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Service Designの全体像を捉えよう
コロナの影響で開始が遅れていたXデザイン学校マスターコースが始まりました。ビギナーコースでの学びはこちらのマガジンにまとめつつ、引き続きマスターコースでの学びをnoteに記録していきます。
UXデザイン、サービスデザイン、デザイン思考、といった分野に興味のある方の参考になれば幸いです。
Xデザイン学校:https://www.xdesign-lab.com/
2019年5月~2020年2月にかけてXデザイン学校で初めて「UXデザイン」というものを体系的に学びました。最初は分からないことだらけ、学ぶことすべてが刺激的で授業のたびにすごく興奮していたのを覚えています。
全10回の授業を受けながら自分なりに学習を進めていった結果、辿り着いた答えは「UXデザインは魔法の杖ではない」ということ。
「参与観察(エスノグラフィ)」「行動観察」「インタビュー」といった定性的な手法でユーザーを調査し、そこで得られた情報からユーザー自身も気づいていなかった本質的な欲求「インサイト」を鍵に解くべき問題を定義し、その問題を解決するための手段をプロダクト、サービスのアイデアにする。
ダブルダイヤモンドと言われるUXデザインのプロセスは理解できたものの、それだけで世の中をあっと言わせるようなサービスを実現できるか?というとそうではないんだなと。
もっと考えないといけないこと、知らないといけないことがたくさんあるということに気づけたのがベーシックコースでの学びの終着点。
そして、マスターコースではダブルダイヤモンドを包み込むように存在するもっと大きなサービスデザインの全体像について理解を深め、絵に描いた餅で終わらない、実行可能なサービスデザインができるように精進していきたいと思っています。
Xデザイン学校マスターコース 01 / 2020年8月22日(土)
Stefan MoritzのService Design
いきなりですが、第1回授業でサービスデザインの全体像を教えて頂きました。こちらの図はStefan MoritzさんがService Designという本の中でサービスデザインの全体像を説明するために使っている図です。
(参照:https://issuu.com/st_moritz/docs/pa2servicedesign)
英語があまり得意ではないので、それぞれのブロックごとに日本語訳を入れながら詳しく見ていきます。
① 組織
② 従業員、仕入先や供給元、パートナー、市場、競合、テクノロジー
③ 戦略、コンセプト&解決策、文化の変革、人材の確保
④ 資源&制約
⑤ 環境
⑥ 効率性&有用性
⑦ 生産性
この7つの要素が、サービスデザインをする際に、組織側の情報として考慮&把握すべきことになります。これだけでお腹いっぱいなくらい多いですね。
文章で表現するとこんな感じでしょうか。
「①組織」がサービスデザインを行う際には「②従業員、仕入先や供給元、パートナー、市場、競合、テクノロジー」を含めた、その組織自体を取り巻く環境をよく理解する必要があります。
その上で、サービスデザインの根幹となる「②戦略、コンセプト」を考え、そのアイデアを実行するための「②文化の変革(サービスを実行&運用できる組織の文化、風土づくりのこと)、人材の確保」に取り組む必要があります。
また、実行できるサービスは組織が持つ「④資源&制約」によって制限を受けますし、組織の周辺環境も含んだ「⑤環境」による影響も受けます。
サービスデザインが上手く機能すると、組織は「⑥効率性&有用性」が向上し、結果的に「⑦生産性」が上がります。
てんこもり。
諦めないで右半分も詳しく見ていきます。
(A) 顧客
(B) 市場、コミュニティ、社会、政治、経済、トレンド
(C) タッチポイント、体験の質、ブランドへの親近感、フィードバック
(D) 顧客の本当のニーズ
(E) 市場のニーズ
(F) 利用文脈&インスピレーション
(G) 有効性、有用性、魅力
(H) 満足度
こちらが顧客側、サービスを利用するユーザー側で把握、考慮すべき情報になります。
また文章にしてみます。
サービスデザインを行う際に把握すべき「(A)顧客(=ユーザー)」は「(B)市場、コミュニティ、社会、政治、経済、トレンド(流行)」に影響を受けています。
さまざまな要素に影響を受ける顧客に対して、「(C)タッチポイント=ユーザーにどのようにサービスを知ってもらうか?触れてもらうか?、体験の質、ブランドへの親近感、フィードバック=サービスに触れたユーザーの反応に対する更なるアプローチ」を提供します。
