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DataRobotという破壊的イノベーション

こんにちは、けんけんです。
少し前までは遠い世界の話でしかなかった「AI」ですが、実際のビジネスの場にももはや当たり前のように登場してくるようになってきました。

この勢いは止まらないでしょうし、もはやAIに関する知識はビジネスマンの必須知識になっていくと思われます。エクセルが使えない、と同じくらいの温度感で「え?AIわかんないの?」と言われる日がくるかもしれません。

私はマーケティングオーメーションを専門領域にしていますが、最近MA大手の「Marketo」とAmazonのAIプラットフォームの「DataRobot」が連携を発表しました。

Marketo公式リリース
https://jp.marketo.com/press/20181017-1033.html

いやこのDataRobot、本当に凄まじいプロダクトです。まさにルールチェンジャー。機械学習のハードルを一気にさげ、AIとの付き合い方を一気に変えました。

■DataRobotってどんなもの?

DataRobotはAmazonが提供するAI/機械学習のプラットフォームです。今までデータサイエンティストしかできなかった機械学習の活用を「誰でも」「簡単に」「高速で」行えることを目指して、世界中のトップデータサイエンティストが開発した、とのこと。

リクルートのAIラボ初代所長をしていた石山さんが「レンジでチンする機械学習」と表現していますが、まさにその表現の通り、誰でも実に簡単に機械学習をすることができます。


■DataRobotを使うと何ができるの?

①従来の機械学習におけるモデル作成

従来の機械学習は1つのモデルを作るだけで膨大な時間がかかるのが当然でした。それもそのはず、一般的にデータサイエンティストがやるモデリングは以下のような手順になります。

①データセットの作成
②データクレンジング(欠損データの保管、形式を揃えるなど)
③データサイエンティストが最適なアルゴリズムを推測。モデルを作成。
④モデルを実装
⑤データを読み込ませ、作成したモデルが妥当性の評価

ここまでやってやっと一つのモデルができるわけです。ここで的確なモデルを作るのがデータサイエンティストの力の見せ所なわけですが、どうしても信頼性が担保できない場合はまた再度モデルを考えなければならないわけです。1つのモデルの検証まで済ませるには1ヶ月以上かかりますから、これを複数個検証しようと思ったら大変な作業です。それだけモデル作成は難易度が高く、時間のかかる作業でした。

②DataRobotを使ったモデル作成

これがDataRobotを使うとどうなるかというと、

①データセットの作成
【②DataRobotにデータを突っ込む】
【③DataRobotが2000種類のアルゴリズムの中から最適なものを30個程度ピックアップ&すべてモデル化】
【④DataRobotが作ったモデルにデータを突っ込み、信頼度を判定】

ここまでがほんの数十分で終わります。【】で囲った中はDataRobotが勝手にやってくれることなので、人間がやるのは「データセットを作る」ことだけです。どのアルゴリズムがいいか...というデータサイエンティストの悩みどころは「片っ端から全部モデリングして信頼度を判定してみる」という機械ならではの最強の力技でなぎ倒しにいきます。

「レンジでチンする機械学習」とはよく言ったもので、データさえ突っ込んでおけば信じられない速さでモデリングが出てくるわけです。



■さらに「グレーボックス化」という人間にも優しい機能

もう一つ、個人的には世の中のマーケターにとってはこの機能が革命的であると思います。従来の機械学習ではよっぽどアルゴリズムやデータサイエンスに造形が深くない限り基本的に予測値がなぜそうなるのかが人間には理解できません。変数が少ないならともかく、莫大な説明変数を重みづけして一つのモデルを導き出すのですから、人間の理解の範囲を超えるのです。

「なんだかわからないけど、機械が予測値を出した」

ある種、これが当たり前の世界です。

しかし、DataRobotには「グレーボックス」という機能があり、ご丁寧なことにこの辺を説明してくれます。

・モデルの中でどの変数をどのくらい重要視してるのか?
・各変数の値が増加(減少)した場合、どのくらい予測値が変わるのか?
・このモデリングの信頼度はどのくらいなのか?



これにより世の中のマーケターは、DataRobotのアウトプットから新しい発見を得ることができます。「重要視されている属性を持つ顧客がいそうな領域に広告費を投下しよう」「コールでのコンタクト回数は3回目以降はあまり予測値が上昇しない(=顧客化率は上がらない)2回まででちゃんとコミュニケーションしきる運用にしよう」など、いくらでも使い道があります。


DataRobotがいかに破壊的なイノベーションか、
ご理解いただけたでしょうか?


今日は以上!

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