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組織をどう作るか、の理想論と現実論

英語がわかる人は、

https://www.youtube.com/watch?v=MwiM_nPyx5Y&t=1916s

これを見て自分がどう思うか考えてみてください。
私がこれから書く記事は、上のnvidias core values のセクションについての話になります。

英語が苦手な人は、私が記事の中で解説するのでそれを参考にしながら動画もぜひみてみてください。

最近、どうやったらいい組織ができるのか、ということについて考えていました。
私のメインの領域はソフトウェアなので、ソフトウェアを開発するチームについて考えていましたが、
今回の話はソフトウェアに限らず、どんな組織にも当てはまるのかなと思います。
ただし、部門としては研究や開発を行うような組織の話になるかと思います。

そしてもう一つ、私はいつも理想論を語りがちです。
高校生の頃に興味があったのは、日本の憲法問題でした。
軍隊を持たず、戦争というアクションを永久的に放棄する、と明言している憲法第九条について、番組でそれを改正すべきか
みたいな討論番組を見るのが好きでした。
特に、爆笑問題がやっていた「太田総理」の番組が好きで、爆笑問題が司会としてバラエティとして作られていた番組でもありながら、
いろいろな政治家や、時には総理大臣や官僚をゲストとして呼んで、日本の社会問題についてある意味大衆を代表する芸能人グループと、国を動かす政治家たちの議論が面白く、当時は見るのが楽しみでした。その中でも、特に白熱することが多かった安全保障上の課題や核問題などでは、私は太田総理の考えがとても好きでした。
彼は憲法9条を必ず守るという立場を一貫して貫いていました。もちろんバラエティなので極論を言ったり、ジョークを交えながら議論が進んでいくのですが、
なぜ私が彼の主張が好きだったかというと、そこに彼なりの「理想論」があったからでした。
憲法9条はそもそもGHQから押し付けられて作られた、アメリカ人が日本をいいようにコントロールしたい意図から作られたものだ、とか色々な意見はありますが、
世の中から戦争や紛争がなくならない中、日本はそもそも戦争を国家間の争いを解決する手法として、永久に放棄するという姿勢を見せていることがそもそも美しい、
みたいな論調だったと思います。

非常に脱線してしまいましたが、私がいいたかったのは、そのような理想論を語ることは悪いことではないと思っている、ということです。
理想論と対比する言葉とすれば、現実論とかになるかと思います。
先ほどの番組でもよく、太田総理は「現実を見ろよ」という言葉で一蹴されることが多かったです。
もちろん社会問題を日頃から考えている政治家の方達にとって、現実的にどうするかみたいな話は一番大事であり、議論の対象になるでしょう。

少し何を言っているか自分でもわからなくなってきましたが、
どんな考え方にも「理想論」的な話と、「現実論」的な話があると思っており、今回話したいのは「理想論」についてです。

最初にリンクを貼った動画についてですが、インタビューを受けているのはNvidiaという会社の創業者のジェンセンファンCEOです。
彼について詳しく説明することはここでは避けますが、NvidiaはIT関連の企業で働いている人や株の取引が好きな人なら必ず知っている、
AIやゲーミングに必要なハードウェアである、GPUとよばれるプロセッサーを主に作っている会社です。

貼ったリンクは動画の途中から始まる1セクションですが、
そのセクションは、ジェンセンが、なぜNvidiaはGPUの製造を自社で行わないのですか?という質問をファシリテーターから受けるところから始まります。
Nvidia は、主力商品であるGPUの開発やデザイン、ソフトウェアからアクセスするためのライブラリの開発などは行なっていますが、
GPUの「実際の製造」は行なっていません。ジェンセンはインタビューの中で、「TSMCが非常に素晴らしい製造を行ってくれるから、彼らたちに任せている、私たちは私たちにしかできないことをやる」というようなことを言っています。
TSMCとは、台湾の半導体チップ製造を手がける会社であり、その技術と規模は現在世界一です。次いでアメリカのSMCIなどもありますが、実力的にはTSMCは誰がみても世界一の半導体製造メーカーでしょう。
Nvidia はTSMCを強力なパートナーとして、GPUの製造自体はTSMCや他のアセンブラーに任せ、Nvidia の主となるGPUのデザインや開発者向けのライブラリの開発に特化しています。

