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言葉が通じる人と通じない人

前回の記事の続きのような話です。

大野更紗さんと糸井重里さんという、2人の偉大な方々が対談した記事が「凄く面白いんだけど全然意味が分からない。」という話を前回の記事に書きました。

なんで2人の話が全然分からなかったのか?

それはたぶん、2人の話している言葉に含まれている知識、経験、意図、背景、思考などを私は全然共有できていないからです。そして、記事を読む限り、2人はかなり「言葉が通じている」ようでした。

https://www.1101.com/komatteruhito/2011-12-14.htmlより引用↓

糸井 大野さんはいま、20代ですか?
大野 27歳になりました。
糸井  どうしてその齢でそんなにわかったんだろうね。それは宮本さんなり吉本さんのおかげなのかな?「難病がこうしました」とはどうも思えないんですよ。

このあたりを読むと、糸井さんが自分と同じようなレベル感で物事を考えている大野さん(20代)に驚いる様子。自分(糸井さん当時62才位かな)の言葉が通じる20代ってあまりいないでしょうからね。

人と会話する時に起きている事

私は人との会話って「意識と無意識」を説明した氷山の様なものだと思っています。浮かんで見えている部分は氷山のごく一部で、実はその下にもの凄く大きな氷の塊が存在している。

日本語が使える2人の会話なら、日本語としての意味(氷山の出てる部分)は伝わります。でも、海の中に大きな氷があるように、言葉には表に出ていない様々な要素があります。

文章で言う「行間を読む」的なものですね。

きちんと表には出ていないけど、読み解いたり、察したりする含まれた意味。この含まれている意味を共有できる人って私の経験上はあまり多くないです。というかかなり少ない。それは私の話している言葉の「行間を読めない相手が悪い」わけでもなく、その逆もまた然りです。ただ、海の下に隠れている氷の塊の形や大きさが違うだけ。

言葉が通じる人との会話

今まで何人か「この人の言ってること分かる!」「こういう意図でこの単語を使っているんだろうな。すごく良く分かるよ!」という人に出会った事があります。その瞬間の興奮、楽しさはとてつもないものがあります。なんというかワンナイトラブの興奮って感じ。

でも、私の経験上、そういう人とはいつの間にか疎遠になる事が多い。

ちょっと悲しいことだけど、もう最初のあの新鮮な興奮が生まれない事、話さなくても「大丈夫。もう分かってる。」感があるからではないかな?それともワンナイトラブになってしまうのは私だけで、他の人はそんな事ないのかな。

大野更紗さん、糸井重里さんの対談記事、今の私では全然意味が分からないのですが、これからいろんな事を考えて、経験して、いつか2人の話している言葉が分かる時が来るといいなぁと思いました。そんな年のとり方をしたいですね。

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