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海外移住生活カナダで7年目。車でカナダ横断4,800kmの旅。

今回、3月の中旬からカナディアンロッキーのあるAlberta州のCanmoreという街から大西洋のある東カナダNew Brunswick州まで約4,800km、約10日間で大陸横断した時の情報をまとめてみました。

【大陸横断のキッカケ】

これは単純で新しい仕事をNew Brunswickで決まったことがキッカケでした。

もともとAlberta州で医学系分野で進学を考えていました。しかしながらカナダでずっと過ごした彼女が暫くカナダに帰ってこないということで、次の計画へ進む前に生活費や今後の予定を考慮し暫く違う街で生活してみようかと思ったのが始まりでした。

今までアラスカに近いオーロラでも有名なYukon準州や、カナディアンロッキー、恐竜化石、ロデオなどが有名なAB州のCalgary,Canmoreとカナダで過ごしてましたが、NB州は初めての東カナダになりました。

偶然にも将来海の近くで生活してみたいという思いもあったので、大西洋のあるNB州に移住できたのは良かったと思っています。

バンクーバーのある太平洋側と違い、大西洋の大陸性の気候です。アルバータ州に比べると比較的カナダでも温暖な方らしいです。海もあるし、生活費も安い州なので、一人でも釣りを楽しみながら生活はやっていけそうな気がしています。NB州での記事はおいおい上げていく予定です。


【冬から春の大陸横断】

今回は、4月1日の到着を目処にCanmoreから移動することになりました。
前回2020年にYukon準州からCalgaryまでの2,500kmを走った経験をもとに旅程を考えました。

主に考慮したのは以下の点になります。

  • ルートと一日の走行距離

  • 給油のペース

  • 宿泊先

  • 食事

  • オイル交換などの定期メンテナンスや携行品

2020年の3月に引っ越した時のエピソードなど、自分の海外移住生活の以下の記事でも触れています。


【ルートと一日の走行距離】


サスカチュワンからマニトバ州への道中。ハイウェイの封鎖があり迂回ルートを走ることに。。。

2020年のYukon準州からAlberta州への2,600km移動の時も同じ3月のドライブだったので、その経験を活かせました。
3月は、カナダだと冬の寒波と春の陽気が混在する道路コンディションなどで、予想が難しい時期ということあり、無理せず最大750kmを一日の走行距離としました。
さらに、もカナダは東に行くにつれて1時間ずつ時差の影響で時間が進みます。

今回は、カナダの6つ(アルバータ、サスカチュワン、マニトバ、オンタリオ、ケベック、ニューブランズウィック)の州を駆け抜け、合計3時間の時差があました。その分だけ道中は、時間が早く進むことになりました。

また2020年にユーコン準州からアルバータ州に来た際は、3泊4日で初日から1,000km近く走ることありました。
ただ今回の旅では、助手席からパートナーのサポートがないのと、10日間の長丁場になる単独走行を考えて1日あたりの距離を減らしました。

時差が発生する周辺を走る際は、1時間分を時差で喪失するので無理せず走るように計画しました。
また、週間天気予報から雪道になりそう区間を予め想定し、宿泊地を増やすか、翌日に強行せず連泊するかなども考慮しつつ3つくらい旅程を出発前にざっくり考えました。

ざっくりgoogle mapを参照しながら作成した初期の計画表。更に目的地の選定し直すなど、追記していった。

朝9時から走っても休憩入れて17-19時くらいには次の目的地まで移動できるように計画を立てました。

結局、最大10日間で最短7日を想定し4,800kmを走ることにしました。

【4,800km走行での給油のペース】


Thundebayで出発前までの降雪で覆われた車。5-10cmほど降っておりタイヤのホイールが少し埋まっている。

前回のユーコン準州から移住した際と同じ車2006年製のChevyのAWD車で走ることになりました。燃費が90-120km/hrほどの高速走行で8-11km/L、56Lの燃料タンクから計算しました。実際道中でも適宜燃費計算しつつ最低でも300-400kmに一度給油するペースにしました。

走行区間ごとに燃費も全然変わるので10km/L以上の時は、400km以上で給油したり想定より多めに走ることもありました。

今回は、カナダの物流の要ともなっている太平洋側から大西洋側まで大陸横断するTrans Canada Highwayを主に走ることにしました。

このハイウェイ沿いでは定期的に給油ができるようにガススタンドがあります。
ポイントカードという私情もありMobilまたはEssoで給油したかったので、Google map で予めハイウェイ沿いで検索、かつ24時間営業じゃない場所もあるため営業時間も年の為確認して向かうことにしました。

フランス語圏のガススタンド。いつものEssoの英語画面を思い出しつつボタンを押す。

私物と夏タイヤを車に積載しての移動で、内陸では氷点下20度まで下がるなど燃費に影響する要因はいろいろありました。

日々の道中で給油のタイミングばかりに気が取られて、気持ちの余裕が無くなるのは避けたかったので、燃料計の針でタンクの半分を消費する前に給油し、1日2回以上給油することもありました。

