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地方移住先で企業の技術紹介に関するモノ書きの仕事が回ってきた

インターン?的な形で働かせていただいている企業さんから、製品と事業紹介のチラシ作成をご依頼いただくことができました。今回はこの経験を元に、地方の中小企業さま達と私のような移住者がどう関われるのかについて書いていきます。

移住×ライターといえば地域おこし協力隊含め地方移住した人の仕事のひとつとして大変よく見聞きするものです。SNSでの発信はよく見かけますし、webメディアでも移住者によるローカル誌への寄稿は多いです。

それらの多くが地方移住の経験・意見・魅力の発信であったり、あるいは地方にある魅力的なスポット・お店の紹介であったりします。なので、ライターさんたちの多くは、自己表現が得意だったり発信力が強かったりする傾向がありそうです。

でも、実際のところ地方移住者の中でも自分の経験・意見や好きなものの紹介はあまり得意じゃないという人は一定数いると思います。私自身についていえば何かの魅力を活き活きと伝えたり、観光地の詳細を調べて魅力的な旅行記を書くということは正直苦手です。

経験についてはこうしてnoteで書いていますが、ネタができた時に都度書く程度なので定期的な執筆業としては厳しいな、という感じです。


では地方でモノ書きをするにはそれらの資質が必要なのかというと、別にそうとは限らないと思っています。

少し前ですが、twitterでマレーシア在住のライターのもときょうこさん(@mahisan8181)が「専門性をつけて、企業のオウンドメディアのライターを目指したらいいんじゃないかな。」と言っていました。

ちょうどそのころ今回の仕事が舞い込み「これはまさに今の自分に起こっていることだ」と大変共感し、この記事を思いついたのです。


専門性をつけて企業の活動や製品についてお客様に合わせた文章を書くということに関しては、ちょうど前職時代に技術営業職として製品の技術資料やプレゼン資料などを文章と図を使って作成した経験があり、私自身も他の人に技術をわかりやすく伝える、ということが好きでした。

このお仕事をいただけたのは、インターンという形でおつきあいが深く、その製品・技術にどれだけ深入りし、かつ企業の経営陣のみなさまの思いに触れる機会が多く先方からも私がある程度理解してくれていると思われていたのではないか?と(勝手ながら)考えています。あとはタイミングとか偶然の要素です。


チラシ作成ということでどちらかというと「デザイン」要素も含まれる仕事でした。一般顧客向けのチラシであれば経験豊富なデザイナーさんにお仕事の依頼がかかっていたかもしれません。

一般的に企業の製品情報となるとどちらかというと技術情報が多く文章と写真が中心です。イラストや文字装飾などの要素は少ないためデザイナー的デザイン要素は相対的にみれば少ないです(あるに越したことはない)。

そしてデザイン経験皆無である私が、どのように仕事に価値を出すかといったら上で述べたような製品・技術の知識と経営陣の思いを理解することだったと思います。

結果的に今回は仕事として大変良い経験をさせていただくことができました。また、副産物としてillustratorによる作業や印刷業者とのやりとりを経験したりデザインの基礎となる本を何冊も読んだりと新たな世界に触れられたことも大きかったです。

前職時代、業務で技術資料などを作成する際にどうしても自分の資料の見栄えが悪いと感じていたのですが、当時は技術的なことばかり考えていたためデザイン関係の勉強をして業務に活かそうという思考が生まれませんでした。

新しい知識や経験を積むには、それまで身につけた専門性や知識を横滑りさせることで、結果的に当初の専門性にもプラスの影響が生まれると感じます。


地方の企業さんの多くはどうしても人不足に悩まされていて、高い専門技術や事業は持っているけど広報的な立場の人がいない、ということも往々にしてあります。

こうした仕事はあまり表に出ないため、なかなか気づきにくいのですが、潜在的な需要はかなり多いと思います。また、単発での仕事は少なくても企業さんは横の繋がりも多いので、結果次第では次の仕事に巡りあう可能性も高くなるかもしれません。

地方移住者の仕事探しとしてライターはよく話題になる仕事のひとつであるが、その内容はローカルメディアに限ったものではないので、魅力紹介や経験・自己開示等の発信が得意・好き・経験がない場合でも、専門性を活かした企業のメディア作成等様々な可能性を探ってみるのがいいと感じました。

目に入りやすい仕事以外にも仕事の可能性はあちこちに転がっていて、それらに目を向けられるように自分の経験・技術・好みなどを俯瞰し、顧客となる相手にそこからどんな価値を出せるのか広い視野で見ることが大切かなと改めて感じた次第です。


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cover photo: 郡上八幡東殿山・山頂付近にてカモシカ氏と


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