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日本人の薬好きは、いまも続いているのか?

日本人のクスリ信奉

高齢者ほどクスリは病気の体を治してくれる、良くしてくれると思い込んでいるようです。考えてみれば、わたしのような1950年代生まれでさえ幼少期からワクチンを打ち、祖父母や親が病院にお世話になっているとことを見ると、いざ自分が病気にならないと病院の対応はわかりません。

祖父の兄弟も手が震えるほどクスリを何十錠も飲んでいたようで、やめると手の震えが止まると聞きました。娘らが止めてみたらとアドバイスしても、なかなか聞こうとしなかったといいます。同様のことが私たちの親世代にも当てはまりました。

民間療法から西洋医学へ切替え

江戸時代からイギリス・オランダなどの医療にも接してはいたものの、治療といえば民間療法的な治療が多かったようです。明治期に移り、明治三年に政府がドイツ人医師招聘に踏み切ったことで急速に西洋医学へと切り替わっていきます。

その延長線上に今日の現代医学がありますが、現在ではアメリカ医療とクスリの服用が当たり前の時代に変わりました。

病院・施設では、必ずクスリを飲む

現代は、超高齢社会となり病院や介護施設など箱モノの中で生活を余儀なくされる人も増えてきました。こうした病院・施設側の管理下では、必然的に減薬を試みることもなく、処方に従った服薬を繰り返すことになります。

介護の視点からすると、病院での患者としてはクスリの服用が義務的になり、からだを動かすことに制約を受けると嘆く声を耳にします。公的機関のある職員は「自分の祖父が病院でのリハビリが不十分で自分で歩けなくなる寸前まで放置された。介護施設に移って、途端にしっかり歩けるようになって良かった。」と話していました。

その背景には、病院での対応は服薬中心です。高齢な人ほど日常生活動作を維持するためにリハビリを行うことが、重要だという認識に欠けているようです。この点で「病院が要介護者を増やしている」と嘆く人もいます。

服薬という点に絞れば、介護施設は医師の指示に従います。一旦指示されると、その通りに対応します。必ず薬を服用することになり、減薬もままなりません。

なぜ運動を指導しないのか

高齢入院患者は、生活習慣病を患っている方が非常に多いようです。生活習慣病は、服薬より筋肉をつける、動く、ダイエットを徹底する、腹囲を小さくする、食事に気を付けるなどが重要です。そこを十分指導せず、予防医学や先制医療などを叫んでみても、本末転倒のように思えます。

高血圧も、脂質異常症も、他の生活習慣病発症のかかわりが深いため、十分に運動のありようを指導することが先決であると思います。健康を取り戻すために必要な運動量は、かなりハードルが高いもので、地道に実行することが必要です。なぜ指導しないのでしょうか。薬の処方は儲かり、運動の指導は効率が非常に悪いからではないでしょうか。

病人にとっては、健康を体の芯から取り戻すチャンスを逸することになってしまいます。年を取るほど、心肺機能も低下して復元しにくくなると懸念します。必要な運動方法は既に明らかです。問題はその人の状態に応じて、長く続けることができる生活環境を作ることではないでしょうか。

クスリに頼らず、自分で体を動かす

病院で診察を受ける人は、いまだクスリを処方されることが当たり前といいつつ、多くなると勝手に間引く人も後を絶ちません。クスリを処方されて、手元に置くわけですからこれも薬好きといえるかもしれません。

ともすれば誰しもこうした成り行きに身を任せがちです。余程意識を変えないと、自分で健康を取り戻すスタートラインに立つことはできません。

運動が健康に良いことはわかっていても、歩くのも中途半端にやり過ごし、ほどほどの結果しか出ません。中高齢者はいっそクスリを忘れて、からだを大いに動かす、よく歩くことを日常化しては如何でしょう。



宜しければ、サポートお願いします。「生活習慣病は、自分でしか治せない」と考えています。運動と食事での貴職の生活習慣病の治癒体験を教えて頂ければ幸いです。また、わたしの考え方の不足な点があれば、ご遠慮なくご指摘頂けると幸いです。どうか宜しくお願い致します。