聞こえない! 〜剣道難聴にならないために〜
剣道難聴ってご存知ですか?
剣道によって高い音が聞こえづらくなることです。
耳鼻科の学会でもよく知られた存在のようで、広く認知されているみたいです。
自分は関係ないだろうと思った方も多いと思いますが、実は子供剣士でもなっている可能性がありますし、大人でも知らず知らずのうちに難聴になっていることがあります。
保護者の方は、お子さんが難聴になっていないかどうか気にしたほうがいいと思います。
さて、
剣道家では30歳代から徐々に聴力が低下する傾向があるようで、厄介なことに、剣道難聴は普段の会話をするような音も聞こえにくくなるという特徴があります。
さらに、興味深いことに、剣道難聴は右耳よりも左耳に多いようです。右面よりも左面のほうが力強く打ててしまうことが原因だと思います。
剣道難聴については、下記の報告が参考になります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/115/9/115_842/_pdf
剣道難聴の原因は、
そもそも稽古中の道場がうるさい
面で打突を受けるときに、直接衝撃音と振動を受ける
などが挙げられると思います。
剣道難聴になっていないかの確認は、
黙想中などに耳鳴りがしていないか、
早い言葉を聞き取れているか、
稽古後などに耳に違和感を感じていないか、
などを確認するとよいのかもしれません。
自身の経験では、子供のときから確かに稽古後に耳鳴りがしたり、耳に違和感を感じることはよくありました。ただし、誰も気にも止めてくれませんでした、、、
対策・予防ですが、おそらく確立されたものはありません。
しかし、個人的な意見としては、
1、面紐をきつく締め過ぎない
2、両耳が面に密着しないように、面付けを工夫する
3、連続で面を受けることを極力さける
4、左右面を直接受けることを極力さける(特に切り返し)
などが特に重要ではないかと感じています。
面付けについては、個人で簡単に注意できます。
一般的に、面の結び目の高さが低すぎる方が多いと思います。これでは、両耳が面で塞がってしまうので、打突されたときの音がこもってしまいます。
結び目は物見の高さ(目の高さ)が正しいとされていて、この位置だと側面の面紐が耳よりも上にくるので、耳がふさがれません。「耳抜き」と言ったりしていると思いますが、面紐を縛ったあとに、面布団を横に引っ張って、耳の下側に空気の抜け道を作ってあげるとよいでしょう。
こうすると音がこもりにくいので、耳へのダメージを軽減することができるはずです。
また、つい最近あるSNSで、左右面を直接面で受けることについての投稿が目にとまりました。
例えば切り返しは、直接面で受ける方法と、竹刀で受ける方法があります。大人では直接面で受ける方法をすることはあまり多くはないと思いますが、子供の指導ではよく見かけます。
しかし、これは非常に危険な稽古法だと感じています。
刃筋など、正しい左右面打ちを指導することはもちろん大切ですが、連続で何回も左右面を直接打つことは、受け手の耳へのダメージが非常に大きくなることがあります。
特に、あまり上手に左右面が打てないと、耳の高さに直接竹刀が当たってしまうこともあるでしょう。また、場合によっては、わざと耳を狙うこともできます(ときどきそういった汚い稽古をするかたがおられるのも事実です)。
左右面を受ける場合は、竹刀が面に当たらないギリギリのところで受けることで、直接打つのとほとんど同じ効果を得ることができると思います。工夫をすれば、いくらでも良い稽古ができると思います。
ということで、左右面の稽古や切り返しには、特段の注意を払うべきでしょう。
これは、指導者でも、保護者でも、簡単に子供の身体を守ることができる方法の一つです。
難聴になってしまうと、
耳鳴りがして、早い言葉が聞き取れない、補聴器が必要になる、などなどデメリットが非常に多いです。
若いころになってしまうと将来に影響しますし、そうでなくても仕事や日常生活に多大な影響がでてしまいます。
ぜひ、注意しておきましょう!
まとめ
剣道難聴の存在を知ろう!
子供でも大人でも注意が必要!
面の付け方と、稽古法に気をつけよう!
今日は以上です。
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