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ばなな神拳とは。

数千年の歴史を持つ一子相伝の暗殺拳。あいてはばくはつする。

もちろんそんな事はないいわゆるツボ押しの一種。ツボ押しと一言に言ってもいろいろあり、鍼灸の経絡穴、トリガーポイント、運動点、モーターポイントなど、多種多様な体系があります。体系は違うものの、かぶっている所が多かったり、パクりパクられの関係にあったりとちょっと複雑だったりするけど。

ぼくの使うのは主にモーターポイント(正確にはモーターポイントマニュピレーション)で、そこに鍼灸の経絡穴の一部とアナトミートレイン理論を応用した独自色の強いものとなっております。と言う事で、メインのモーターポイントの説明します。

モーターポイントはぼくのセカンドお師匠である、《CAが選ぶ世界第三位のセラピスト》とかいう二つ名を持つ駒井政一氏が自分の臨床経験から考案されました。
独自理論でマイノリティな体系なのかなって思ってたけど、整体師として働き出してから関係ないところでモーターポイントの話を結構聞くので、セラピスト界隈では結構有名らしい。確かに使いこなせれば効果は間違いなくあるからね。
(ずっと講師をメインに個人で小口の施術してたけど最近店舗開業するらしいよ。昔のよしみで宣伝しちゃう)

考案の経緯としてお師匠の言葉をまとめると、
・お客さんが効くとかキモチイイって言うポイントまとめてみた。
・それ基準にやったらなんかすげえ効果でるようになった。
・運動点というそれ以前にあった体系を後から勉強したら結構かぶってた。
・教えたら効果バツグンって言う人がいっぱい出てきた。
こんな感じ。

そして技術的には、筋肉に運動神経が侵入している部分にピンポイント圧をかける事で生理反射的に筋肉を緩ませるというものになります。

と簡単に書いたけど、できらぁ!!→えっ!?指の感覚で神経を?
と少し考えると非常に難しい事が分かると思います。
実際これを教えてもらってた時、ぼくを含めて複数の受講者がいるわけですが、みんな口を揃えて難しい難しいと悩んでいました。
大体の位置をまとめた資料を見てそれをガイドにすると見つけられるまではいくけど、そこから実際の施術に応用する段階でかなりの方が挫折しちゃうくらい…

それもそのはず、これはハワイで人体解剖をしてハッキリ確信した事ですが、筋肉の発達や発生走行の細かい位置はもちろんとして、神経の走行にもかなりの個人差があります。たまたまぼくのグループのご献体がイレギュラーの方で、腕神経叢の分岐で尺骨神経の分岐位置が一般的な解剖学資料より遥かに下位から分岐してました。
なので、モーターポイントの資料通りの位置を体表から観察してそこを押しても、ズレてしまうのは当然の事と言えます。
つまり、自分の感覚で掴まないといつまでも実用段階に到達できないというキビシー職人技術となっております。
ズレたまま気にせずできた気でやっていると効果のないなんか変な事をやってくる人と見られてしまうので、それなら普通にもみほぐしをしていた方がいいよね。

幸い、ぼくの場合は前職が機械工で、コンマmm以下の金属加工を勘で合わせるとかいう普通に考えたら狂った仕事を日常的にしていた経験があるので、ほらやってみな→ここですか?→おまえ…初めてでこれが分かるのか…?という具合で天才扱いされたりキチガイ扱いされたり波乱万丈なストーリーがあったりなかったりしたわけですが、とりあえず実用手技として現在メインで使用しております。戦後から日本経済を支えてきたモノヅクリ職人の面目躍如といったところでしょうか。
なお、金属加工職人としてはコンマ二桁くらいまでの加工はできて当然のノーマル技能だったりする。
そんなワケで、モーターポイントをどうしても使えるようになりたい!という方は、金属加工業の町工場に「給料いらないので黒皮挽きだけでいいので毎日やらせてください!」と押しかけるという昭和熱血物語をやってみるといいかもですよ。うん、割とマジで。それ聞いたらたぶんぼく感動して泣く。

ちなみに、お師匠はモーターポイントの位置が光って見えるらしい。ほんとかよ。でも、受けると寸分の狂いなく探らずに一発で当ててくるから本当かもしれない。共感覚ってものが実際にあるみたいだし。
もちろんぼくは見えはしないので探ります。どんどん精度が上がって一発で当たる事も増えてきたけど、探ってて思わぬことに気づいたりする事もあるから探ります。お師匠は探るな一発で当てろって言ってたけど、やだね。探るね。探り続けるね。

【オマケ】
最近技術的な部分について教えて貰った事と違う部分が見え始めてきたので、最後にそれを。解剖学ダイスキーさん用に専門用語の解説も説明も一切なしにここまで書いてきたのでもはやもうここまで読んでる人がいないと思うけど、もしまだ読んでる人がいたら、さらにオタク色が強くなるのでご覚悟を。ここからが本当の地獄だ。

『筋肉の運動神経侵入部位をピンポイント圧して強制弛緩』という基礎理論について、具体的に言うと少し違うんじゃないかなと思い始めてきた。なぜかというと、侵入部位から上位の神経線維を刺激しても同じ効果が得られないから。
侵入部位もしくは神経侵入部位でなくても最大硬結部位をピンポイント圧する事で強制弛緩効果がある事が分かってきた。
なので、今考えている事は筋紡錘へのピンポイント圧が効果があるのではないかということ。筋紡錘は筋肉の圧力センサーなので、
運動神経に圧→弛緩
ではなく、
筋紡錘に圧→脊髄反射筋緊張→誤報判断による脳からの弛緩信号→弛緩
という経緯を辿っているのではないかということ。
まあ効果があるならなんだっていいんだけどね。オタクとしては気になる所でした。

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