※Pickup-truckなど燃費が激しい車の移動の場合、カナダの人は荷台に予備タンクを積んでいる人が多かったです。
僕の場合、ガソリンの携行缶などなくても移動できました。あればもっと給油に関して安心して移動できることでしょう。

Googleの"pick up truck"より参照。

実際、ThunderBayからWawaの区間を走行した際、五大湖からの寒波で雪道となりました。一応行政がハイウェイの除雪を始めていました。しかし全然間に合わない降雪量でした。田舎道区間の2−300kmを1台の除雪車が担当してたので1時間ほど除雪されないとガッツリ溜まっていました。轍ができるぐらい雪がまだまだ路面に積もっている区間が多い日でした。
峠道だと反対車線のトロント周辺から来ていたトレーラーが雪に捕まり登れず渋滞となっていたりしました。

そして、案の定ハイウェイで雪道で横転するトレーラーに遭遇し、2時間ほど電波のない場所で道路封鎖にあいました。

この時は、前日からの重たく水分の多い雪道であることから道中のトラブルの可能性を考慮し、想定距離よりもかなり短い頻度で給油していました。

おかげで外気はマイナス10度くらいの中を暖房入れつつ、燃料タンク残量ゲージとにらめっこすることなく余裕を持って事故の撤去作業を待つことができました。


トレーラーの単独事故で道路封鎖かつ降雪の中、することがなくて2時間待ちぼうけしていた時

【大陸横断中の宿泊先】

アメリカとカナダとの国境は湖面の中心辺りに。反対側の木々はアメリカ

宿泊先は先程の走行距離と給油できる場所から逆算して決めました。天候などの影響で走行距離が変わりそうな区間では一応宿泊地の候補地を複数調べて、向かうことにしました。

あまりにも小さい町だと電話でしか予約を取らないホテルやモーテルもあります。今回、そういう場所は当てにせず、急な予定変更でも素早く確実に予約が取れるように宿泊用のオンラインサイトを利用しました。

僕の場合、前日に予めチェックしていた給油場所などで休憩も兼ねて、当日の宿泊先をスマホから予約することが多かったです。だいたい給油して3-4時間ほど走ることになるので、最終受付確認のメールも走行中に貰えて、僕にとって丁度良いタイミングでした。

先程書いた雪道での渋滞といったトラブルなど旅程の変更が走りながら度々あったので、給油地毎に当日の走行具合と予定の走行距離を比較しながら、その日の目的地の最終判断をしていました。

Booking.comExpediaで、リストアップされるホテルを比較し安い料金で泊まれる方を比較して調べました。
口コミレビューなども比較して、自分が許せる範囲で選択しました。Booking.comは、モバイル割引や当日値下げもあったので、利用する頻度が多かったです。
道中の宿泊でアカウントのランクがアップグレードされたので、次第にいい部屋に泊まりやすくなったのも良かったです。

カナダ永住者なら既知のことですが、来年のTaxfile(2023年の納税申告)引越し費用が税控除できます。(宿泊費用や交通費、食費などなど)。宿泊用のオンラインサイトだと忘れることなく領収書がいつでも確実に印刷でき納税申請で使いやすいのも利用する理由の1つでした。来年はかなりTax Returnがあると期待しています。

https://www.canada.ca/en/revenue-agency/services/forms-publications/forms/t1-m.html


NorthBayの夕焼け。

道中の宿泊先は以下のとおりです。

  1. Reginaサスカチュワン州の都市。内陸で快晴なのに強風によってハイウェイの側道のプレーリーから過去に降った雪が飛来して積もったりした。ずっと氷点下なのでパウダースノーだったのが幸いでした。氷点下17℃以下になり樹氷があり綺麗でした。)

  2. Winnipegマニトバ州の州都。冬の終盤のため道は、雪や氷がアスファ道路上でも散見する程度だった。カナダのあるあるで冬の間の砂利やスタッドタイヤなどで車線が消えていた。さらに道は氷点下と気温上昇で地下の水分が移動したことで、凸凹ができていて初見で走るのが大変だった。 )

  3. Fort Francesオンタリオ州で西側にある町。カナダとアメリカとの国境に面する町。湖と川の反対側はアメリカ。数百メートル先に国境なので僕のスマホが所在地を勘違いしてアメリカのローミングサービス使うように何度も通知がやってきた。

  4. Thunder Bayオンタリオ州の西側で一番大きい街。カナダの横断鉄道VIAや飛行機など物流と人の拠点。五大湖に隣接し風も雪も激しかった。春になればとても気持ちのいい場所に違いない。)

  5. Wawa(カナダグースを観光の目玉にする小さい町。五大湖と川で繋がる小さな湖に面している観光地。春以降のハイシーズンは忙しくなりそう。街の規模の割に良いホテルだった。ハイウェイの渋滞に巻き込まれなければスキップするところだったので行けてよかった。

