までの全体像 ~知ってほしい3つのフェーズ~

海外進出は、人生観を変える大きなイベントだと思います。これまでの人生で出会ったこともないような人々、初めて知る文化や常識、複雑怪奇な商習慣など、ワクワクする出来事が盛りだくさんです。
本日は、その入口に立とうとされている方に向けて、少しでもお役に立てる情報をお届けします。

知ってほしい3つのフェーズ

海外進出事業を開始する前に、是非やって頂きたいことがあります。
それは、事業の全体像を決めることです。
それぞれの段階で何をするかを把握せずに、海外進出事業を始めてしまう企業さまが多いのですが、これは、地図のないままに航海へ出るような行為と同じことです。何か問題が起こった時や厳しい状況に陥った時、心構えや対策が準備できず、その時点で頓挫してしまう原因になります。
まずは、事業の全体像を3フェーズ「計画、設立、運営」に分けて説明していきます。

事業の全体像を3フェーズに分けると
入口:計画フェーズ
道中:設立フェーズ
出口:運営フェーズ

入口:計画フェーズ

計画フェーズには5つのポイントがあり、それぞれがこのフェーズを支える重要な要素です。

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ポイント①目的の明確化・自社分析
まずは、海外事業の目的を決めましょう。目的が決まれば、目的を前提とした目標、目標を達成するための自社分析、予算、人員体制、進出形態、事業の進め方、etc.が決まっていきます。
特に気を付けて頂きたいのが、海外事業責任者の責任と権限を明確にすることです。ここをフワッとさせたまま事業を進めると、責任や権限の所在が曖昧になり、事業が停滞する原因になります。また、いつまでに何をするかを決めるスケジュールがあると、事業進行がスムーズです。

ポイント②情報収集・分析
どういう国、地域に進出するか、進出先候補を決め、それぞれの市場分析、外資規制や優遇制度の現状、競合他社や提携先のリサーチなど、インターネットや書籍から情報収集し、分析を行います。

ポイント③現地調査・F/S調査
F/S調査とは、(F)フィージビリティ・(S)スタディの略、つまり、実現可能かどうかを調べる調査です。現地に行くことを前提に調査の計画を作り、現地出張をします。
多くの企業にとって最初のハードルです。なぜなら、途上国への渡航、調査のためのアポ取り、予算の問題など、海外経験が無いと自社単独ではなかなか実施できないからです。ですが、それを補う政府の制度があります。
経済産業省、中小機構、JICA(国際協力機構)など、F/S調査の実施をサポートしてくれます。企業の業種や目的によるのですが、このサポート事業にうまくマッチすれば、調査費用などを抑えることができます。

ポイント④テストマーケティング
販売を目的とした企業向けですが、自社製品が本当に海外市場で売れるのか、実際に現地へ製品を持ち込んで試験販売やプロモーションを行い、市場や消費者の反応を調査します。

ポイント⑤事業計画を作成
①から④までの情報をまとめて、事業計画書を作成します。あえて事業計画を作らない企業もあるのですが、私たちは必ず事業計画を作成することをお勧めしています。
1つ目の理由は、全体的な計画をきっちり持つことで次の本格フェーズに移ることができます。また、融資や投資が必要な場合、こういった計画書をたたき台として金融機関向けの資料を作成する必要があるからです。
もう1つが社内の関係者に対して、海外事業の意義や必要性を説明する資料として使えるからです。社内コンセンサスを得ることは、海外事業をスムーズに進める重要な業務の1つです。

ポイント① 目的の明確化・自社分析
ポイント② 情報収集・分析
ポイント③ 現地調査・F/S調査
ポイント④ テストマーケティング
ポイント⑤ 事業計画を作成

次回は、次のフェーズ「設立」についてお話しします。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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