![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79437203/rectangle_large_type_2_6e0999a7be9ba5167bec2306a8946519.jpg?width=1200)
アはアーケードのア 第32回『ファイティングホーク』(1989年/タイトー)
そのゲームには任意横スクロールがない
当時あまり遊んでなかった『ファイティングホーク』をアーケードアーカイブスで購入し、久しぶりにしばらく遊んでみました。
タイトーの『ファイティングホーク』といえば、東亜プランの一連の縦スクロールシューティングをベースとしたシステムが採用されているといって差し支えないと思うのですが、両者の大きな違いの一つが“任意横スクロール”の有無ですね。
東亜プランのシリーズは、『タイガーヘリ』『大旋風』等を除き、一定範囲横スクロールするのですが、『ファイティングホーク』にはそれがありません。今回は、この点に絞って少し書いてみたいと思います。
![ファイティングホーク01](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79437288/picture_pc_9693c1f71b663842e5813f2d56481389.jpg?width=1200)
任意横スクロールが入ることで大きく印象が変わる
この有無によるプレイ感覚の違いはかなり大きくて、左右にまったく余白がないのと、1.5画面ぐらい自由に動ける余白があるのだと、受ける印象が本当に変わる。体感として一気に空間が広がるんですね。
この仕組みを採用した最初期のゲームの一つに『スターフォース』があります。以前、『スターフォース』企画者の上田和敏さんにこの任意スクロールの件をお聞きしてみたところ、「せっかくスクロール面が増えたので、左右にも振ってみようと考えた」と仰っていました。
こうしたアイデアは、当時自由になるスクリーン(BG)が増えた時点でごく自然に思い至ったのだろうな、というのはもちろんわかるのですが、でも、『ムーンパトロール』や『ギャプラス』の多層背景のように、各スクロール速度を変えることで奥行きを表現するというのは思いつくにしても、こっちはちょっと違う発想ですし、地上物の画面上の相対位置が変化することで、絶妙に遊びにも影響を与えています。そこがすごいと思うんです。
![ファイティングホーク03](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79437360/picture_pc_3b6a99fe192ad87b0ab26637a6372c8c.jpg?width=1200)
強制スクロールと任意スクロールの共生型は珍しい?
いくつかのタイプのスクロールゲームをつくったことのある開発者のかたには伝わるかと思うのですが、強制型にも任意型にもそれぞれいじってみてわかるおもしろさがあって、強制型だったらスクロール速度だったり、任意型だったら状況に合わせて主人公の画面上の座標をどう扱うか等、なかなか深い。
そのなかでも、こうした強制と任意の常時共生型ゲームってじつはけっこう珍しい存在であると思います。普通はどちらか一方で、あるとしてもステージによって使いわけるようなタイプですし、そもそも強制スクロールゲーム自体がシューティング以外のジャンルでは主流ではありません。
ちなみに、『タイガーヘリ』と『大旋風』には横スクロールがないと書きましたが、どちらも空中物が出てこないという共通性もありますね。それに対して『ファイティングホーク』には空中物がある。そして、前述の『スターフォース』は横スクロールがあって空中物も出るけれど、地上物が弾を撃たない。こうした差異もおもしろいなと思います。 了
![ファイティングホーク-0](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79441967/picture_pc_9b55d11b0e1e7da216759a24a24c7de9.jpg?width=1200)
![ファイティングホーク-1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79441987/picture_pc_8cfbb3559a851dcae8a9d3e57c474784.jpg?width=1200)
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