見出し画像

折り紙作品 スピノサウルス


過去作の振り返り

前作
鶴の基本形より
完成時から違和感はあったものの、改良せずにいました。一番好きな恐竜なので、適当に終わらせては勿体ない。そして、いくら恐竜といえど生き物なので、現生生物からのヒントも得て野性的に仕上げたい


前作のお気に入りポイント



写真ではわかりにくいですが、下顎の付け根が立体化されています

ドラゴンや恐竜の顎を折り出すとき、このように中割り折りを繰り返すことで折り出す方法はとても古典的なものですが、下顎というパーツで独立しているがために上顎と首が22.5度の上下二辺で繋がっています。理想的な形としては、喉から下顎先まで緩やかなカーブになっていること

今回は予め下顎のみ45度で出し、仕上げで立体化させることで解決できました。顎のかみ合わせを合わせているのもこだわりの一つ

今作の構造は鶴ドラゴンとなっているため、内部カドから足を出す形となっています。カド一つから指を一本一本折り出すことは、少なくとも不可能ではないですが、あまり効率的ではないため、ヒダを使って表現することにしています。それに、現在の説では長い爪が邪魔にならないように指を内向きにして歩いていたという説が提唱されているようですので、かぶせ折りを繰り返すことで、一本ですが、爪が内向きになるように折り出せています

以上が改良するにあたって絶対に流用したい点

不満点



新復元図を見る限り、首が太めに描かれているものが多い気がします。なぜかはわかりません。それを再現しようと立体化での表現を試みましたが、ワニっぽい鋭さより、カバのような重量感が優先的に感じられるような見た目になっています
そして、首から腰にかけてのアウトラインが一直線になっている割に、頭は真っ直ぐ前を向いているため、中2ヤンキーのオラオラ感が出ています
改良時は首を上に曲げて躍動感の演出を考えています



11.25度になっているため、統一感がない。創作中にだんだん理想的な形に近づいてくると、興奮状態になり、もっと目を向けるべき箇所に気づかない、あるいは無視してしまうことがあり、本折りが終わった後に後悔するということが僕の中ではあるあるなんですが、案の定、今回も起きました。
そして帆といえばスピノサウルスの最大の特徴の一つです。これは絶対差別化を狙うべき。できれば構造的に筋とか出してみたい

胴体
前作は長いし幅があるしで…
オーバーすぎる重量感の最大の原因はこれでしょう。メインの頭や僕のという具材に無駄に胴体という水を足しすぎてしまい、味が薄くなってしまった模様。
配分を間違えてしまいました、、、そうじゃなくて
しかし、やはりマンネリ化は避けたい。そういえばあまり目立つ立体化をしてこなかったし、領域も持て余しているので、胴体は立体化で勝負に出たい

試作1

インスタ用の画像ですみません
全体的に幾何学的でよき
帆と尻尾は迷いが残りまくってるので改良必須

試作2

下半身のごちゃごちゃ感を解消、尻尾の細かい折り方も決めました。帆の筋はほぼ申し訳程度。
左右非対称なところもダサい。領域的な問題もあるけど、背に腹は代えられず、シンプルな面構成にすることにしました

本折り

奇跡的に制作中の写真を残していたので、貼らせていただきます

限りなく基本形に近い状態
四肢や頭部が非常にシンプルな形から形成されているのがわかると思います。

ご覧の通り、四肢から針金を出しています。
久しぶりの台座固定で緊張しております

完成

後ろ脚が浮いている感じは少し気になりますが、
まずまずの出来にはなったと思います。
今見ると生き物らしさと幾何学的な要素の調和がとれていないようにも感じてしまう。
正直改良のことは考えたくないですが、見切りが早かったかもしれません。
本折り前に本当にこれでいいのか?と立ち止まり
自分の持てる技術の全てを出し切るつもりで創作に挑まねばと痛感させられました

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?