  6. North Bayオンタリオ州の湖に面した街。湖の水平線へ落ちる夕焼けがきれいだった。Winnipegから続いた片側一車線のハイウェイがこのあたりからなくなり始めたので嬉しかった。)

  7. Montrealケベック州で一番大きな都市。初めてのカナダのフランス語圏にやってきた。欧州の雰囲気が色濃くある街並み、UNIQLOも都市に4店舗もあったりカナダの都会を満喫。こことQuebec cityでは折角なので二泊し観光。)

  8. Quebec Cityケベック州の州都。城壁で囲まれた旧市街など見どころが多かった。観光するならモントリオールとここはオススメ。)

  9. Frederictonニューブランズウィック州の州都。NB州でも内陸にあり気温は低めだったけど川沿いにある綺麗な街。約10日間の旅の最後の宿泊地。)


【カナダ大陸横断中の食事】

ケベックシティーにて、古い町並みを散策。

宿泊地でも書いたように、1日3食の食費も税控除の対象になる。領収書なしでもベースとなる金額があるので、来年の申請で税控除が出ると思いながら食事をすることができました。

実際の昼食は、レストランに寄ったり長時間昼食休憩をとることは少なかったです。
次の宿泊地に付けば、翌日までゆっくりできると思ったので、道中は給油とトイレ休憩を兼ねての小休憩が多かったと思います。

ガススタンドなら高確率でトイレがあります。ファストフード店はもちろんのこと、街ならWalmartとショッピングモール(店舗同士がちゃんと通路で繋がっている日本のようなモール。)ならトイレがあります。

写真のような店舗が一つずつ独立して並んだショッピングモールだと、飲食店以外で客用トイレはあまり期待できません。
少し贅沢してマクドナルドでプーティンにフレンチフライからアップグレード

A&Wやマクドナルドなどのファストフード店や、車の荷物にある炊飯器を使って、おにぎりを作ったり、アジア系のデリで買ったパンなど移動で気軽に食べられるモノが多かったです。

2022年の場合は、領収書なしで申請すると1日最大CA$63の控除が出る。
参照:https://www.canada.ca/en/revenue-agency/services/tax/individuals/topics/about-your-tax-return/tax-return/completing-a-tax-return/deductions-credits-expenses/line-25500-northern-residents-deductions/meal-vehicle-rates-used-calculate-travel-expenses.html

夕食は、炊飯器でご飯ができるので、外食はしませんでした。白米のおかずとなるモノをWalmartやスーパーマーケットに買い出しするようにしていました。値下げされた簡易サラダのパックや電子レンジで調理できる冷凍食品や持参の電気ケトルの湯で作れるインスタントを購入することが多かったです。
道中のWawaなどWalmartなどがなく、スーパーマーケットの閉店時間が早い場所では、前日の宿泊地で予め一日分多めに買いためて車内に積んで行きました。

冷凍食品も移動中は氷点下の日が多かったので、車内保管でも結構保存もできました。意外とカナダの冬は保存という点で便利な気候です。バターも味噌も劣化なく冷蔵庫のように低温保存で持ち運べました。キューピーのマヨネーズは判断ミスで氷点下の旅路で完全分離してしまい泣く泣く捨てました。


モントリオールのマクドナルド。すべてフランス語。

【オイル交換などの定期メンテナンスや携行品】


Trans Canada Highwayというメジャーな道を走ると言ってもカナダなので、電波がない場所や自然を横切るだけの中々ラフな舗装道も多くありました。
そして、カナダの独特な天候や動物など色々思いがけなくトラブルが起きる可能性がありました。

お世辞にも新しい車ではないので、日々走行前と給油時の最低限のエンジンルームの点検をしました、
また、宿泊地近くで、予約なしのウォークインでメンテができるメカニックで定期的なオイル交換を行いました。

車内の携行品は、ユーコン準州の頃から使っているアイテムが大半ですが持参しました。

  • 内蔵バッテリー付きのバッテリーブースターとタイヤの電動空気ポンプ。

  • 替えのワイパーブレード洗浄液(極寒地マイナス35℃以下用。)

  • ダックテープやドライバーセットなど最低限の工具と替えのヘッドライトの電球。

などなど


モントリオールの散策中にみつけたUNIQLO。
ここから先の東カナダではUNIQLOがないので貴重だった。

このような感じで非常時の準備や宿地決めなどを旅のルーティングとして漏れなくできるようにしたので、安心して運転することができました。

日々、地図や看板をみると最終目的地のNB州まで近づくのがわかるので、新しい街毎の雰囲気を楽しみつつ、人生で数少ない体験ができたのかなと思います。

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