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114番 柴苓湯(さいれいとう)

小柴胡湯に何かを加えた「柴なんとか湯」シリーズの1つ。小柴胡湯の「柴」と五苓散の「苓」をとって柴苓湯です。ただし単純な足し算ではなく、桂皮については柴苓湯の方が五苓散より多いです。
下痢、急性腸炎、暑気あたり、むくみの他、メニエール病、多嚢胞性卵巣症候群の改善も報告があります。
印象的なのは、妊娠時のむくみにも使えること。これは処方する側とするとありがたい。

使用目標(証)

本方は、体力中等度の人の、肋骨弓下部の抵抗・圧痛(胸脇苦満)を目標に用いる。腹部では、胸脇苦満のほかに、腹壁の緊張が中等度ないし時にとしてやや弱く、心窩部振水音が認められることがある。口渇、尿量の減少、浮腫などがみられる場合があり、一般に食欲不振、悪心・嘔吐下痢、腹痛、頭痛、めまい、微熱などを伴う。

組成

柴胡(さいこ)
黄芩(おうごん)
半夏(はんげ)
人参(にんじん)
甘草(かんぞう)
大棗(たいそう)
生姜(しょうきょう);ここから↑が小柴胡湯
沢瀉(たくしゃ);ここから↓が五苓散
白朮(びゃくじゅつ)
猪苓(ちょれい)
茯苓(ぶくりょう)
桂皮(けいひ)

勝手にポイント

小柴胡湯(9)+小陥胸湯=柴陥湯(73)
小柴胡湯(9)+五苓散(17)=柴苓湯(114)
小柴胡湯(9)+半夏厚朴湯(16)=柴朴湯(96)
小柴胡湯になにか加えた「柴なんとか湯」シリーズの1つ

「つまずきから学ぶ漢方薬 構造主義と番号順の漢方学習」 岩田健太郎 著 / 西本隆 監修
「漢方製剤 活用の手引き 証の把握の処方鑑別のために」 長谷川弥人 大塚恭男 山田光胤 菊谷豊彦
漢方スクエア 絵でわかる漢方処方解説 柴苓湯
漢方スクエア 方剤解説 柴苓湯