見出し画像

ナラティブ・コミュニケーションが作り出す共感する組織文化

 ダイバーシティが価値創造の源泉になるカギはナラティブ・コミュニケーションかもしれません。

 そこに存在するだけではダイバーシティ(多様性)が持つ価値を活かせない。インクルーシブなカルチャー、別の言葉で言うと高い心理的安全性が担保されていることで、初めて組織やチームが持っている多様性を力に転換することができる。
 さて、そのインクルーシブなカルチャーはどうやって築かれるのか?チームメンバー一人ひとりの関係性が影響する? リーダーやマネジャーの言動も影響しそうです。
 一人ひとり異なるということがダイバーシティを尊重する上での大前提であることを考えると、異なる感じ方、考え方、理解の仕方をする人たちがまとまる、ともに行動してチームの成果を出すために、今風に言うと「パーパス」への共感があるのでしょう。企業のパーパスと個人のパーパスが共振するような関係へ、どうやってそこに至るのか?
 そんなことを考えていた時、「ビジョンを語る」だけでなく、その語り口、語り方が重要なのではないかと思い始めました。そのヒントがナラティブ・アプローチ。ナラティブも広義にはストーリーの一種なのかもしれませんが、その違いは何か?普通のストーリーには主人公がいて始まりと終わりがある、完結する物語です。一方、ナラティブなストーリーは現在進行形で、その話し手と聴き手もそのナラティブ・ストーリーの登場人物で、この物語はエンドレス。ナラティブ・ストーリーは話し手、聴き手の関係、そこにある物語のテーマに関するダイアログによってストーリーが変貌していく。

 常に関係性の中で物語は進行し、話し手も聴き手もある意味主人公であるナラティブなストーリー。話し手も聴き手も物語の当事者ということになります。よく当事者意識とか、自律自走する社員、社員の主体性が重要だと言われます。実はこの主体性とか当事者意識を形成する上で、使えるアプローチがナラティブアプローチではないか、と考え始めました。
 マーケティングの世界ではストーリーテリングのアプローチがいま標準になってきていると思います。中でも、そこにナラティブを意識したストーリーテリングの手法がある。

 ひょっとしたら、これは会社における会社と社員、マネジャーと社員の関係性に応用できるアプローチかもしれません。ナラティブ・アプローチを適用(応用)してコミュニケーションしてみることで、会社のパーパスと個人のパーパスの共感を増幅させることができ、そして、自律自走する社員の行動を促すことができるようになる。そのようなことを考えるに至りました。

 ナラティブ・コミュニケーションを正しく理解していないかもしれませんが、有識者の方からのコメントをいただければ大変ありがたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?