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Clubhouseに対する個人的な感想

Clubhouseとは?

クラブハウスというアプリが最近ローンチして日本で流行し始めている。
クラブハウスというのは、音声版Twitterなどと呼ばれていて、音声コミュニケーションを取れるツールである。LINEのグループ通話をしている感じである。

何が違うのかというと、それが極めてオープンに行われているという点である。誰がどこで喋っているのか一目瞭然で、その会話に参加しようと思えばワンタップで参加可能だ。

さらに、Zoomのようなオンラインコミュニケーションツールであるが、顔出しや画面共有の機能はなく、完全に音声のみで、気軽に参加しやすい。

Clubhouseのいい点


Clubhouseを1日ほど使ってみてよく設計されているなと思った部分について書いていく。

まず、招待制であるということ。
Clubhouseは電話番号を認証してからすぐ使えるというわけではなく、友人知人から招待される必要がある。ユーザーネーム登録後、友達の招待を待つか、友達に招待をお願いする形になる。ここで、入った人と入ってない人に大きな壁ができる。入れた人にしかできない体験という形でユーザーに優越感とも言えるような感覚を与え、認知的に満足させている。(聴きたくても聴けない人がいるという特別感)
逆に、入れてない人にとっては、ものすごく価値が高いものであると錯覚させることができる。高嶺の花のように手を伸ばしても届かないところにあるものはきっと美味しいんだと思ってしまう。
さらに一般的なSNSなどは入ってからその中で盛り上がるのが普通であるが、Clubhouseの場合、入る前から盛り上がる。どうやって招待を受けられるのかなどとここ最近Twitterで盛り上がっている。このような設計はかなり行動経済学的に考えられて作られているなと感じる。

2点目は、通知。
通知をオンにしていると分かるが、友達がルームに入るたびに通知が行く。通知が来る側からすると、この人が何を喋ってるんだろうと気になるため、自然とアプリを開きたくなる構造になっている。
リアルタイムでしか会話を聞くことはできず、アーカイブも残らないため、視聴者は「機会を失う」ことを恐れ、アプリを開く時間が自然と増えてしまう。
現代のSNSやコンテンツは、人の可処分時間をいかに占めるか、ということで争わなくてはいけないため、Clubhouseのような、今聞き逃すともう聞けない、という損失への恐怖は人を大きく動かすことが可能である。

3点目は、入退出の自由さ。
ルームは入退出が自由である。参加する時に若干通知が来るが、退出は特に通知はいかない。
Zoomの場合、ホストに連絡し、URLを送ってもらい、、というような面倒なプロセスがあるが、Clubhouseの場合、「あ、友達が話してる。入ってみよ」という感じで入ることができる。インスタのライブ配信くらいの気軽さで入退室が可能である。
入室すると、モデレーターの人が、「発言しますか?」というような依頼を送ることができ、それを承認すると会話に交わることができる。とても簡単だ。

4点目は、音声のみであること。
ZoomやLineなどのコミュニケーションツールで音声通話する場合、「顔出しもできるが、音声だけ」という選択をしている。Zoomなどで、顔出しありの人となしの人がいて、少し話に入りにくかったり、顔が見えず不安になったりする経験はあると思うが、Clubhouseの場合、音声のみ、と機能を絞っているが故に、顔が見えないことや、顔を出せないことによる、心理的な障害が消える。
このような心理障壁を超え、どんな有名人でも同様に声だけで会話するというのはかなり公平さを感じ、コミットメント率が上がると思われる。

5点目、参加意思表示機能。
これは有名人などの配信などでたくさんの人が集まっているルームにおけることであるが、何百人と集まるルームにおいては、喋る数人と、傍観者多数という構図となる。
そんな中で、視聴者と発言者がコミュニケーションを取る場合、手を挙げる機能が存在する。手を挙げる機能を使うと、会話に参加したいという意思表示をすることができ、発言者に対して直接質問をする権利が与えられる。この権利はもちろんモデレーターの人が持っており、自由に発言させてもらえるというわけではない。
しかし、この非対称性の中において、対面の講義のような登壇者に気軽に質問できる機能を実装しているツールはないように思われる。
この機能を使うと、有名人などとでも話をすることが可能である。実際色んなルームを回ってみて、投資家や実業家の人に学生の人が就活の相談をしている場面なども何度か見かけた。

僕は、趣味の合う友達と気軽に話ができる場になるかなと思い、参加し、実際に仲の良い数人と駄弁っているが、Zoomよりも改っておらず、Twitterにはない音声によるリアルタイムコミュニケーションができていてとても満足している。これからユーザーが増えていくと、カフェやサロンに趣味の合う人が集まるように、気軽に人と喋れる場所となるんじゃないかと思われる。

Clubhouseの気になる点

一応、少し気になる点をいくつか出しておく。
まず、アカウントが単一ということ。
Twitterなどではいくつかのアカウントに分けて発言するのが普通となっているが、ClubhouseではSMS認証の関係などから基本的に1人1アカウントとなる。これでは、フォロワーに、色々な属性の人たちが集まり、少しカオスになり、ルームを開きづらくなるというようなことが起きる。話している時はそこまで気にならないけど、人によっては嫌な人もいるかもしれない。

また、一過性のブームに終わる可能性がありそうということである。今流行っているのはサービス開始で人があまりおらず、ビジネス界隈や芸能人界隈が特別なここだけの絡みや話をしているから視聴者も聞きたいと思い需要を感じているが、招待が進み、みんなが入れる状況になると、物珍しさや特別感も薄れていき、今盛んにやっている層から離脱していくと考えられる。その時にどのような工夫でユーザーを引き止めるのかというところは気になるところである。

Clubhouseはこれから色々なイベントなどに用いられるツールになると思うので期待してウォッチしておきたい。

P.S. @kenjo37 で登録しているのでフォローしてください。

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