ジェンセンは、このビジネスモデルはNvidiaとしのコアバリュー(核となる価値)であり、彼自身が大事にするコアバリューが故だといいます。
そのコアバリューとは、「世の中の素晴らしい頭脳を持った開発者たちが集まり、生き生きと働くための環境を作ること」だといいます。
ジェンセンはその後の例を出すシーンで、ではどのようにこのような環境を作ることにつながるのか?ということについて言及します。
例として挙げているのは、優秀な人がどのようなことにワクワクするか、というような内容に終着しますが、彼が一貫して言っていることは、
「人がやっていることではなく、誰もやったことがなく、かつ非常に達成が困難だと思われることに注力すること」
が先述した「世の中からたくさんの優秀な人が生き生きと働く環境」を作ることに繋がる、ということです。
そのような環境を作ることが彼のコアバリューであり、Nvidia のコアバリューであると言います。
その後ファシリテーターから、なぜ携帯電話のCPUチップを作ることは行わないのですか?と質問され、「携帯電話のチップはいろんな会社が作れる、なぜ作る必要があるんですか」
というように返しています。

少し長くなりましたが、ぜひ動画をみて、彼の言葉を直接聞いてみてほしいと思います。
だいたい内容がわかった状態で聞けば、英語があまり得意でない人でも理解できるはずです。

ジェンセンが言う、「誰もやったことがなく、非常に困難なことを目指す」ことで、勝手に競争相手が離脱していく
というような言葉は、明らかに理想論でしょう。
実際に会社として全ての労力を「結果が見えない困難な課題」に対してフォーカスすることは難しいとも思います。
ただし、理想論として「誰もやったことがなく、非常に困難なことを目指す」という姿勢を私も貫きたいと思っています。

そのようなチャレンジングな環境を作ることでいろいろな優秀な人が集まってくる、ということもそうだと思います。
誰もやったことがないような面白そうなことをやっている会社は生き生きしていますし、仮にそう謳っていたとしても内部がそうではないとすれば、人は残念ながら離れていくでしょう。
会社であれば売り上げをもちろん上げなければいけません。そのような中で、本当に会社としてやるべき仕事かどうかと葛藤が起きることが多いと思います。
そして、時にはやらざるを得ない仕事を受けなければならないと思います。
ただし、理想として「自分たちは誰もやったことがないxxxをやるんだ」という気持ちは常に持っておくべきだと思います。
そして、そこから目を背けず、具体アクションとしてその理想へと向かっていかなければと思います。
まさに太田総理が言っていた、「現実問題ばかり話すのではなく、行動が理想とする方向から離れていかざるを得ないような方向に行っていたとしても、理想に体をしっかりむけて戦えよ」
みたいな言葉を思い出しました。
それがきっかけで、この記事を書くに至ったと言う経緯です。

最後少しスタミナが切れてしまい、あまりまとまりのない記事になってしまった気がしますが、
私がいいたいことは書けたかなと思います。

私もぜひそのような組織の一員であり、自分もその組織をもっとよい組織にするような貢献をしてみたいなと思います。
現実も見ますが、理想を語ってみようと思います。

スタートアップにずっと勤めているので、このことはより顕著に感じます。
世の中のほとんどのサービスは実際大企業の仕事によって成り立っていますし、
スタートアップが存在する意味ってなんなんだろう、とふと思う時があります。
大企業にプロジェクトをお願いすると高額な費用がかかる、と思っていた時期もありますが、
実際スタートアップであっても請求する費用はだんだん上がっているように思います。
また、品質を見れば、スタートアップが作る製品よりも、大企業が人とお金をかけて作ったもののほうが信頼性は高いことの方がやはり多いとも感じます。

そんな中で、スタートアップがやれることとすれば、「だれもやったことがないこと」や「自分たちだからこそできること」
をやっていく、ということに尽きるんだと思います。
それがなければ、世の中無数に存在する会社に飲み込まれますし、世界的に競争力を持って交渉を進めることなど不可能だと思います。
人を採用する時にも、大企業の方が給与面や待遇もいいことが多いですし、そこに勝っていかなければならない、
そうするためにも、ジェンセンが言っていたことは本質なんだろうと思います。

長くなりましたが、この辺で今回は終わろうと思います。
あなたが大事にする理想論はどんなことでしょうか?仕事に関連したことでも、そうでなくても、いろいろな思いを持って人間は生きているのではないでしょうか?

あなたの意見をぜひコメントに書いていただけたら嬉しいです。

今回はこの辺で。

kenmaro


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