【コラム】クラス最下位の僕が一級建築士を目指した理由~一級建築士受験生に伝えたいこと~
こんにちは。けんけん(@kenken_blog)です。
僕は幼少期の頃から
「自分は特別な人間だ」
と思っていました。
特にこれといった理由があるわけでもなく、とにかく自分が特別な存在だと信じてやまなかったのです。
ところが現実はそれほど甘くはなく、
「苦労と失敗だらけの日々」
を過ごすことになります。
そして、大学生になる頃には、
このように完全に自分の人生を諦め、自暴自棄になってしまいました。
こんな僕がなぜ、一級建築士を目指すことになったのか?
この理由についてnoteに記したいと思います。
【序章】幼少期から大学入学まで
僕の両親は教育熱心であったことから、もはやスパルタともいえる家庭環境で育ち、
こんな環境で育ちました。
それでも幼い僕は怒られたくないという一心で必至に食らいついていったのですが、中学校に進学すると事態は一変します。
地元の中学には多くの学区から生徒が流入してきました。
今までにはいなかった多くの人たちと出会い、新しい価値観に触れ、それと共にいつしか自由奔放に振る舞う不良たちに憧れを抱くようになりました。
そして、
いい大学に行くために勉強しろ!
と言われ続けた「やりたくもない勉強漬けの生活」に終止符を打つことを決心したのです。
そこから、急坂を転げ落ちるかのように僕の成績はぐんぐんと落ちていき、クラス最下位の常連になっていったのです。
根が真面目だったこともあり、将来のことを考え文系の大学に進学したのですが、大学入学後も留年しない程度にテキトーにやる生活を続けていました。
ちなみに、大学は本当にギリギリで卒業することが出来ました。
【転機】卒業旅行は「沖縄に行こうぜ!」
もちろん、大学に入学したところで将来の展望なんて考えられるほど賢くもなかったので、
「自分は社会不適合者だ。」
と、本気で思っていました。
とにかくメシを食えれば職は問わない。
のらりくらりした人生を歩んでいくのか…。
いや、もうそれ以外の選択肢はない。
本当に、「夢」なんてあったものではなかったのです。
ある日、大学の卒業旅行の話が持ち上がります。
「卒業旅行は沖縄にいこーぜ!」
という同級生の発信で卒業旅行@沖縄が決定したのです。
しかし、僕には卒業旅行に行くためのお金はありませんでした。
そこで、どうしても卒業旅行に参加したかった僕は、短期で稼げるバイトを探しまくったのです。
その結果、建築現場における荷揚げ作業という職種を発見。
早速応募したのですが、面接も雑で面接会場に到着した時点で採用というもはや不安しかないアルバイトでした。
でも、背に腹は変えられません。
友人と沖縄旅行に行くためには、何としてでも資金が必要だったのです。
そのために始めたこのバイト、これがめちゃくちゃキツい!!
そりゃ面接官だって
「ばっくれるヤツが多すぎるから、前金をもらう」
という、今では完全アウトなことを言っていたのにも頷けます。
この建築資材の荷揚げという作業はめちゃくちゃ大変でした。
でも、1現場8千円で、たとえ1時間で作業が終わったとしても、日当8千円がもらえるというのは当時の僕にとって非常に魅力が大きかったのです。
【決意】よし、設計者になろう!
そして、このアルバイトの中で人生を一転させるきっかけがありました。
ある日配属された現場は、千葉県某所の超高層マンションでした。
その日の残業時間に最上階から見た夜景に、
バカみたいに(本当にバカでしたが)とても感動したのを今でも覚えています。
そして、この瞬間、僕は
そう決心したのです。
建物を設計するには、どうやら「一級建築士という資格」が必要らしい。
まずは一級建築士を取ろう。
話はそれからだ!
そんな軽いノリから一級建築士取得への挑戦が始まったのです。
【絶望】え、試験受けられないの??
早速、一級建築士になるための調査に乗り出しました。
でも、調べても調べても自分が望んでいる情報にはたどり着けません。
それもそのはず。
明日にでも受験する気満々だったのに、調べても調べても引っかかる要件が出てくるのです。
建築系の大学を卒業後、2年間の実務を経験することで受験資格が得られる(当時)
はぁ?
言っている意味がわからない!!
それじゃ、試験受けられないじゃん。
せっかくやる気出たんだよ??
文学部卒業でもOKって言ってくれよ!!
しかし、どんなに頑張っても僕には受験資格は無かったのです。
ここで初めて、これまでの人生を反省したわけですが、僕の天性の超ポジティブマインドは黙ってはいませんでした。
ここで、諦めれば全てが終わる。
何としてでも一級建築士を取る!
そう心に誓ったのです。
【現在】巨大構造物の設計に従事
あれから20年、僕は建築系最高峰資格である構造設計一級建築士をも取得し、とある巨大構造物の設計に従事しています。
一級建築士を取るメリットって社会的信用が得られるとか、仕事の領域が広がるとか、年収が上がるとか…
色々あると思うんですが、僕にとって一級建築士を取って一番良かったことって、
(決意表明した)20年前の自分の期待に応えられた
もうホントこれに尽きるんですよね。
前述した一級建築士を取るメリットも当然享受したわけですが、もうあの時自分が思い描いた以上の人生を歩めているということが、何よりも一番幸福感を高めてくれています。
何か大きなことを達成したというこの充実感はもう半端ないです。
だから、今受験勉強を頑張っているみなさんも絶対に一級建築士を諦めてほしくない。
一級建築士取って悪いことは何もないけど、取らずに諦めることはこの先一生「後悔」がつきまとうことになるから。
正直、嫌になったら建築やめたっていい。
でも、どんな人生を歩むにせよ、一級建築士を持っているということは今後全てのシーンで武器になる。
だから、もし受験勉強に疲弊しているなら、一級建築士合格ではなくて、一級建築士を取ったずっと先の素敵な人生に思いを馳せてほしい。
心からそう思います。
正直、「勉強頑張ろうな!」という一言だけでは薄っぺらい感じしかしないから、今の気持ちを素直にnoteに綴ったのですが、もし勉強に疲れてきたらこのnoteを思い出してくれると嬉しいです。
おしまい