「(D)顧客の本当のニーズ」「(E)市場のニーズ」「(F)利用文脈&インスピレーション」によってサービスデザインのアイデアは生まれてきます。
最終的にはサービスを通して顧客に「(G)有効性、有用性、魅力」を与え、「(H)満足度」を向上させます。
組織側よりも文章化が難しいですね。
理解が深まったかどうかはちょっと怪しいですが、サービスデザインを行う際に考える必要があることの幅広さ、奥深さは分かりました。一人でできる範囲の話ではないので、チームで取組む必要がありますね。
Service Designとダブルダイヤモンドの関係性
ダブルダイヤモンド、Service Design全体像、2つの図が出てきてしまったので良く分からなくなった方もいるかもしれません。私もこの2つの関係性はどうなっているんだ?というのを良く理解できていなかったりするので、そちらも整理してみます。
こんな感じでしょうか。
ダブルダイヤモンドにおける「探索&収束」はService Design全体図の中では右上の方にある「Real client needs = 顧客の本当のニーズ」を見つけるためのプロセスです。そして「展開&提供」は真中左、「Concepts&solutions = コンセプト&解決策」にあたります。
私が10ヵ月かけてやっと「なんとなく分かった?」ダブルダイヤモンドは、サービスデザイン全体で考えるとごく一部であることがよく分かりました。
ごく一部だけど、サービスのコアになるアイデアを出す部分なので比重は重いはずですが、それだけで優れた&実現可能なサービスデザインをするのは難しいこともよく分かります。
ユーザーのインサイトをヒントにどんなに面白いアイデアを考えても、それを実行する組織&周辺環境、ユーザーを取り巻く環境を考慮していないアイデアでは上手くいかない。
その上でサービス継続的に実行できる「環境、仕組み」を作らないと、絵に書いた餅で終わってしまう、ということですね。
サービスデザイン全体像についてのまとめ
サービスデザインをする上で考えないといけない主要な部分は、以下の4点だと理解しています。(違っていたら誰か教えてください。)
1, 経験のデザイン
2, 製品・システムのデザイン
3, ビジネスモデルのデザイン
4, 組織のデザイン
サービスを考えるというと、ついつい「1, 経験のデザイン」「2, 製品・システムのデザイン」に意識が向かってしまいますが、「3, ビジネスモデルのデザイン=儲かる仕組み」「4, 組織のデザイン」が無いとせっかく考えた素敵なサービスを実行、継続していくことができません。
特に「4, 組織のデザイン」に関しては、日本企業から世界に通用するサービスが生まれてこない根本的な原因なのでは?と思うくらい大切、かつ、難しいものだと感じています。
「とても面白いアイデアが出てきたのにそれを実現できる文化、体制が無い!」
そんな会社って日本中に溢れていそうですよね。
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UXデザインを学ぶのも2年目になりました。
クライアントのサービスだけでなく「自分自身でサービスをやってみたい!」という想いはずっと持っているので、そこを意識しながらマスターコースでの約1年間、楽しく学んでいきたいです。
自分用授業メモ/備忘録 01
・人に教える、プレゼンする日を決めてそれにめがけて勉強する
・「学びのプロ」で終わらず、結果を出す
・実際のプロジェクトではUXデザインにおける手順をウォーターフォールのように実施することはできないので、柔軟にいったりきたりする必要がある
・ポジティブに対話しよう、アイデアを出そう
・嫌なこと、ネガティブなことは気にしすぎない、忘れちゃおう
・UXの根本は「嬉しい体験」を増やすこと
・「苦い体験」を減らすのはユーザービリティ
・ユーザーが何に「価値」を見いだしているのか?を見つけるのが大切
・実店舗でのテストは「その結果って○○の店舗だからじゃね?」と他の店舗では再現性が低い結果が出てしまうことがある
→プロトタイピングの手法の工夫が必要
・「モノ思考」を「ユーザー思考」に切り替えるスイッチを持つと良い
→藤井聡汰「相手の気持ちを考える時は下を向いて考える」
・ジャニーマップを作ったりペルソナを作ることが「目的」になってはいけない
→ユーザーの気持ち、価値をきちんと想像する、理解するという目的のために「手段」としてジャーニーマップのような手法がある
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