成功する海外ビジネスの国選び~そもそも売れるのか?~
海外進出を目指そうと決めたとしても、進出対象国は世界に200以上あります。そんな中で、自社にとって最適な国選びは悩ましい課題の1つです。
出会いやご縁で国選びをすることも多いですし、複数の候補国の中から選ぶこともあるかと思います。
今回は、国選びに役立つ情報収集のポイントについてお話しします。対象国を決めきれない方は参考にしてみてください。
国選びのポイント:情報収集
まずは、国選びの判断をするための情報収集を行います。できる限り国内で多く情報収集をすることで、現地渡航時に、精度の高い現地調査をすることができます。
大きく2つに絞った情報項目があります。
①そもそも売れるのか?作れるのか?
②そもそも外資企業が参入できるのか?
まずは、この2点をブレイクダウンしていきます。
①そもそも売れるのか?作れるのか?
この項目は、根源的なもので、企業が一番気にする点かと思います。
「そもそも売れるのか?作れるのか?」という疑問に答えるには、下記の情報収集をしてみてください。
・市場はあるのか?
想定している国の市場規模、市場特性、人口規模、人口ピラミッド、国の経済発展レベルを知ると、市場の可能性が見えてきます。
・買ってもらえるか?
顧客特性、ターゲット層、想定国の抱える悩み、自社製品が悩みをどう解決できるか、を仮説も立ててみてください。
・どう売っていくか?
想定国の商流、流通形態が、どのように機能しているかを知ると、自社製品の販売方法が見えてきます。例えば、コールドチェーンインフラの整っていない国で冷凍食品を販売するのは非常に困難ですよね。
・競合他社はいるか?
競合他社がいて、競争が激しいのでしょうか。周辺国からの競合他社も合わせて調べると良いと思います。
・提携できるパートナー企業がいるか?
最も難易度が高い項目です。いかに効率よく信頼に足るパートナー企業を探すかが重要な点です。
輸出の場合:
販売先、原料資材の仕入先、販売店、代理店の候補がいるか
現地生産の場合:
委託先があるか、提携して生産していく候補企業がいるか
簡単には見つからないと思いますが、常に念頭に置いておく必要があります。
・労務慣行は?
現地で拠点を作る可能性がある企業にとっては重要な項目です。
どのような労務慣行になっているか、労働者の働き方に関する法制度など、事前に調査することで進出形態を決める目安にもなります。
・現地特有の商習慣、制度は?
日本とは違う現地特有のものがあるはずです。例えば、医療業界の場合ですが、日本における病院はほとんどが民間経営です。一方、ベトナムは8割以上が国営、公営の病院になります。それだけで、日本とベトナムには制度上大きな違いがあることは十分想像できると思います。
②そもそも外国企業が進出できるのか
この項目は、想定国の制定している外資規制や優遇制度についてです。そもそも、想定国が外国企業の進出を受け入れているかどうかがポイントです。
・業種:進出してはいけない業種、制約のある業種に入っていないか
多くの国では、国の経済発展の根幹に関わるような業種は禁止しています。また、禁止していなくても、現地企業との提携を条件とした進出形態が義務化されている国もあります。
・進出形態:単独で原資で進出できるのか
上記の項目と被りますが、国によっては外国企業の単独原資での進出を禁止していることもあります。その場合、現地企業との合弁会社設立や出資額の割合などを調べる必要があります。
・資本金:資本金の最低資本金レベルはいくらか
現地拠点を作る場合の時だけですが、国によって資本金の最低金額が異なっています。
・優遇制度:どんなメリットがあるか
外国企業を招致したい国では、税制面でのメリットや、日本への送金時のメリットなどを用意していることもあります。
・輸入制度:どんな規制があるか
日本から製品・サービスを輸入する際、例えば関税率や、貿易手続きの煩雑さ、各国独特の規制など、国によって違ってきます。
・ライセンス:取得義務はあるか
それぞれの業種、製品・サービスによっては、想定国でのライセンス取得が前提としている場合もあります。
・文化・宗教:受け入れてもらえるのか
各国特有の文化、宗教によって、商習慣が違ったり、製品に対する反応などが違います。特に宗教的な問題は制度や規制にも繋がりますので重要です。
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